REVIEW
「人間とは何か」という問いから、“存在意義”への答えを出そうとするストーリーです。本作は、一見人間と見分けがつかないヒューマノイドが、人の心の隙間を埋められるのかという壮大な実験をシミュレーションしています。

建築家の甲本音々(綾瀬はるか)と工務店を経営する健介(大悟)の夫婦は、センスの良い邸宅で優雅な生活を送っているように見えます。でも、甲本家の日常には大きな存在が欠けていました。そんな時、甲本家にヒューマノイドの案内が届きます。

映画公式サイトにはより具体的なあらすじが書かれていますが、最低限の設定のみを知っている程度で観たほうが、想像が掻き立てられるので、ここでは敢えて一部の内容を伏せておきます。私はいつもながら最小限の情報のみで観て、特に前半では、あらゆる不気味さが印象に残りました(褒めてます)。背景を知ると納得がいくと同時に、途方もない喪失感が人間の正気を奪う可能性にゾッとさせられました。

ストーリーが展開していくと、別の側面が出てきます。この展開は甲本夫婦の心境の変化に対応しているように映ります。前半がファンタジーだとすると、後半は現実を直視させるストーリーへと転換していきます。この辺りから、“存在意義”というテーマが色濃く出てきた印象です。“いて欲しい”と思う側、思われる側、どちらの立場でも考えさせられます。

正直なところ結末には賛否両論出るように思います。ただ、甲本夫婦が自分達の気持ちに折り合いをつけられる選択肢から想像すると、この結末が1番自然なのかもしれません。つまり、“存在”をどう捉えたかという答えが、そのまま結末に反映されているといえます。

本作は、ヒューマノイドの利用の是非を問うているというよりも、人間としてどう生きるか、テクノロジーで叶えられることがすべて人間に必要なことなのかということを問うているように思います。こんな未来がきたとしたら、私達はどんな選択をとるのでしょうか。さまざまな感想が聞きたくなる作品です。
デート向き映画判定

甲本夫婦の反応の違いは、とてもリアルです。同じ経験をしていても、反応や乗り越え方はそれぞれです。2人の間に第三の存在が加わることで出てくる変化の様子は、人生を共にするとはどういうことかを想像させます。将来家庭を築こうと考えているカップルにとっては、2人で大きな苦難を乗り越えられるかシミュレーションになる部分があるでしょう。
キッズ&ティーン向き映画判定

タイトルにもついている“箱の中の羊”のくだりは、本作を理解する上で大きなヒントになるでしょう。映画鑑賞に興味が湧いてきたティーンの皆さんは、比喩的思考で観て、自分なりの解釈を楽しんでください。小学生以下の方は、難しいことは考えずに直感で観てみてください。そして、何年か経ってから再び観ると、感じ方が変わっているかもしれません。友達や家族と観て、どんな解釈ができるかを話すのも有意義です。

『箱の中の羊』
2026年5月29日より全国公開
東宝、ギャガ
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2026年5月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。





























