REVIEW

ソウルフル・ワールド

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ソウルフル・ワールド』

“ジャズ”“ソウルフル”というキーワードを聞いて、どっぷり音楽映画なのかと思いきや、そうでもなく、少なくともジャズ・ピアニストになる夢をずっと持ち続けている主人公ジョーが夢に向かって突き進む話かと思いきや、そうでもないところが、良い意味で期待を裏切ってくれます。ジョーはあることがきっかけで、ソウル(魂)達が暮らす世界に迷い込んでしまいます。その世界は、ソウル達が生まれる前に、どんな性格や興味を持つかを決める場所。そこでジョーは22番と呼ばれる手強いソウルが何か興味を見つけるのを手伝うように言われ、元の世界に戻るために、22番のメンターになることを引き受けます。でも、人間の世界に生まれたくない22番は全然興味を見つけられません。ここからのストーリーが見もので、意外な展開に、ジョーと同じく観ているこちらもいつも自分達がいる世界を違った視点で見られるようになっていきます。さらにそれだけでは終わらず、最後にジョーが気付いた大事なことが、本作が本当に伝えたいメッセージとして語られていて、鑑賞後はすごく晴れやかな気持ちになれます。私達は「やりたいことを見つけろ」「好きなことをやれ」と言われたり、逆に「夢を追うなんてやめろ」「そんなことやっても無駄だ」と言われて生きていますが、それよりももっと大事なことを忘れていると気付かせてくれるストーリーです。ある意味、同時に“現実”も突きつけてくれるので、夢から覚めると言える部分もありますが、夢から覚めても世界は素晴らしいと思えるようになるはずです。

デート向き映画判定
映画『ソウルフル・ワールド』

これはデートで観ると、すごく良いと思います。本作で語られているのは、幸せになるヒントとも言えて、それは誰にでもできることです。付き合いたてはラブラブでも、ずっと交際していると「これをやってくれない」「自分ばっかり」と思えてくることもあるはず。そんなカップルこそぜひ本作を一緒に観てください。そうすると、日常で見落としていた素敵なことにたくさん気付いて、お互いに優しくなれると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ソウルフル・ワールド』

大人にすごく刺さる内容だとは思いつつ、キッズやティーンの皆さんが今本作で語られているような大切なことに気付いて、それを忘れずに生きていくと、全然違った生き方ができるのではと思います。ただ、そうはいっても今はまだ若い皆さんがこういう考え方をするのは難しいのもわかります。だから今1回観て、大人になってあらゆる失敗や挫折、辛い思いを経験して、またぜひもう一度観てください。そうすれば、この映画が語りかけていたことはこういうことだったのかと、一層心に響いてくるでしょう。

映画『ソウルフル・ワールド』

『ソウルフル・ワールド』
2020年12月25日17時よりディズニープラスにて独占配信開始
ディズニー&ピクサー
公式サイト

© 2020 Disney/Pixar.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『キャンドルスティック』阿部寛 キャンドルスティック【レビュー】

金融をテーマとした映画に、なぜ“『キャンドルスティック』というタイトルが…

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『夏の砂の上』オダギリジョー/髙石あかり/松たか子/満島ひかり 夏の砂の上【レビュー】

松田正隆による戯曲を映画化した本作は、演出家の玉田真也が監督、脚本を務め、オダギリジョーが…

映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー DROP/ドロップ【レビュー】

主人公のバイオレット(メーガン・フェイヒー)は、幼い一人息子を育てるシングルマザーで、壮絶な過去を乗り越え…

映画『君がトクベツ』畑芽育 畑芽育【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月10日生まれ。東京都出身。

映画『この夏の星を見る』桜田ひより この夏の星を見る【レビュー】

2020年、新型コロナウィルス感染症が世界中に広まった1年目、私達の日常は大きく変わりました。本作では、その2020年に、長崎県、茨城県、東京都に住む中高生達が過ごした日々…

映画『国宝』吉沢亮/横浜流星 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年6月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年6月】のアクセスランキングを発表!

映画『ナチス第三の男』ジャック・オコンネル ジャック・オコンネル【ギャラリー/出演作一覧】

1990年8月1日生まれ。イギリス出身。

映画『ハルビン』ヒョンビン ハルビン【レビュー】

『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』のウ・ミンホが監督と、『ソウルの春』の制作スタッフとタッグを組んだ本作は…

映画『ハルビン』ジャパンプレミア:ヒョンビン、リリー・フランキー、ウ・ミンホ監督 リリー・フランキーがヒョンビンの優しさを感じたエピソードとは?『ハルビン』来日ジャパンプレミア

ヒョンビン主演のサスペンス・アクション映画『ハルビン』が、7月4日より全国公開となります。その公開を記念し、ヒョンビンとウ・ミンホ監督が来日し、さらに本作で伊藤博文役を演じたリリー・フランキーが登壇するジャパンプレミアが行われました。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  2. 映画でSEL:告知1回目
  3. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット

REVIEW

  1. 映画『キャンドルスティック』阿部寛
  2. 映画『夏の砂の上』オダギリジョー/髙石あかり/松たか子/満島ひかり
  3. 映画『DROP/ドロップ』メーガン・フェイヒー
  4. 映画『この夏の星を見る』桜田ひより
  5. 映画『国宝』吉沢亮/横浜流星

PRESENT

  1. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP