REVIEW

私ときどきレッサーパンダ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『私ときどきレッサーパンダ』

ディズニー&ピクサー作品にはいろいろな国の文化の特徴を活かした作品が増えてきて楽しいですね。本作の舞台は1990年代のカナダ・トロントのチャイナタウン、主人公は中国系の13歳の女の子メイです。両親を敬うという伝統に忠実に従い、特に母親の期待に応えようと一生懸命なメイは、何事も真面目に取り組んでいます。友達の誘いも泣く泣く断り、家の手伝いを欠かさないメイでしたが、ある日なぜか突然レッサーパンダに変身してしまいます。メイは最初レッサーパンダに変身して困惑していましたが、やがて家族に伝わる秘密を知り、大きな選択を迫られることになります。
時々レッサーパンダになってしまう困った状況をどうにかするというお話なのかと思いきや、今まで抑えてきた“もう1人の自分”と向き合う機会に、それを受け止めるか手放すかを問う物語というところで見応えがあります。そして、だんだん親より友達を優先して自立し始める13歳という設定はすごく説得力があります。本作はメイと親友達との友情物語が軸にあり、家族も友達も大切にしたいのにどちらかを選ばなければいけないような状況で葛藤する切ない展開があります。この一連のくだりで私も高校生の頃に親友達と経験した似たような出来事を思い出し、すごく懐かしく思いました。私はメイの立場ではなく友達側の経験をしましたが、親が嫌いで反抗するのではなく、親も大事だけど自分達の意志を貫き通したいという意地みたいなものを勇気を出して親や大人達にぶつけたあの感覚は今でも忘れられません。本作には、そんな勇気を振り絞って行動した先には、お互いにもっと分かり合えるということが描かれていて、今子どもの皆さんも、もう大人になった皆さんもどちらも共感できるはずです。
レッサーパンダのモフモフ感や、メイの家の食卓に出てくる美味しそうな飲茶、そして友情、家族愛に溢れたストーリーは、観ていて本当に気持ちが良いです。飲茶といえば、本作のドミー・シー監督が第91回アカデミー賞®でアジア系女性として初めて短編アニメーション賞を受賞したピクサーの短編アニメーション『バオ』もぜひチェックしてみてください。

デート向き映画判定
映画『私ときどきレッサーパンダ』

恋愛感情の芽生えについて話題に出てきますが、初々しくて微笑ましく、気まずい要素はありません。思春期の子達のピュアな反応にもホッコリできるし、人の優しさに溢れたストーリーなので、デートのムードも和やかになるでしょう。観終わったら自分達の家族の話をしたくなると思うので、パートナーを家族に会わせたい方は本作鑑賞をきっかけに切り出してみてはいかがでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『私ときどきレッサーパンダ』

小学校高学年以上の皆さんはメイ達の奮闘を等身大で観られると思います。子どもの成長を嬉しく思いながらも、心配になる親の姿も客観視できるので、どうやったら親の気持ちを汲みつつ自分の気持ちを伝えられるのか、参考にしてみるのも良いでしょう。友達と観ると友情が深まりそうですし、親子で観ても絆が深まりそうです。

映画『私ときどきレッサーパンダ』

『私ときどきレッサーパンダ』
2022年3月11日よりディズニープラスにて配信中
ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

© 2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年12月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年12月】のアクセスランキングを発表!

映画『コート・スティーリング』オースティン・バトラー コート・スティーリング【レビュー】

ダーレン・アロノフスキー監督とオースティン・バトラーがタッグを組んだ本作は…

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  2. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  3. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン
  4. ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈
  5. Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP