REVIEW

花腐し【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『花腐し』綾野剛/柄本佑

REVIEW

「花」はキャラクターの心を指していたり、恋愛や追い求めていた夢を指していたり、観る人によってさまざまな解釈ができるでしょう。どこで枯れてしまったのかと考えながら観られると同時に、何かが枯れることで、他に芽生えるものがあることにも気づかされます。ただ、人は必ず誰かと関わって生きているからこそ、せっかく芽生えたつぼみでもタイミングが合わない場合もある点が人生の空しさ、苦さに思えます。
また、キャラクター達が、衰退しつつあるピンク映画に携わる仕事をしている設定が、本作のテーマの1つとなっている性にまつわる話を展開する上で効いています。人間の性欲の変化と世の中のニーズの変化を実感するセリフも印象的です。カオスな描写の中に哲学的メッセージも感じます。設定上、濡れ場は多くあり、衝撃的なシーンもありつつ、最初は驚きつつもあまりのバカバカしさに笑えてくるシーンもあります。ただ、可笑しなシーンがあることで、キャラクター達の重く切ない後悔の念が余計に引き立ちます。
冒頭では謎が多いなか、伏線が徐々に回収されていきます。人間ってやっぱり不思議な生き物だなと思うと同時に、少し愛おしく感じられるストーリーです。俳優達の体当たりの演技も見応えありです。

デート向き映画判定
映画『花腐し』綾野剛/さとうほなみ

いろいろな意味でデートには不向きでしょう。過激な性描写もあり、友達と観るのも何だか気まずい気がします。
内容としては、とんでもない恋愛をしてからなかなか立ち直れないでいる方に特に響くのではないでしょうか。一見理解し難い感情の裏に、こんな思いもあるのかもしれないと気づける部分があります。人の恋愛を客観的に見ることで、少し視野が広がって、自分のモヤモヤした気持ちに一区切りつけられるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『花腐し』綾野剛/柄本佑

18歳になっていれば観られるとはいえ、まだ恋愛未経験の方には刺激が強いかもしれません。ただ、かなり苦い恋愛経験が描かれているので、反面教師的に勉強になる部分はあります。何度か恋愛をしてから観ると、よりいろいろな視点で楽しめると思います。

映画『花腐し』綾野剛/柄本佑/さとうほなみ

『花腐し』
2023年11月10日より全国公開
R-18+
東映ビデオ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2023「花腐し」製作委員会

TEXT by Myson


関連作

書籍「花腐し」松浦寿輝著/講談社文庫

Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2023年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン カミング・ホーム【レビュー】

シニア世代の静かな日常を描いたホッコリかわいいストーリーでありながら、意外にも大きなスケールで、ある意味ぶっ飛んでいる奇想天外な…

韓国ドラマ『愛の不時着』ソン・イェジン ソン・イェジン【ギャラリー/出演作一覧】

1982年1月11日生まれ。韓国、ソウル出身。

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』ドーナル・グリーソン 未公開映画活性課カ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

映画『全知的な読者の視点から』イ・ミンホ/アン・ヒョソプ/チェ・スビン/シン・スンホ/ナナ/ジス/クォン・ウンソン 全知的な読者の視点から【レビュー】

原作を知らず、タイトルのみ見ると、現実世界の日常を描いた作品だと思う方もいるでしょう。でも、本作はファンタジー・アクション映画で…

映画『君が最後に遺した歌』道枝駿佑/生見愛瑠 君が最後に遺した歌【レビュー】

タイトルに「遺した」とあるので、悲しい展開を予想される方もいるでしょう。ただ、それだけではなく…

Amazon Prime Video映画『ムーンフォール』ハル・ベリー ハル・ベリー【ギャラリー/出演作一覧】

1966年8月14日生まれ。アメリカ、オハイオ州クリーブランド生まれ。

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング プロジェクト・ヘイル・メアリー【レビュー】

タイトルについている“プロジェクト・ヘイル・メアリー”とは、“イチかバチか(ヘイル・メアリー)”のプロジェクトという意味…

映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』山﨑賢人/山田杏奈 ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編【レビュー】

本作は野田サトル氏による原作コミック “第一部の総括”的ポジションにあたるといわれており…

映画『スペシャルズ』佐久間大介(Snow Man) 佐久間大介【ギャラリー/出演作一覧】

1992年7月5日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』 私ならこうする!『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』を観た女子の本音

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』をトーキョー女子映画部正式部員の皆さんに観ていただき、感想や「私ならこうする!」を聞いてみました。

映画『ユージュアル・サスペクツ』ガブリエル・バーン/スティーヴン・ボールドウィン/ケヴィン・スペイシー/ケヴィン・ポラック あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『ユージュアル・サスペクツ』

今回の「勝手にキャスティング企画!」では、『ユージュアル・サスペクツ』のリメイクを作るとしたら?と…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス

REVIEW

  1. 映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン
  2. 映画『全知的な読者の視点から』イ・ミンホ/アン・ヒョソプ/チェ・スビン/シン・スンホ/ナナ/ジス/クォン・ウンソン
  3. 映画『君が最後に遺した歌』道枝駿佑/生見愛瑠
  4. 映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ライアン・ゴズリング
  5. 映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』山﨑賢人/山田杏奈

PRESENT

  1. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ
  2. 映画『キング・オブ・キングス』
  3. 映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆
PAGE TOP