REVIEW

蜜蜂と遠雷

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『蜜蜂と遠雷』松岡茉優/松坂桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士

ピアニストの苦悩を描いた作品は数多くありますが、何を観てもやはり過酷な世界で、本作でも同じように感じます。才能に気付いた人はそれを極めることに全力をかけて、幼少の頃から脇目もふらずピアニストになることを目指していきます。でも狭き門なだけに激しいサバイバルが繰り広げられていて、やめる勇気も必要だし、続ける勇気も必要になってくる。本作は4人のキャラクターを軸にストーリーが展開し、ただの競争を描いているだけでなく、それよりもお互いが切磋琢磨してそれぞれの答えを見つけていく姿によりフォーカスしている点で共感できます。好きなことを見つけてその道をずっと進んできた人、これから進もうとしている人、これ以上進むか迷っている人…と、対象が何であれ、同じ思いを抱える人は多くいると思います。そんな人達に一度立ち止まって、自分の本心と向き合うきっかけをくれる映画です。
またキャストが豪華な点も魅力で、特に本作が俳優デビュー作となる鈴鹿央士が他の人気俳優に負けじと存在感を発揮している点、英語が堪能な森崎ウィンが彼にしかできないキャラクターを好演している点にもぜひご注目ください。

デート向き映画判定
映画『蜜蜂と遠雷』松岡茉優/松坂桃李

複数のキャラクターの心の内面を細かく描いた作品で、1人でじっくり観るか、気を使わなくて良い仲の良い相手と観るほうが向いている作品のように思います。なので、そういった点では初デートが向いているかどうかが微妙ですが、内容としてデートで観て気まずいことはないので、相手の好みに合うようなら誘っても良いのではないでしょうか。これまでずっと頑張ってきたことや、諦めてしまったことなどを鑑賞後に話せると、よりお互いを知られるというメリットはありそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『蜜蜂と遠雷』松岡茉優/松坂桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士

キッズやティーンの皆さんは、まさに今何か才能を見つけたばかりか、見つけようとしているか、既に見つけて追究していこうとしている時期ですよね。いずれにしても、何かやりたいことを見つけて最初は楽しく打ち込んでいても、いつか必ず迷う時がやってきます。そんな時にどういう気持ちになるのか、シミュレーションできるストーリーだと思います。でも、恐れずにそれぞれのキャラクターがどんな風に前に進んでいくのかを観ることで、勇気や元気が湧いてくるはずです。

映画『蜜蜂と遠雷』松岡茉優/松坂桃李/森崎ウィン/鈴鹿央士

『蜜蜂と遠雷』
2019年10月4日より全国公開
東宝
公式サイト

© 2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝【レビュー】

実に楽しい!良い意味で「なんじゃこりゃ?」というハチャメチャなノリなのに…

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ Dear Stranger/ディア・ストレンジャー【レビュー】

真利子哲也監督(脚本も担当)による西島秀俊主演作という情報のみで、毎度ながら前情報をほぼ入れずに観て、いろいろ良い驚きが…

映画『風のマジム』伊藤沙莉 風のマジム【レビュー】

マジムって何だろうから始まり、すぐに主人公の名前とわかると、次に「じゃあ、風のマジムってどういうことなんだろう?」という具合に…

映画『ベスト・キッド:レジェンズ』ベン・ウォン ベン・ウォン【ギャラリー/出演作一覧】

2000年1月1日生まれ。中国、上海出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ボーイ・キルズ・ワールド:爆拳壊界流転掌列伝』ビル・スカルスガルド
  2. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  3. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  4. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ
  5. 映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP