REVIEW

ブレイブ -群青戦記-

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ブレイブ ‐群青戦記-』新田真剣佑/山崎紘菜/鈴木伸之/渡邊圭祐/濱田龍臣/鈴木仁/飯島寛/三浦春馬/松山ケンイチ

戦国時代に迷い込んだ高校生達が、自分達の得意とするスポーツの技を武器に戦う奇想天外な設定がまず魅力的です。突然学校ごと戦国時代にタイムスリップし、高校生達が訳もわからず武士に斬られていくシーンは想像以上に過激に描かれていて、終始シリアスなトーンで物語は進んでいきます。一方、どう考えても異常な事態で何が起こっているのかお互いに把握できていないはずの状況下で、「侍と高校生両方フツーに喋ってるやん(笑)」とよくよく考えたら可笑しいシチュエーションもまた良い感じでスパイスになっています。
それはさておき本作は、全国大会レベルで活躍する生徒達が、その優れた身体能力や頭脳を活かして、どう戦うのかが見もの。武道部はまだイメージがつきやすいのですが、真剣を使う相手に対して、野球部、アメリカンフットボールなどの球技でもそのスポーツの特性を活かした戦術で立ち向かう姿がとてもユニークです。また、新田真剣佑が演じる主人公、西野蒼のキャラクター設定が見事で、物語の最後まで予想できない展開が続きます。
設定や物語そのものもおもしろいですが、部活に一所懸命励む高校生達にリスペクトを示し、エールを贈る内容にも受け取れて、彼らの苦闘を観ているとパワーと勇気をもらえます。キャストもすごく豪華で、若手人気俳優が演じるそれぞれのキャラクターはもちろん、松山ケンイチが演じる織田信長も魅力的に描かれています。そして、三浦春馬が徳川家康を演じ、物語を大きく動かす役割を担っていますが、爽やかで凜とした家康がとても素敵で、彼が放つ言葉が主人公だけでなく観る者の心にも熱いメッセージを残します。見どころがたくさん詰まった作品で、戦国時代についても織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の関係性だけわかっていればついていける内容なので、戦国時代はよくわからないという女子でも楽しめますよ。

デート向き映画判定
映画『ブレイブ ‐群青戦記-』新田真剣佑/山崎紘菜

物語の舞台が戦国時代なので、戦闘シーンでは痛々しいシーンも結構出てきます。普段からいろいろな映画を観ている人にとっては許容範囲だと思いますが、初デートで相手の好みがまだわからない場合は、一応苦手な描写はないか先に確かめてから誘うほうが良いでしょう。ほんのりラブストーリーの要素もありますが、高校生同士の恋愛なので観て気まずくなるようなことはありません。基本的に広い層が楽しめる作品なので、上記の点だけ注意すれば、デートで観るのも良いと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ブレイブ ‐群青戦記-』新田真剣佑/山崎紘菜/鈴木伸之

PG-12でキッズにとっては過激だなと思えるシーンも出てくるので、中高生になってから観ると良いと思います。日本史と照らし合わせて観ると、本来の歴史的出来事にも興味がわくので、これを機に映画を観る前もしくは観た後に、戦国時代について調べてみると勉強にも繋がって一石二鳥です。部活に励む高校生達がカッコ良く描かれているので、体育会系、文化系を問わず、部活をやっている人は新鮮な気持ちになれると思います。もちろん部活に入っていない人でも、特に主人公の葛藤に共感できると思うので、いろいろな視点で観てください。

映画『ブレイブ ‐群青戦記-』新田真剣佑/山崎紘菜/鈴木伸之/渡邊圭祐/濱田龍臣/鈴木仁/飯島寛/三浦春馬/松山ケンイチ

『ブレイブ -群青戦記-』
2021年3月12日より全国公開
PG-12
東宝
公式サイト

©2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会 ©笠原真樹/集英社

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『果てしなきスカーレット』
  2. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  3. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  4. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  5. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP