REVIEW

ブックセラーズ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ブックセラーズ』

文化的な歴史のなかで、本には長い歴史があります。今ではデジタル本も登場し、売買もリアル店舗だけではなくネット上でも可能となりました。本は時代の変化の中で大きな影響を受けていますが、そこにはメリットもデメリットも両方あり、本作では、その両方について、業界の裏側からより深く知ることができます。そして、ただの本好きに留まらないブックセラーズ達だからこそわかる、マニアックな視点がユニークで、その愛の深さに共感。映画好きと同じ匂いがするというか(笑)、良い意味でオタクなところに親近感を覚えます。また、本はただ読むだけのものではないということが伝わってくると同時に、彼等の話を聞いていると、本の多面的な魅力を改めて感じることができます。
本に起こっている変化は、少し遅れて映画にも同じように起きていて、他人事とは思えない部分も多々あります。業界人でなくとも、本を愛する人、映画を愛する人は、それぞれにその素材本来の魅力が一番良い状態で楽しまれる方法を守りたいと思うものです。個人的に、楽しみ方は人それぞれで良いと思っていますが、その文化が生まれた原点を忘れてはいけないなと、本作を観て実感しました。
あと話はちょっとズレますが、映画ファンに注目して欲しいお宝シーンも出てきます。2006年のアカデミー賞授賞式で、『ブロークバック・マウンテン』で脚色賞を得たラリー・マクマートリーが謝辞を述べるシーンに、故ヒース・レジャーとミシェル・ウィリアムズの2ショットも映っているんです。このカップルの2ショットが観られるのは貴重ですよね。そして、たくさんの映画が本から生まれてきていることも考えると、本と映画という2つの文化の繋がりの強さも感じます。そういう意味でも、本作は映画好きにも楽しんでいただけると思います。

デート向き映画判定
映画『ブックセラーズ』

本好きなカップルは放っておいても観てくれそうですが、本作を観ると本好きが加速すると思います。本作を観た後は、本屋さんや古本屋さんなど、いろいろな本に触れたくなると思います。その日のデートは、映画の後に本屋さんや図書館をメニューに入れても良さそうです。初デートの人は、好きな本を貸す、借りるというやり取りをすると、自然に次の約束ができますね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ブックセラーズ』

小学校くらいになると、絶対クラスに何人かは本の虫がいましたが、今はどうでしょうか?私もその1人でしたが、小学校2年生くらいから、頻繁に図書館に行き、いろんな本を借りては読んでました。読書中は夢中で本に集中しているので、声をかけづらいかもしれませんが、同じような本を読んでいる友達がいたら、話しかけてみてください。本作を観てもらうとわかりますが、同じ本好きはすぐに仲良くなれるはずですよ。

映画『ブックセラーズ』

『ブックセラーズ』
2021年4月23日より全国順次公開
ムヴィオラ、ミモザフィルムズ
公式サイト

© Copyright 2019 Blackletter Films LLC All Rights Reserved

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太
  2. Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー
  3. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  4. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  5. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP