REVIEW
監督、脚本を担当したベネズエラ出身のアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケスは、本作で本国スペインほか各国の映画祭で数々の賞を獲得しています。ストーリーは、本作が長編監督デビュー作となるロハス監督の実体験から着想を得たといいます(映画公式サイト)。

スペインからアメリカへ移住するため、飛行機でニューヨークに到着したディエゴとエレナは、入国審査で足止めされてしまいます。2人はどこに問題があるのかも知らされないまま尋問され、予想し得ない状況に追い込まれていきます。

2人が入国審査で止められた後のシーンは、まるでその場に立ち会っているかのように生々しく描かれています。それまで元いた国では普通に暮らしてきて、必要な手続きをして渡航したはずが、あまりに私的な事柄まで問い詰められ、まるで犯罪者のように扱われるとは信じ難いです。海外旅行によく行く方は、自分の身にも降りかかるかもしれない恐怖心が湧き上がるでしょう。

意外なラストは、予想と異なる展開で唖然とさせられて、余計に「ふざけるな!」と言いたくなる状況が描かれています。入国審査はしっかり行う必要がある一方で、人種差別、排外主義が蔓延り、偏見によって不当な仕打ちがまかり通る状況には懸念を感じます。本作が各国で評価されている背景には、分断が進む社会に対して危機感を持つ方が多いということもあると信じたいです。
デート向き映画判定

予想外の展開には、カップルにとってとても重要な内容が関わってきます。複雑な心境になる可能性があるので、特に海外旅行に行く約束をしている場合は、一緒に観るのはやめておきましょう。一方で、無事に帰国したばかりのカップルは、平和に海外旅行ができた喜びを一緒に味わえそうです。
キッズ&ティーン向き映画判定

日本だけではなく、外国でもその国の政府がどういう政策を行っているかは私達に無関係ではないことを実感できる内容です。ディエゴとエレナのように移民としてではなく、単なる旅行客だとしても、入国審査で大変な事態に巻き込まれる可能性はあります。若い皆さんには日本以外の国にも行ってみて欲しいからこそ、こういう事態もある点を事前に知っておいて欲しいです。

『入国審査』
2025年8月1日より全国公開
松竹
公式サイト
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TEXT by Myson
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情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。