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関心領域【レビュー】

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映画『関心領域』

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ユダヤ人虐殺を取り上げた作品はこれまでにたくさんあるなかで、本作のような角度から取り上げた作品はなかったのではないでしょうか。本作の登場人物は、1945年、ユダヤ人の大量虐殺が行われていたアウシュビッツ収容所のすぐ隣で暮らす家族と使用人達です。アウシュビッツ収容所はセリフの中には登場しつつ、収容所の様子はほとんど音だけで表現されている点も印象的です。音だけだからこそ余計にそこで行われている恐ろしい出来事が生々しく伝わってくるように感じます。
本作は『関心領域』というタイトルそのままに、人の関心がいかに違っていて、それが何を意味するのかを訴えかけてきます。すぐ隣で多くの人が殺されているにもかかわらず、キャラクター達の日々の過ごし方はまちまちです。その環境が“快適”と捉えている者もいれば、耐えられない者、その場にいながら自分ができることをやろうとする者、それぞれの日常の様子が淡々と描かれています。一見平然としているようでいて内心はそうとはいえない者、完全に自分中心の価値観で生きている者、そうした違いも言葉ではなく、ふとした描写で示している点も本作が秀逸な点だといえます。

映画『関心領域』

虐殺が罪深いのはもちろん、無関心であることもとても罪深いと訴えかけてくる内容です。戦争映画、ユダヤ人虐殺の映画というジャンルを超えて、本作は時代や場所を問わず、人間が常に抱えている問題を提起しています。これこそ本当に怖い物語です。誰にでも日常で見て見ぬ振りをしてしまうことはあり、何にでも関心を持つというのは不可能です。ただ、無関心であってはいけない領域があると、本作は教えてくれます。

デート向き映画判定

映画『関心領域』クリスティアン・フリーデル

デートムービーとはいえないものの、本作に登場する夫婦を観て何を感じるかを話し合うと、お互いの価値観を知る機会になりそうです。致命的といえるほどの感覚の異常さ、“極度の無関心”について描かれていて、現代社会にも通じる部分が大いにあります。自戒の機会にもなるので、一緒に観るのも有意義だと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『関心領域』ザンドラ・ヒュラー

露骨な描写は出てこないとはいえ、かなりむごい状況が描かれています。幸せに暮らしているように見える家族の周辺で何が起きているのか、想像力、観察力を働かせながら観てください。無関心でいることがいかに残酷か、客観視する機会をくれる作品です。同時に、どんな人間でありたいか、考える機会にもなると思います。

映画『関心領域』

『関心領域』
2024年5月24日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト

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TEXT by Myson

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