REVIEW

キーパー ある兵士の奇跡

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス/フレイア・メーバー

第二次世界大戦で捕虜としてイギリスの収容所に送り込まれたナチス兵士のバート・トラウトマン。終戦後、収容所で彼が仲間と共にサッカーをしているところに地元チームの監督が訪れ、彼をゴールキーパーとしてスカウトします。さらにその後、名門サッカークラブ“マンチェスター・シティFC”に入団し、やがて国民的ヒーローとして敬愛され…という驚くべき実話から生まれた本作。今となっては世界のクラブで外国人選手が活躍することは当たり前ですが、終戦直後という厳しい時代にさまざまな逆境を乗り越え、サッカー選手として活躍したバートの姿にはとても胸を打たれます。また、選手としてだけでなく、彼が戦時中に負った心の傷や、イギリス人女性との国際恋愛の様子も描かれるなど、さまざまな要素が詰まっているのも本作の魅力です。バートや周囲の人達の優しさに溢れた対応は現代を生きる私達にとっても身に染みる部分がありますし、これが実話だと思うと本当にすごい!何か一歩踏み出すことに躊躇している方々の背中を押してくれるきっかけにもなる作品だと思います。

デート向き映画判定
映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス/フレイア・メーバー

デートでもぜひ観て欲しい1作です。母国同士が争っていた戦争の直後という時代に、ドイツ人のバートとイギリス人のマーガレットが恋愛することは、想像できないくらいの苦労があったと思います。そんな彼らが差別や周囲の反対を乗り越えていく様子をデート相手と一緒に疑似体験することで、相手との絆もさらに深くなりそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス

キッズも観られますが、戦争の背景などを理解した上で観たほうがより本作を理解することができると思うので、できれば中学生くらいになってから観ることをオススメします。ティーンの皆さんは、戦後に元敵国に残った主人公に注目しながら観てください。彼らの時代に比べたら今のほうがより国際的な社会になりつつありますが、今後さらにボーダーレスな社会を作っていくためにも、これを機に人間同士の交流や関わり方について考えてみて欲しいと思います。

映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス/フレイア・メーバー/ジョン・ヘンショウ/デイヴ・ジョーンズ

『キーパー ある兵士の奇跡』
2020年10月23日より全国公開
松竹
公式サイト

© 2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann

TEXT by Shamy

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP