園子温監督作品の灰汁の強さがハリウッド映画になるとどうなるのかというのは皆さん気になるところだと思いますが、やっぱりあの灰汁の強さはハリウッドでも埋もれず園子温流は健在です。そして、ニコラス・ケイジとソフィア・ブテラが何ともこの世界観に合うんですよね。そして、あのニコラス・ケイジを○○○○姿にしちゃったり、あそこにあんなことしちゃったり、イタズラ心、遊び心が満載で、園子温監督もニコラス・ケイジもノリノリで撮影してたんじゃないかなと想像が膨らみます。
本作の舞台は、和文化がふんだんに取り入れられつつ、時代設定は言及されておらず、人種もいろいろ登場する不思議な世界です。なので、日本語、英語ほか言葉がいろいろ飛び交っても違和感がなく観られると思います。舞台演劇っぽい演出だったり、集団演技も随所にあり、独特な世界観が構築されています。
ストーリーもわかりやすく、ツッコミを入れながら観るのがとても楽しい作品です。園子温監督作はたまにエログロが濃いものもありますが、本作はライトなほうなので観やすいと思います。邦画はあまり観ない、園子温監督作も観たことがないという方もニコラス・ケイジ、ソフィア・ブテラきっかけで観てみてはどうでしょうか。


ロマンチックなムードは期待できませんが、気楽に観られるのでデートで観るのもアリでしょう。ただ、好みは分かれそうなので初デートなど相手の好みがまだわからないうちは避けたほうが無難です。園子温監督作には珍しくエッチなシーンは少なめで、気付くか気付かないかくらいのヌードがあるくらいなので、気まずくなることもなさそうです。


これまでの園子温監督作に比べれば、描写はまだマイルドなほうだと思いますが、バイオレンス映画ではあるので、中学生くらいになってから観るほうが良いでしょう。昔のニコラス・ケイジの作品などを知らずに本作で初めて観ると、彼がどんな俳優に見えるのか、大人とはまた違ったイメージを持てそうですね。そういう意味では親子で観てみるのもおもしろいかもしれません。

『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』
2021年10月8日より全国公開
PG-12
ビターズ・エンド
公式サイト
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TEXT by Myson

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