REVIEW

劇場

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『劇場』山﨑賢人/松岡茉優

舞台は下北沢で、アングラの匂いがリアルに立ちこめる世界観になっています。私も遠い昔にこの界隈でお世話になっていたので、当時の感覚が生々しく蘇りました。キラキラしたムードと同時に鬱々した空気が漂う町で、そこには夢とジェラシーと執着が渦巻いているんですよね。下北沢には、夢を持った人が多くいますが、永田(山﨑賢人)のように夢を追って上京してきたものの、なかなか思うようにいかなくて、立ち止まったまま動けなくなってしまう人も多くいると思います。一方、沙希(松岡茉優)のように、好きな人の夢を支え始めたは良いものの、自分を見失ってしまう人もいるはずで、そんな2人の恋愛を通して、何が幸せか、2人でいることに意味はあるのかを、それぞれ男女の目線で観ることができます。孤独に夢を追いかけるより、誰かと一緒のほうが心強いはずですが、皮肉にも2人になることで他の悩みも生じてきます。2人は恋愛をすることで成長し大人になっていきますが、同時に自分達の現実にも目を向けることになります。
夢を追う人は1人で突っ走っている気になりがちですが、どんなに孤独でも誰かの人生と呼応している。そんなことに気付かせてくれる点で、本作はただのラブストーリーに終わらず、奥深い作品になっています。そして、山﨑賢人の演技が素晴らしかった!結末をどう捉えるかは両極ありそうですが、最後には前向きになれるので、今動けないでいる人には特に観て欲しいと思います。

デート向き映画判定
映画『劇場』山﨑賢人/松岡茉優

男女の目線で共感できるところも多くあれば、性別に関係なく、夢を追う者、それを支える者として共感できるところもあり、デートで観るととても有意義だと思います。主人公2人と同じように、夢を追うためにアルバイトなどをしながら同棲しているカップルは、日頃なかなか言い出せないことも多いと思いますが、本作を機に本音をぶつけ合うのも良いかも知れません。また、ハッピーエンドととるか、バッドエンドととるかで、価値観もわかるので、相性をはかりたい人は好きな人を誘ってみるのもアリでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『劇場』山﨑賢人/寛 一 郎

ティーンの皆さんは特に社会に出る日が近づくにつれ、どんな職業に就きたいかなどを具体的に考えると思います。夢にチャレンジしようという人にとって、また地方から東京や大阪などに出てくる人にとって、本作はシミュレーションになるところが多くあります。ラブストーリーとしても、学ぶところがたくさんあるので、ぜひ観てみてください。

映画『劇場』山﨑賢人/松岡茉優

『劇場』
2020年7月17日より全国公開&Amazon Prime Videoにて全世界独占配信
松竹、アニプレックス
公式サイト

© 2020「劇場」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  2. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  3. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  4. 映画『果てしなきスカーレット』
  5. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP