REVIEW

海獣の子供

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『海獣の子供』

思春期の男女を主人公にしたアニメーションですが、どこか艶めかしい雰囲気があり、美しく幻想的で力強い画で描かれる世界は、観る者を引き込む吸引力があります。幼い頃から演技派を貫く芦田愛菜、『リメンバー・ミー』の主人公ミゲルの日本語吹替版声優を務め、歌唱力も高評価の石橋陽彩をはじめ、大人キャラクターの声優陣も、森崎ウィン、稲垣吾郎、蒼井優、富司純子など豪華キャストで、皆、声がイメージにピッタリです(空役が浦上晟周に変わる前に観賞)。神秘的なキャラクターが多かったということもありますが、中でも森崎ウィンがすごくイケボイスで、本人もイケメンですが、声だけでもすごく雰囲気があるんだなと印象に残りました。生命のルーツ、生命が宿る地球、生と死といったテーマを扱っているので、テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』に通じるものがあるなと個人的には思ったのですが、本作についても頭で理解するというよりは、本能で感じとる作品という印象です。画力、ストーリー、演出、久石譲が担当する音楽、声優達の演技力が揃い、総合芸術として見応えを感じる1作となっています。

デート向き映画判定
映画『海獣の子供』

年齢を問わず引き込まれるアニメーションなので、デートで観るのも良いでしょう。ラブストーリーなのかどうかが微妙な関係性が描かれていますが、微妙だからこそドキドキするシーンがあり、良い意味でムーディな映画です。主人公達と近い思春期のカップルはもちろん、大人カップルでも楽しめます。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『海獣の子供』

とても壮大なテーマの作品で、ファンタジーとも言えるので、頭で理解しようとし過ぎると混乱してしまう部分もあるかも知れませんが、感じるままに受けとめてください。この世にある生命とは何ぞやという疑問を投げかけ、人間のルーツ、生き物のルーツって何だろうと考えるきっかけをくれて、こんな考え方もあるというユニークな視野も与えてくれるストーリーです。

映画『海獣の子供』

『海獣の子供』
2019年6月7日より全国公開
東宝映像事業部
公式サイト

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー 『ファンファーレ!ふたつの音』エマニュエル・クールコル監督インタビュー

フランスで3週連続NO.1(仏映画興収/実写映画において)を獲得し、260万人動員の大ヒットを記録した話題作『ファンファーレ!ふたつの音』。今回は本作のエマニュエル・クールコル監督にインタビューさせていただきました。

映画『ひゃくえむ。』 ひゃくえむ。【レビュー】

魚豊著の『チ。 ―地球の運動について―』がすごく好きなので、絶対に本作も…

映画『お嬢と番犬くん』櫻井海音 櫻井海音【ギャラリー/出演作一覧】

2001年4月13日生まれ。東京都出身。

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ひゃくえむ。』
  2. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  3. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  4. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  5. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP