REVIEW

殺さない彼と死なない彼女

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『殺さない彼と死なない彼女』間宮祥太朗/桜井日奈子

間宮祥太朗が演じる小坂れいと、桜井日奈子が演じる鹿野ななが主人公でありつつ、ほかのキャラクター達も含めた群像劇で、高校生達の恋愛の悩みと同時に、日々を生き抜こうとする奮闘を描いています。死にたいと思っている鹿野なな、「死にたいなら死ね」と彼女に言いつつ、優しく寄り添う小坂れい。2人の会話には「死にたい」「死ね」「殺せ」「殺すぞ」といった、言葉じりだけ聞くと乱暴な言葉が出てきますが、本作では逆にその言葉の裏に優しさ、愛があるからこそ、逆の意味に捉えられるといった描写が印象的です。絶望からくる”死”への距離感と、希望からくる”死”との距離感の変化が絶妙で、高校生同士の何気ない会話から、彼らの成長がうかがえます。メインのキャラクターは、学校の中に1人はいそうなタイプですが、彼らが普段表には出さない心情に主にフォーカスしている人間ドラマなので、単なる学園モノにとどまらない作品になっています。悲しいけれど温かい作品で、最後には元気と勇気をもらえるはずです。

デート向き映画判定
映画『殺さない彼と死なない彼女』間宮祥太朗/桜井日奈子

主人公達は、お互い憎まれ口をたたきあいながらもとても仲の良いカップルで、その不器用さに共感できると思います。また間宮祥太朗が演じる小坂れいのさりげなくて自然な優しい態度や行動は、ぜひ見習いたいところ。相手の存在の大きさが実感できるストーリーなので、鑑賞後に2人の距離がグッと縮まるでしょう。そういった意味では、「相手がいて当たり前」と思ってしまっているマンネリカップルにもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『殺さない彼と死なない彼女』間宮祥太朗

人柄は言葉の表面的なところではなく、人に対する姿勢に表れるのだと客観視できます。なので、本当に自分に合った友達が誰なのかを見つめ直すこともできるでしょう。同時に自分がどんな状態にあっても心配してくれたり、時に厳しくしてくれる友達が既にいたとしたら、その友達の大切さも実感できるはずです。本作にはいくつかのラブストーリーが描かれていますが、ラブストーリーとして観ても、青春映画として観ても、響くところがあると思います。

映画『殺さない彼と死なない彼女』間宮祥太朗/桜井日奈子

『殺さない彼と死なない彼女』
2019年11月15日より全国公開
KADOKAWA、ポニーキャニオン
公式サイト

© 2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『8番出口』二宮和也 8番出口【レビュー】

観始めてスゴい設定だと驚き、何から何まで巧く作られていて…

映画『ムガリッツ』 『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『太陽がいっぱい』アラン・ドロン アラン・ドロン【ギャラリー/出演作一覧】

1935年11月8日生まれ。フランス出身。

映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン 大統領暗殺裁判 16日間の真実【レビュー】

1979年10月26日、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されました。本作は、その暗殺事件に関わったメンバーのうち、軍人だったために唯一軍法裁判にかけられたパク・テジュ(イ・ソンギュン)と…

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』 『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『愛はステロイド』クリステン・スチュワート/ケイティ・オブライアン 愛はステロイド【レビュー】

本作の原題は“Love Lies Bleeding”で、「愛は血を流す」と直訳されます。一方,邦題は『愛はステロイド』と付けられています…

Netflixリアリティ番組『彼氏彼女いない歴=年齢、卒業します』 映画に隠された恋愛哲学とヒント集79:『彼氏彼女いない歴=年齢、卒業します』『ラブ・イズ・ブラインド ~外見なんて関係ない?!~』にみる恋の見つけ方と見分け方

今回は、トーキョー女子映画部正式部員の方からいただいたお悩み相談を基に、オススメの恋愛リアリティ番組をご紹介します。

映画『終わりの鳥』ジュリア・ルイス=ドレイファス ジュリア・ルイス=ドレイファス【ギャラリー/出演作一覧】

1961年1月13日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。

映画『バレリーナ:The World of John Wick』ジャパンプレミア:アナ・デ・アルマス、レン・ワイズマン監督 チャレンジがあるからこそ、自分達の創造性の燃料になる『バレリーナ:The World of John Wick』ジャパンプレミア

『バレリーナ:The World of John Wick』の公開を記念し、主演のアナ・デ・アルマスとレン・ワイズマン監督が来日し、ジャパンプレミアが開催されました。

海外ドラマ『アイアンハート』 アイアンハート【レビュー】

アーマースーツを作る天才少女リリ・ウィリアムズ(ドミニク・ソーン)は、3歳で最初の発明をし、成長した今ではトニー・スタークの出身校でもあるマサチューセッツ工科大学に通って…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『8番出口』二宮和也
  2. 映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン
  3. 映画『愛はステロイド』クリステン・スチュワート/ケイティ・オブライアン
  4. 海外ドラマ『アイアンハート』
  5. 映画『バレリーナ:The World of John Wick』アナ・デ・アルマス/アンジェリカ・ヒューストン/ガブリエル・バーン/ノーマン・リーダス/イアン・マクシェーン/キアヌ・リーブス

PRESENT

  1. 映画『ムガリッツ』
  2. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
  3. 映画『ファンファーレ!ふたつの音』バンジャマン・ラヴェルネ/ピエール・ロタン
PAGE TOP