REVIEW

幸福なラザロ

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『幸福なラザロ』アドリアーノ・タルディオーロ

本作は実際にイタリアで起きた詐欺事件から着想を得て作られた物語で、その事件の内容にも驚きますが、そういった現実をキリスト教の“ラザロ復活”のエピソードと絡めているという点でとても独創的です。舞台となっている時代がいつなのかがわからないほど、社会から隔離されていると思われる田舎の村で、貧しい生活を送る人々とラザロ。前半は彼らが毎日細々と暮らしている様子が描かれています。キリスト教のラザロについて知っている方なら展開を少し予想できる部分もあるかも知れませんが、私の場合は知らずに観たので、途中ラザロに起こったありえない出来事を観て唖然。そこからどうなるかは映画を観て頂くとして、後半はジャンルが変わったとも言える内容になっており、なお観る者の心を引き込んでいきます。ホッと胸をなで下ろす展開もありつつ、最後は何とも言えない後味を残す作品。無垢であることは清いことなのか、それともただ無防備であることなのか…。人間の汚れた部分を肯定するわけではありませんが、淘汰されていく側、生き残る側という、受け入れがたい現実的な一面を突きつけられる結末が数日余韻を残します。そして、ラザロ役にどハマりのアドリアーノ・タルディオーロにも注目してください!

デート向き映画判定
映画『幸福なラザロ』アドリアーノ・タルディオーロ/アルバ・ロルヴァケル

映像は静かに流れていくのに、内容はとても生々しく、野生的で、残酷。良い雰囲気にさせてくれるストーリーとは言い難く、観終わった後に心が撃沈する可能性があるので、デートにはあまりオススメしません。ただ映画好き同士なら、語りたくなるストーリーではあるので、一緒に観るのに慣れているならアリだと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『幸福なラザロ』アドリアーノ・タルディオーロ

セリフでは多くを語ってはいませんが、肌で感じる部分は大いにあると思います。ただキッズにはまだ理解が難しいかも知れません。でも、無垢な部分がまだ大いにある若い皆さんが観たらどう感じるのかぜひ感想を聞いてみたい作品ではあります。見た目の起伏はあまりありませんが、心を動かされる展開は何度もあるので、中学生以上の人は、興味があれば観てみてください。

映画『幸福なラザロ』アドリアーノ・タルディオーロ

『幸福なラザロ』
2019年4月19日より全国順次公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト

©2018 tempesta srl ・ Amka Films Productions・ Ad Vitam Production ・ KNM ・ Pola Pandora RSI ・ Radiotelevisione svizzera・ Arte France Cinema ・ ZDF/ARTE

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『YADANG/ヤダン』公開記念来日舞台挨拶:カン・ハヌル、ユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督 一緒に仕事をしたい日本人俳優・監督名を告白!『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル、ユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督、来日舞台挨拶

『YADANG/ヤダン』が日本劇場公開された初日、主演のカン・ハヌル、本作を含めさまざまな作品でキーパーソンを演じ、名脇役として活躍するユ・ヘジン、ファン・ビョングク監督が揃って来日しました。

映画『SEBASTIANセバスチャン』ルーアリ・モリカ SEBASTIANセバスチャン【レビュー】

キービジュアルに写るルーアリ・モルカの美しさと独特なオーラに目を奪われ、本作に興味が湧いた方は少なくないはず…

映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー 『アウトローズ』ムビチケオンライン券 2組4名様ご招待

映画『アウトローズ』ムビチケオンライン券 2組4名様ご招待

映画『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キング レジーナ・キング【ギャラリー/出演作一覧】

1971年1月15日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。

映画『喝采』ジェシカ・ラング 喝采【レビュー】

ブロードウェイで活躍した伝説の俳優マリアン・セルデスをモデルとした本作の主人公は、ジェシカ・ラングが演じています…

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 昨日よりちょっと賢く生きるための【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『SEBASTIANセバスチャン』ルーアリ・モリカ
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  4. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  5. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
PAGE TOP