REVIEW

大河への道【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『大河への道』中井貴⼀/松⼭ケンイチ/北川景⼦

日本地図を完成させたとして知られる伊能忠敬で有名な千葉県香取市の市役所で「伊能忠敬にまつわる大河ドラマを作ろう」という企画が持ち上がり、制作に向けて市の職員が奔走する物語。言葉通り、大河ドラマを作る過程を見るだけでもおもしろそうですが、「伊能忠敬は地図を完成させてない。だからドラマにはならない!」という事態の裏にある真相を描いている点で、本作は一層魅力的なストーリーとなっています。そして本作は、大河ドラマを作ろうとしている現代の人達の様子を映しているパート、伊能忠敬が地図を作っていないのなら裏で何が起きていたのかということを明かすパートの2軸で描かれていて、現代劇と時代劇の両方を楽しめます。
歴史の新たな発見を知る意味でもおもしろい内容ですが、すごく細かいところ、良い意味でどうでも良いところに軽くギャグが入っていたり、コミカルな作品なので、気楽に観て笑うという楽しみ方もできます。クライマックスには、“良い話”といえる要素がいくつか散りばめられていて、観る人それぞれに共感できるポイントが見つかると思います。歴史に名を残す偉人は大勢いますが、その周囲の人にもフォーカスしたストーリーは、新たな時代の到来、時代に伴い物事の観方が変化してきたことを象徴しているようにも見えます。伊能忠敬に興味があるかないかにかかわらず、観てみてください。

デート向き映画判定
映画『大河への道』中井貴⼀/北川景⼦

シンプルなお話で誰でも気楽に観られるので、歴史に詳しいかどうかもあまり気にせず観やすいと思います。そういう点でデートにも誘いやすいでしょう。歴史マニアの方は、ついつい講釈を垂れたくなると思いますが、自分だけがヒートアップしないよう、相手の様子を見ながら、テンションを合わせて話すようにすると良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『大河への道』中井貴⼀/松⼭ケンイチ

歴史に詳しい方や今の子ども達は伊能忠敬が日本地図を完成させたのではないことを既に知っているかもしれません。でも、本作ではその裏で何が起こっていたのかという真相まで描いている(といってもあくまで1つの見解ではありますが)ので、新鮮な気持ちで観られるのではないでしょうか。チームワークの大切さも描かれているので、人間ドラマとしても純粋に楽しめます。

映画『大河への道』中井貴⼀/松⼭ケンイチ/北川景⼦

『大河への道』
2022年5月20日より全国公開
松竹
公式サイト

©2022「⼤河への道」フィルムパートナーズ

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ナチス第三の男』ジャック・オコンネル ジャック・オコンネル【ギャラリー/出演作一覧】

1990年8月1日生まれ。イギリス出身。

映画『ハルビン』ヒョンビン ハルビン【レビュー】

『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ/内部者たち』のウ・ミンホが監督と、『ソウルの春』の制作スタッフとタッグを組んだ本作は…

映画『ハルビン』ジャパンプレミア:ヒョンビン、リリー・フランキー、ウ・ミンホ監督 リリー・フランキーがヒョンビンの優しさを感じたエピソードとは?『ハルビン』来日ジャパンプレミア

ヒョンビン主演のサスペンス・アクション映画『ハルビン』が、7月4日より全国公開となります。その公開を記念し、ヒョンビンとウ・ミンホ監督が来日し、さらに本作で伊藤博文役を演じたリリー・フランキーが登壇するジャパンプレミアが行われました。

映画『サブスタンス』デミ・ムーア デミ・ムーア【ギャラリー/出演作一覧】

1962年11月11日生まれ。アメリカ、ニューメキシコ州出身。

映画『アスファルト・シティ』ショーン・ペン/タイ・シェリダン アスファルト・シティ【レビュー】

ニューヨークのブルックリンを舞台に救急隊員が直面する日常を描いた本作は、シャノン・バーク著「Black Flies」(2008)を原作として、『暁に祈れ』のジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督が映画化…

映画『Mr.ノボカイン』レイ・ニコルソン レイ・ニコルソン【ギャラリー/出演作一覧】

1992年2月20日生まれ。アメリカ出身。

映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』綾野剛/柴咲コウ/亀梨和也 でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男【レビュー】

怖い、ものすごく怖い。いろんな意味で本当に…

映画『おいしくて泣くとき』美村里江 美村里江【ギャラリー/出演作一覧】

1984年6月15日生まれ。埼玉県出身。

映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人 ババンババンバンバンパイア【レビュー】

運命的な出会いから、銭湯に住み込みで働いている450歳のバンパイア森蘭丸(吉沢亮)は、銭湯の一人息子、李仁(板垣李光人)が童貞のまま18歳になるのを…

映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也 心理学から観る映画55:推し活がもたらす幸福感『君がトクベツ』

今や「推し活」「推し」という言葉はすっかり浸透しました。なぜ、人が推し活にハマるのかといえば、きっと幸福感があるからでしょう。そこで、今回は推し活が与える幸福感について、『君がトクベツ』のストーリーをもとに考えます。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『君がトクベツ』畑芽育/大橋和也
  2. 映画でSEL:告知1回目
  3. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット

REVIEW

  1. 映画『ハルビン』ヒョンビン
  2. 映画『アスファルト・シティ』ショーン・ペン/タイ・シェリダン
  3. 映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』綾野剛/柴咲コウ/亀梨和也
  4. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  5. 映画『メガロポリス』アダム・ドライバー/ナタリー・エマニュエル

PRESENT

  1. 特製『平成狸合戦ぽんぽこ』ふんわりキーホルダー正吉
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP