REVIEW

私はヴァレンティナ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『私はヴァレンティナ』ティエッサ・ウィンバック

ブラジルのある街に引っ越してきた17歳のヴァレンティナ(ティエッサ・ウィンバック)は、自分がトランスジェンダーであることを伏せて新生活をスタートさせます。しかし、ある事件をきっかけにその事実がSNS上にアップされてしまい、彼女にさまざまな危険が襲います。
正直、「そんなに酷いことをするの!?」と悲しい気持ちになる場面もあり、ジェンダーの問題はもちろん、人間の存在意義についても考えさせられます。資料によるとブラジルでは、LGBTQの権利保障に前向きな動きがあり、同性婚も認められている一方で、トランスジェンダーの中途退学率は82%、平均寿命は35歳という現状があるそうです。本作はフィクションですが、ヴァレンティナのような体験をしている人が現実にもいると思うととても胸が苦しくなります。でも、彼女が苦しみながらも理解のある家族や友人に支えられている姿からは希望も持てるので、現実でもこういう人達がもっと増えたら良いなと感じます。
ヴァレンティナを演じたのは、自身もトランスジェンダーであり、著名なYouTuberでインスタグラマーとしても活躍中のティエッサ・ウィンバックで、彼女の自然体の演技が物語により説得力を与えています。日本でも近年LGBTQへの感心が高まっているので、その第一歩として本作を観るのもオススメですし、ヴァレンティナの生き様を知ることで、社会的な視野も広げることができるのではないでしょうか。

デート向き映画判定
映画『私はヴァレンティナ』ティエッサ・ウィンバック

ロマンチックな展開はほぼなく、トランスジェンダーにまつわるシリアスな内容が綴られているので、初デートよりもベテランカップル向きだと思います。ヴァレンティナに対しての周囲の人達の態度は、人それぞれで人間の本質に迫るような内容も描かれています。難しいテーマですが、これを機に本作についてパートナーと話し合うと、相手の新たな一面を知ることができるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『私はヴァレンティナ』ティエッサ・ウィンバック

いじめやSNS上での嫌がらせは、ジェンダー問題に関わらず皆さんの周りでも起こり得ることなので、本作を通してその深刻さや辛さを知って欲しいと思います。ヴァレンティナと同じような体験をする人をこれ以上出さないためにも、LGBTQやいじめの問題について自分なりに考え、難しい部分については周りの大人と話し合ってみてください。

映画『私はヴァレンティナ』ティエッサ・ウィンバック

『私はヴァレンティナ』
2022年4月1日より全国順次公開
ハーク
公式サイト

© 2020 Campo Cerrado All Rights Reserved.

TEXT by Shamy

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン 罪人たち【レビュー】

ライアン・クーグラー監督と、マイケル・B・ジョーダンの名コンビが贈る本作は、まず設定がとても…

映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム おばあちゃんと僕の約束【レビュー】

『バッド・ジーニアス危険な天才たち』など数々の話題作を放ち、タイで勢いのあるスタジオとして注目を浴びるGDHが手がけた本作は…

映画『異端者の家』ソフィー・サッチャー ソフィー・サッチャー【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月18日生まれ。アメリカ、シカゴ出身。

映画『リライト』池田エライザ リライト【レビュー】

法条遥による同名小説を映画化した本作は、松居大悟監督とヨーロッパ企画の代表である上田誠が初タッグを組んだ作品です。“時間もの”作品で…

映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット 親友らしい態度とは?『親友かよ』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は『親友かよ』を取り上げ、親友らしい態度とは何かを考えます。

映画『サブスタンス』マーガレット・クアリー マーガレット・クアリー【ギャラリー/出演作一覧】

1994年10月23日生まれ。アメリカ出身。

映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李 フロントライン【レビュー】

2020年1月20日に横浜港を出港した豪華客船ダイヤモンド・プリンセス号では、その後、香港で下船した乗客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることがわかり…

映画『プレデター:最凶頂上決戦』 プレデター:最凶頂上決戦【レビュー】

アニメーションとはいえ、さすが“プレデター”シリーズとあって、描写が激しく…

映画『女神降臨 Before 高校デビュー編』綱啓永 綱啓永【ギャラリー/出演作一覧】

1998年12月24日生まれ。千葉県出身。

映画『ラ・コシーナ/厨房』ラウル・ブリオネス/ルーニー・マーラ ラ・コシーナ/厨房【レビュー】

イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーが書いた1959年初演の戯曲“調理場”を映画化した本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ 元気が出るガールズムービーランキング【洋画編】

正式部員の皆さんに“元気が出るガールズムービー【洋画編】”をテーマに、好きな作品を選んでいただきました。果たしてどんな結果になったのでしょうか?

映画『キングダム 大将軍の帰還』山﨑賢人/吉沢亮/橋本環奈/清野菜名/吉川晃司/小栗旬/大沢たかお 映画好きが選んだ2024邦画ベスト

正式部員の皆さんに2024年の邦画ベストを選んでいただきました。2024年の邦画ベストはどの作品になったのでしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『親友かよ』アンソニー・ブイサレートピシットポン・エークポンピシット
  2. 映画『年少日記』
  3. 映画『か「」く「」し「」ご「」と「』奥平大兼/出口夏希/佐野晶哉(Aぇ! group)/菊池日菜子/早瀬憩

REVIEW

  1. 映画『罪人たち』マイケル・B・ジョーダン/マイルズ・ケイトン
  2. 映画『おばあちゃんと僕の約束』プッティポン・アッサラッタナクン/ウサー・セームカム
  3. 映画『リライト』池田エライザ
  4. 映画『フロントライン』小栗旬/松坂桃李
  5. 映画『プレデター:最凶頂上決戦』

PRESENT

  1. 映画『ババンババンバンバンパイア』吉沢亮/板垣李光人
  2. 映画『サンダーボルツ*』オリジナル ユニセックスクルーネック(M)
  3. 中国ドラマ『墨雨雲間〜美しき復讐〜』オリジナルQUOカード
PAGE TOP