REVIEW

窮鼠はチーズの夢を見る

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』大倉忠義/成田凌

大倉忠義、成田凌とも役にピッタリとハマっていて、まあ〜何とも艶めかしいお話になっていますが、「この2人がここまでやるの!」というシーンもあり、妥協を許さない行定勲監督のこだわりも感じます。大倉忠義が演じるのは、モテるけれど優柔不断で受け身の大伴恭一。彼は見た目は良くても、中身がないというか自分がなく、自分を好きになる人に合わせてしまう男ですが、「こういう人いるよね〜」という感じでとてもリアル。自分がこの人の彼女だったらと想像しながら観てしまうと、「こういう男が1番厄介!」とイライラしてしまうのですが、成田凌が演じる今ヶ瀬渉の猛プッシュによって、恭一がだんだん本当の愛に目覚めていく様子が見えてくると、「こういう人でも出会うべき人に出会えば、変わるんだな」と微笑ましい目線で観られるようになります(笑)。渉も最初やべえ奴かと見せかけて、めちゃめちゃピュアで乙女チックなキャラクターなので、恋する人なら性別を超えて共感できるはず。結局、男が好き、女が好きという議論を通り越して、「本当に人を愛することができた時、人はどう変われるのか」というお話なので、ボーイズラブとして括るともったいない作品です。劇中では、元カノと渉のバトルも繰り広げられますが、女性目線からすると、渉のような人ほど手強い相手はいないなと思えます。もう覚悟というか、人生をかけてるレベルが違う!そういう点でも、恋愛は何が起こるかわからないというおもしろさを感じさせてくれます。

デート向き映画判定
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』大倉忠義

ラブシーンが多く、中には濃厚なシーンもあるし、優柔不断な恭一はいろいろな人と関係を持つので、デートで観ると気まずい要素は多めです(苦笑)。いろいろなキャラクターを通して、人間の表と裏も描かれているので、ドギマギさせられるシーンも多くあります。そこが本作の魅力でもあるのですが、デートで観るよりは、仲の良い友達と観るか、1人でじっくり観るほうが、堪能できるのではないかと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『窮鼠はチーズの夢を見る』成田凌

R-15なので、15歳未満の人はまだ観られません。かといって16歳以上でも、「大倉忠義が観たいから」「成田凌が観たいから」と、内容を知らずにのほほんと観るとそこそこビックリする内容です。ボーイズラブを扱う作品は映画もテレビも本もいろいろ増えたので、そこはそれほど驚くことではないと思いますが、性描写が生々しいので、親と観に行くと相当気まずくなると思います。「親子で関ジャニ∞ファンです」という人でも、くれぐれも親子では観ないようにと思います(苦笑)。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』大倉忠義/成田凌

『窮鼠はチーズの夢を見る』
2020年9月11日より全国公開
R-15+
ファントム・フィルム
公式サイト

©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド 悪魔祓い株式会社【レビュー】

本作は、『悪人伝』や“犯罪都市”シリーズ、ハリウッド映画『エターナルズ』などでお馴染みのマ・ドンソクが…

映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ 『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

映画『ツーリストファミリー』特別試写会 10組20名様ご招待

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 イクサガミ【レビュー】

今村翔吾著のベストセラー「イクサガミ」シリーズを原作とする本シリーズでは、岡田准一が主演、プロデューサー、アクションプランナー、藤井道人、山口健人、山本透が監督と脚本を担当…

映画『TOKYOタクシー』蒼井優 蒼井優【ギャラリー/出演作一覧】

1985年8月17日生まれ。福岡県出身。

映画『バーフバリ エピック4K』来日舞台挨拶イベント、プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ(プロデューサー) プラバース、ショーブ・ヤーララガッダ来日!『バーフバリ エピック4K』には追加シーンも

2025年に劇場公開10周年を迎える大ヒット作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ2 王の凱旋』を一つの作品として再編集し、壮大な物語を4K映像で体験できる『バーフバリ エピック4K』の日本公開を目前にして、バーフバリ役のプラバースと、プロデューサーのショーブ・ヤーララガッダが来日しました。

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 楓【レビュー】

残酷過ぎて、切な過ぎて、優し過ぎて、どうしましょ(笑)。ネタバレを避けると、ほぼ何も書けませんが…

【東京コミコン2025】オープニング:イライジャ・ウッド、カール・アーバン、リー・トンプソン、トム・ウィルソン、クローディア・ウエルズ、ダニエル・ローガン、ジョン・バーンサル、クリスティーナ・リッチ、イヴァナ・リンチ、ノーマン・リーダス、ショーン・パトリック・フラナリー、ジャック・クエイド、マッツ・ミケルセン、浅野忠信、ピルウ・アスベック、セバスチャン・スタン、ジム・リー、C.B.セブルスキー、フランク・ミラー、クリストファー・ロイド、中丸雄一(MC)、伊織もえ(PR大使)、山本耕史(アンバサダー) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』一行や人気アメコミ出演者達が勢揃い!【東京コミコン2025】オープニングセレモニー

年末恒例行事となった東京コミコンのオープニングセレモニーを取材してきました。今年は過去最高といえるのではないかという数のスター達が来日してくれました。

映画『ズートピア2』 ズートピア2【レビュー】

さまざまな動物達が人間と同じように暮らすズートピアを舞台にした本シリーズは…

映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル エディントンへようこそ【レビュー】

アリ・アスター監督とホアキン・フェニックスの2度目のタッグが実現した本作は、メディアの情報に翻弄される人々の様子を…

映画『愚か者の身分』林裕太 林裕太【ギャラリー/出演作一覧】

2000年11月2日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『悪魔祓い株式会社』マ・ドンソク/ソヒョン/イ・デヴィッド
  2. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一
  3. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  4. 映画『ズートピア2』
  5. 映画『エディントンへようこそ』ホアキン・フェニックス/ペドロ・パスカル

PRESENT

  1. 映画『ツーリストファミリー』シャシクマール/シムラン/ミドゥン・ジェイ・シャンカル/カマレーシュ・ジャガン/ヨーギ・バーブ
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP