REVIEW

人間の時間

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『人間の時間』藤井美菜/チャン・グンソク

今作も相変わらず、我が道をゆくスタイルで、キム・ギドク節が炸裂。ツッコミどころは満載ですが、意図するところがあっての演出だということがわかると違和感は軽減されます(笑)。そして、その意図を考えながら観るのがキム・ギドク監督作品の醍醐味です。今作の物語の舞台は船上で、あることをきっかけに船は孤立無援の状態になり、追い込まれた人間達が狂気に陥っていきます。人間の欲望、本能、本性がどんどん露わになっていくなか、「人間の尊厳はどこまで保てるのだろう?」「人間の本能はどこまで暴走するのだろう?」という両極の問いが同時進行していきます。今作も物議を醸す内容で哲学的であると同時に、もうぶっ飛び過ぎていて怖がったほうが良いのか、笑っちゃっても良いのか、とにかく感情が忙しく動かされる作品になっています。今回、キム・ギドク監督にインタビューさせて頂いたので、鑑賞前か後にお読み頂ければ、背景や監督の意図などがより一層わかると思います。そして、チャン・グンソクがこれまでのイメージを覆すキャラクターを演じている点や、アン・ソンギ、イ・ソンジェ、リュ・スンボムなど実力派俳優の怪演も見ものですよ。

デート向き映画判定
映画『人間の時間』チャン・グンソク

とんでもないシーンが続々と出てくるので、デートでは観ないほうが良さそうです(苦笑)。そして、女性には特に辛いシーンが複数あります。もし女性がチャン・グンソクが好きだとしても、この映画はいつも観ているチャン・グンソクではないので、その点でも誘う時に要注意です。2人ともキム・ギドク監督作が好きなら、期待通りに楽しめると思うので観てみてください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『人間の時間』藤井美菜/オダギリジョー

18歳未満の人は観られません。18歳以上でも、あまり内容を知らずに観るといろいろとビックリすると思います。激しい描写が苦手な人は、たくさんいろいろな映画を観て、免疫がついてから観るほうが良いでしょうし、キム・ギドク監督作ってこういう感じなんだとわかってから観るほうが理解が深まるでしょう。逆にこの作品からキム・ギドク監督作にチャレンジする人は、本作を観てから過去作を観ると、キム・ギドク監督作のスタイルなどがわかってくるので、ぜひ他の作品も観てみてください。

映画『人間の時間』

『人間の時間』
2020年3月20日より全国順次公開
R-18+
太秦
公式サイト

© 2018 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved. 

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『侵蝕』クォン・ユリ(少女時代)/キ・ソユ 侵蝕【レビュー】

逃げられない怖さっていろいろありますが、こういう現実でも実際にありそうな設定は…

映画『愛はステロイド』ケイティ・オブライアン ケイティ・オブライエン【ギャラリー/出演作一覧】

1989年2月12日生まれ。アメリカ、インディアナ州インディアナポリス出身。

映画『宝島』妻夫木聡 宝島【レビュー】

真藤順丈が直木賞を受賞した同名小説を、“るろうに剣心”シリーズや『レジェンド&バタフライ』を手掛けた大友啓史監督が映画化した本作では…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル 『ぼくらの居場所』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ぼくらの居場所』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ブラック・ショーマン』福山雅治/有村架純 ブラック・ショーマン【レビュー】

累計発行部数1億冊を超えるベストセラー作家、東野圭吾による小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」が待望の映画化…

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』レネー・ゼルウィガー レネー・ゼルウィガー【ギャラリー/出演作一覧】

1969年4月25日生まれ。アメリカ出身。

映画『8番出口』二宮和也/浅沼成 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年8月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年8月】のアクセスランキングを発表!

映画『リモノフ』ベン・ウィショー リモノフ【レビュー】

1943年生まれのエドワルド・リモノフは、ウクライナ出身で、「詩人、作家、反体制派、亡命者、執事、ホームレス、兵士、活動家、革命家、といくつもの顔」を持っています…

映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人 『ミーツ・ザ・ワールド』監督登壇!一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ミーツ・ザ・ワールド』監督登壇!一般試写会 10組20名様ご招待

映画『サターン・ボウリング』アシル・レジアニ 『サターン・ボウリング』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『サターン・ボウリング』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『侵蝕』クォン・ユリ(少女時代)/キ・ソユ
  2. 映画『宝島』妻夫木聡
  3. 映画『ブラック・ショーマン』福山雅治/有村架純
  4. 映画『8番出口』二宮和也/浅沼成
  5. 映画『リモノフ』ベン・ウィショー

PRESENT

  1. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  2. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
  3. 映画『サターン・ボウリング』アシル・レジアニ
PAGE TOP