REVIEW

おろかもの

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『おろかもの』笠松七海/村田唯

若手映画監督の登竜門、田辺・弁慶映画祭にてグランプリを含む史上初の最多5冠を受賞した話題作。高校生の洋子とその兄の浮気相手である美沙が、兄の結婚式を止めようとする不思議な人間関係がドラマチックに描かれています。普通洋子の立場なら、浮気相手か兄自身を責めたくなると思うのですが、そうならない理由が観ているとなぜか腑に落ちてしまうのが不思議。それぞれのキャラクターや奇妙な関係性の描き方がとても秀逸で、観ているとどんどん物語に引き込まれます。浮気や不倫はもちろんダメなことですが、洋子や美沙の行動はいろいろな角度から観ることができ、観ている側の想像を掻き立てられるのもおもしろい点。大人なら誰でもオススメですが、映画好きなら特にハマる方が多いのではないでしょうか。

デート向き映画判定
映画『おろかもの』笠松七海/イワゴウサトシ

決して浮気や不倫を肯定するお話ではありませんが、初デートや付き合いたてのカップルがこの作品を観るのは少々刺激が強い気がします。できれば1人か友人と観るほうが、純粋に楽しめそうです。誰かを誘っていく場合は、各登場人物のキャラも濃いので、観賞後は誰が気になったのか話し合うと、会話が盛り上がると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『おろかもの』笠松七海/村田唯

キッズも観られますが、浮気や結婚の話題、主人公の洋子と兄の浮気相手である美沙の奇妙な関係性を理解するのはちょっと難しいと思うので、中学生くらいになってから観ることをオススメします。ティーンは同世代の洋子と同じ視点で観られると思いますが、彼女に共感できるのかできないのか、ぜひご自身でも考えてみてください。きっと複雑な気持ちが芽生えると思いますが、本作の行く末を見守りつつ、自分の頭の中を整理するのも良い疑似体験になりそうです。

映画『おろかもの』笠松七海/村田唯

『おろかもの』
2020年11月20日、12月4日〜10日テアトル新宿にて公開
12月18日〜21日シネ・リーブル梅田にてレイトショー公開
MAP+Cinemago
公式ツイッター

TEXT by Shamy

©2019「おろかもの」制作チーム

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン ペンギン・レッスン【レビュー】

『ペンギン・レッスン』というタイトルが醸し出す世界観、スティーヴ・クーガンやジョナサン・プライスといった名優がメインキャストに名を連ねていることからして…

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平 WIND BREAKER/ウィンドブレイカー【レビュー】

にいさとる作の同名漫画を原作とする本作は、不良グループが街を守るというユニークな設定…

映画『ナイトフラワー』北川景子 北川景子【ギャラリー/出演作一覧】

1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン
  2. 映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  5. 映画『消滅世界』蒔田彩珠

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP