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ふれる。【レビュー】

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映画『ふれる。』

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同じ島で育った幼馴染の3人の青年が主人公の本作は、永瀬廉、坂東龍汰、前田拳太郎が声優を務め、“心揺さぶる”青春三部作といわれる『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』を手がけた長井龍雪が監督、岡田麿里が脚本、田中将賀がキャラクターデザインと総作画監督を務めています。

映画『ふれる。』

島で伝説となっている“ふれる”という不思議な生き物の力を借りて親友になった秋(永瀬廉)と諒(坂東龍汰)と優太(前田拳太郎)は、20歳になり、上京して共同生活を始めます。でも、ある出会いをきっかけに人間関係が絡まりだし、お互いに触れるだけで通じ合っていた気持ちがすれ違い始めます。

映画『ふれる。』

言葉にしなくても相手の心が読めてしまうという設定は、これまでも複数の作品で描かれてきました。ただ、本作はそれだけでは終わりません。その真相は本編でご覧いただくとして、本作を観ていると、もし言葉を介さずにお互いの心を読めたらどんなに楽だろうと思う半面、どこまで伝えるべきなのか、どこからは伝えないほうが良いのかを考えることの意義と、どんな思い、考えも受け取る勇気と考える力の必要性を感じます。

映画『ふれる。』

とにかく最後まで観ると、このストーリーはネットを介するコミュニケーションが主流になった現代社会で、本心をぶつけ合うことに苦手意識を持つ人達へのメッセージのように思えます。親しい者同士のコミュニケーションはもちろん、SNSのように顔も名前も知らない間柄のコミュニケーションが出てきたからこそ、言葉の力に振り回されることが増えたように感じます。でも、考えなくなっては終わりです。本作を観ると、言葉を選ぶ力も、言葉を解釈する力も必要だと実感します。

デート向き映画判定

映画『ふれる。』

良くも悪くもわざわざ言葉に出さなくても通じ合えるようになってきたベテランカップルこそ、本作を一緒に観て欲しいです。お互いの様子から察知できるものはあるものの、やっぱり言葉に出さないと伝わらないこともあります。お互いのコンディションによっても、勝手にネガティブな妄想が膨らんでしまったり、逆にポジティブに勘違いする場合もあるでしょう。最近コミュニケーションが減ってきたなと感じていたら、本作を一緒に観てみてください。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ふれる。』

子どもの頃から一緒に過ごしてきた3人の青年が主人公です。それぞれ異なるタイプのキャラクターが東京での新生活に向き合う姿が描かれていて、皆さんは等身大で観ることができるでしょう。不思議な生き物“ふれる”の存在がいることで、本当の友達って何だろうと考えさせられるストーリーとなっています。仲の良い友達と一緒に観ると、さらに絆が深められるかもしれません。

映画『ふれる。』

『ふれる。』
2024年10月4日より全国公開
東宝、アニプレックス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2024 FURERU PROJECT

TEXT by Myson

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