REVIEW

ケナは韓国が嫌いで【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン

REVIEW

自分の現状に違和感を持っていても、打破しようと行動を起こすのは簡単ではありません。でも、本作の主人公ケナ(コ・アソン)は韓国を飛び出します。本作の原作者は、『コメント部隊』と同じチャン・ガンミョン氏です。ガンミョン氏は、元新聞記者とのことで、社会情勢を題材とした作品を書いている点に納得です。

映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン

序盤ではケナの日常が描かれ、彼女が将来に抱く漠然とした不安がリアルです。生活できないほど貧しいわけではなくとも、切り詰めて生活しているケナの家庭の様子からは、日本社会にも近いものを感じます。だから、こうした不安を若者は日本にも少なくないのではないでしょうか。

映画『ケナは韓国が嫌いで』チュ・ジョンヒョク

一方で、女性の生き方として、型にはめられたような道を安易に選ばず、自立して生きることを選ぶケナに共感を覚えます。そして、海外経験を積んだ後のケナの変化にも希望が見えます。本作を観ると、一度外に出て、外から内側を見ることで、それまで気づかなかった良さに気づくという疑似体験ができます。そうした日々を経たケナの選択には清々しさを感じるでしょう。

映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン

タイトルだけ見るとネガティブに思える動機は、実際は行動的で前向きなものであることがわかります。現状維持はある意味楽だけれど、それが妥協の上に成り立っていて一生続くとなるとゾッとする。もし、ケナと同じようにどこかで感じている方は、自分の気持ちに正直に向き合うきっかけに観てください。

デート向き映画判定

映画『ケナは韓国が嫌いで』キム・ウギョム

カップルとしての分かれ道と捉えられる展開もあり、近い状況にあるカップルが観ると、かなりシリアスな空気が漂いそうです(苦笑)。将来について同じ方向を向いていないと感じていて、決めかねているなら、1人でじっくり観ると、自分の本音に気づけるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ケナは韓国が嫌いで』

皆さんにとっては、近い未来のお話に思えるでしょう。大学生なら既にケナとかなり近い感覚を持っている方もいそうです。社会人になるとしがらみが増えていき、思い切った行動をしづらくなります。今なら一時的に留学したり、選択肢は豊富です。本作を参考にして、自由にできる年齢のうちに、一度は海外に出てみるのも良いのではないでしょうか。

映画『ケナは韓国が嫌いで』コ・アソン

『ケナは韓国が嫌いで』
2025年3月7日より全国公開
アニモプロデュース
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2024 NK CONTENTS AND MOCUSHURA INC. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年3月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ AFRAID アフレイド【レビュー】

『M3GAN/ミーガン』を手掛けたブラムハウスのチームが本作でも進化し過ぎたAIの脅威を描いています…

映画『楓』北島岬 北島岬【ギャラリー/出演作一覧】

2007年8月6日生まれ。千葉県出身。

映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン 心理学から観る映画60:記憶障害の診断「神経認知領域」と「病因」からみる『殺し屋のプロット』

今回は、急速に進行してしまう認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病に冒された殺し屋の最後の“仕事”を描く『殺し屋のプロット』を取り上げます。

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ 『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『ただ、やるべきことを』鑑賞券 3名様プレゼント

映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶 星と月は天の穴【レビュー】

映画に対してというよりも、本作で描かれる男女のやり取りについては、解釈の仕方および、その解釈に伴った好みが…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ【レビュー】

REVIEWシリーズ3作目となる本作でも、まず映像美と迫力に圧倒されます。物理的に目の前で…

映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗 新解釈・幕末伝【レビュー】

幕末を描いた本作は、“新解釈”とタイトルにあるように、ユニークな解釈で描かれて…

映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア、ジェームズ・キャメロン監督、山崎貴監督、宮世琉弥 お互いの才能を讃え合うジェームズ・キャメロン監督と山崎貴監督、若者代表、宮世琉弥も感動『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』来日ジャパンプレミア

最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』のワールドツアーの一環として、ジェームズ・キャメロン監督が3年ぶりに来日。山崎貴監督と宮世琉弥も会場に駆けつけました。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  2. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  3. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ

REVIEW

  1. 映画『AFRAID アフレイド』ジョン・チョウ
  2. 映画『星と月は天の穴』綾野剛/咲耶
  3. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』ウーナ・チャップリン
  4. 映画『新解釈・幕末伝』ムロツヨシ/佐藤二朗
  5. 映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』コリン・ファレル/マーゴット・ロビー

PRESENT

  1. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  2. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
  3. 映画『サリー』エスター・リウ
PAGE TOP