REVIEW

ドラキュラ/デメテル号最期の航海【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』

“ドラキュラ伯爵”の原点とされる、ブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」の中の”デメテル号船長の航海日誌(キャプテンズ・ログ)”を映画化したのが本作です。ロンドンへ向かう船の積み荷には、不吉な模様が描かれた木箱がありました。その木箱が船に載せられているのを知り乗船を拒んだ船員もいるなか、予定よりも早くロンドンに着けば多くの報酬をもらえると聞き、喜んで乗り込んだ者もいます。そんななか、航海に出てさっそくデメテル号の船内では不可解な出来事が次々と起こります。
観る前から”ドラキュラ”が出てくることはわかってはいるものの、最初は姿を隠していて、どういういきさつで登場するのかが読めない点でハラハラします。また、現代の私達にとっては”ドラキュラ”はお馴染みの吸血鬼であり、弱点も把握していますが、劇中の船員達にとっては未知の敵ということで、為す術を知らない彼等がどう対処するのか緊張感なしには観られません。さらに、ドラキュラの風貌も想像とは異なる点で、馴染みのあるドラキュラという存在とはいえ、とても新鮮に感じます。
大海原に浮かぶ逃げ場のない船上で、ひたすらドラキュラの恐怖に震えるというシンプルな内容でありつつ、状況が二転三転するなか、他者の命を救うか見捨てるかという究極の選択が何度も出てきます。ただの船員だけならもっとシンプルな判断になりそうなところを、たまたま今回乗り合わせた医師(コリー・ホーキンス)がいたり、船長が孫を乗せていたり、情や別の使命感で動く人物が含まれている点も物語の構成の巧さを感じます。ドラキュラの原点を真っ新な気持ちで観てみてはいかがでしょうか。

デート向き映画判定
映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』コーリー・ホーキンズ

現代の私達が数々の映画やドラマで観てきたドラキュラの中には、セクシーなキャラクターも含まれてはいたものの、本作のドラキュラはきっと皆さんの想像とは違うと思います。見た目という意味での正体も徐々に明かされていくので、「そういう感じ!?」というリアクションになるでしょう。とにかく、ロマンチックな要素のある吸血鬼ホラーではないという点を念頭に入れて、相手の許容範囲に収まるかどうか検討してください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』リーアム・カニンガム

キッズも登場して活躍するものの、ドラキュラは大人にも子どもにも容赦がないので、キッズキャラを”ごまめ”感覚で観るのが難しく、安心感はありません。なので、逆にキッズは本作を観て、ドラキュラがもっと怖くなってしまうかもしれません。怖い話に興味を持ち始めるお年頃でチャレンジしたければ観るのもアリですが、怖いのがまだ苦手で寝る時などに思い出してしまうのが嫌な方は、もう少し免疫が付いてから観ると良いでしょう。

映画『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』コーリー・ホーキンズ/リーアム・カニンガム/デヴィッド・ダストマルチャン/アシュリン・フランチオージ/ハビエル・ボテット/ウディ・ノーマン

『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』
2023年9月8日より全国公開
東宝東和
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2023 Universal Studios and Amblin Entertainment. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

本ページの情報は2023年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『マジカル・シークレット・ツアー』有村架純/黒木華/南沙良 マジカル・シークレット・ツアー【レビュー】

金の密輸をした主婦達が中部国際空港で逮捕された事件が報道された2017年、育児に追われていた天野千尋監督は、「【金塊を下着に隠して密輸した主婦5人を逮捕】という記事を目にして…

映画『Chime』吉岡睦雄 吉岡睦雄【ギャラリー/出演作一覧】

1976年7月11日生まれ。広島県出身。

映画『急に具合が悪くなる。』ヴィルジニー・エフィラ/岡本多緒 急に具合が悪くなる。【レビュー】

ずっとセリフを浴びていたいと思える作品です。本作を観て、ヴィルジニー・エフィラが演じるマリー=ルー・フォンテーヌと、岡本多緒が演じる森崎真理の間で繰り広げられる対話に…

映画『黒牢城』本木雅弘/菅田将暉/吉高由里子/青木崇高/宮舘涼太/柄本佑/オダギリジョー 黒牢城【レビュー】

歴史ものでこれほどミステリー色が前面に出ているとは新鮮…

映画『ヌーヴェルヴァーグ』ギヨーム・マルベック/ゾーイ・ドゥイッチ 『ヌーヴェルヴァーグ』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヌーヴェルヴァーグ』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』ジョン・リスゴー 叫んで、泣いて、笑って楽しむ!2026ホラー&スリラー特集

2026年も、ホラー、スリラーがたくさん劇場公開されます。今回は、5つの切り口で分類してみました。お好みの切り口の作品を観る参考にしてもらえると嬉しいです。

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょう…

映画『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』ジェニファー・ローレンス DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ【レビュー】

REVIEWジェニファー・ローレンスとロバート・パティンソンが共演する本作は、アリアナ・ハ…

海外ドラマ『マンダロリアン シーズン1』ペドロ・パスカル マンダロリアン【レビュー】

本シリーズは新しい流れとして出てくるので、“スター・ウォーズ”の他の作品を全く観ていなくても、問題なくついていけます…

海外ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン5』リンダ・ハミルトン リンダ・ハミルトン【ギャラリー/出演作一覧】

1956年9月26日生まれ。アメリカ出身。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集! 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!

今回は、私の研究で扱っている情動知能を取り上げます。非認知能力という言葉を聞いたことがあるでしょう…

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第9回】「作品との心理的距離感に影響を与え得る情動知能」参加者募集!
  2. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以
  3. 【映画学ゼミ第8回】「感情は有用か、有害か、映画の場合で考える」参加者募集!

REVIEW

  1. 映画『マジカル・シークレット・ツアー』有村架純/黒木華/南沙良
  2. 映画『急に具合が悪くなる。』ヴィルジニー・エフィラ/岡本多緒
  3. 映画『黒牢城』本木雅弘/菅田将暉/吉高由里子/青木崇高/宮舘涼太/柄本佑/オダギリジョー
  4. 映画『DIE MY LOVE/ダイ・マイ・ラブ』ジェニファー・ローレンス
  5. 海外ドラマ『マンダロリアン シーズン1』ペドロ・パスカル

PRESENT

  1. 映画『ヌーヴェルヴァーグ』ギヨーム・マルベック/ゾーイ・ドゥイッチ
  2. 映画『大統領のケーキ』バニーン・アハマド・ナーイフ
  3. 映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン
PAGE TOP