REVIEW

プロミシング・ヤング・ウーマン

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』キャリー・マリガン

タイトルにある“プロミシング・ヤング・ウーマン”とは、前途有望な若い女性という意味です。それが何を意味するのか、そのことにどんな重みがあるのかは、物語が進行するにつれ明かされていきます。どんなストーリーなのかは敢えて具体的に書かないでおきますが、泥酔した主人公のキャシーが冒頭で登場してからの展開は驚くべきものがあります。これは、ある出来事を機に運命を狂わされた女性の復讐劇ですが、個人間の恨みだけではなく、社会に対する復讐と言えて、女性なら誰もが少なからず経験することを描いている点で他人事としては観られません。そして、ここで描かれる問題の根が深いことは物語を通して痛感させられ、それは必ずしも女性が皆女性の味方とは限らないこと、どんな人でも加害者側になり得ることも示されているだけに、一層自分事として感情移入して観られると思います。
復讐劇の末路も衝撃的で、それくらい強烈なものに昇華した根本の怒りの大きさが比例していると解釈できます。とてもスタイリッシュに描かれていて、エンタテインメント性も感じられますが、きちんとこの物語が伝えたいメッセージが観る方々に伝わると良いなと思える重みのある内容です。

デート向き映画判定
映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』キャリー・マリガン

カップルで観るには気まずい展開もありますが、ぜひ共有して欲しい内容ではあります。女性は日常で何かしらこういう状況にさらされていることをパートナーに知ってもらうだけでも、安心感が持てて、信頼関係も深まるのではないかと思います。説教的な意味ではなく、身近な人物から理解を深めてもらい、意識を向けてもらう働きかけをする意味でも、好きな人と一緒に観ていろいろと話し合うのも良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』キャリー・マリガン

女子の皆さんは中学生、高校生くらいになると、残念ながらだんだん映画と似たような状況を感じることが増えると思います。そして、自分で自分の身を守ることも必要だというのは正直あります。悪い人に見えなくても、罪の意識がなく、映画のような言動をしてしまう人はいます。こういう現実があるんだなということが知られるストーリーなので、エンタテインメントとして楽しみながらも、参考になる部分が大いにあると思います。

映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』キャリー・マリガン

『プロミシング・ヤング・ウーマン』
2021年7月9日より一部先行公開/7月16日より全国公開
PG-12
パルコ、ユニバーサル映画
公式サイト

© Universal Pictures
©2020 Focus Features, LLC.
©Focus Features

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

映画『ラ・コシーナ/厨房』ラウル・ブリオネス/ルーニー・マーラ ラ・コシーナ/厨房【レビュー】

イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲“調理場”を映画化した本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  2. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  3. 映画『リライト』池田エライザ
  4. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李
  5. 映画『プレデター:最凶頂上決戦』

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP