実生活でも御曹司であり青年実業家であるアーミー・ハマーが、本作でも御曹司を演じたとあって、役にハマりまくってます。もう、めちゃめちゃカッコ良い!これは主人公がメロメロになってもおかしくありません(笑)。そんな説得力もありつつ、リリー・ジェームズの雰囲気もまた主人公にピッタリで、物語がとてもリアルに感じられます。
貴婦人のコンパニオン(付き人)をしていた主人公(リリー・ジェームズ)は、旅先で英国屈指の美しさを誇るマンダレーという屋敷を受け継ぐマキシム・ド・ウィンターに出会います。彼は1年前に妻を亡くしたばかりでしたが、主人公と恋に落ち、ある事情がきっかけとなりすぐに結婚します。こんな感じで、出会いから結婚まではすごくロマンチックで、シンデレラストーリーのような展開が繰り広げられますが、いざ新婚の2人がマンダレーに戻ると、至る所に亡き妻レベッカの名残があり、主人公は疎外感を募らせていきます。
前半は、若くてハンサムな御曹司と電撃結婚したものの、彼の生活に馴染めないでいる主人公が、屋敷の従者から陰湿ないじめを受け、どう立ち向かっていくのかが描かれています。ただ観ていくうちに、実はストーリーの本筋はそこではないことに気付きます。マキシムは妻の死についてほとんど主人公に語りませんが、徐々に妻の死の真相が明るみになるにつれ、ストーリーに別の怖さが出てきます。最後まで観て、そういう話だったのかとなるのをぜひ楽しんでいただければと思いますが、結末としてはそれなりの爽快感があるので安心して観てください。また、途中は不穏な空気が充満しますが、観終わるとめちゃめちゃロマンチックなラブストーリーだったと思えるはずなので、ラブストーリー好きにもオススメです。
主人公は夫を愛するあまり、あの手この手で彼を喜ばせようと努力しますが、空回りしてしまいます。また、亡くなった前妻のことが気になって、どこかで対抗心を燃やしてしまいます。好きな人が前に付き合っていた人の存在を気にする人もいるかもしれませんが、主人公のようにそれに振り回されるととても辛くなります。そんな気持ちを客観視するのに本作は良い題材になると思うので、デートで観るよりは、1人でじっくり観るか、友達と観て、気持ちをスッキリさせましょう。
心理的な怖さはありつつ、映像的にも内容的にもそれほど過激なシーンはありませんが、一応Netflixでは「15歳未満の未成年者の視聴は推奨しません」とされているので、高校生になってから観てください。内容はとてもシンプルなので観やすいし、主人公が恋愛に盛り上がる気持ちや、逆境に打ち勝とうとする姿勢に共感できるので、ティーンの皆さんも楽しめる作品となっています。結末の好き嫌いは分かれそうですが、友達と観て議論してもおもしろいでしょう。
『レベッカ』
2020年11月21日よりNetflixにて配信中
公式サイト
TEXT by Myson