REVIEW

キネマの神様

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『キネマの神様』沢田研二/菅田将暉

“キネマの神様”というタイトルがストーリーの中のどんな作用を示しているのか想像しながら観て、改めてこれは広い意味で映画を愛する人のための映画だなと思いました。主人公ゴウの過去(菅田将暉)と現在(沢田研二)を描いたストーリーで、現在のゴウがギャンブルと酒好きで借金を抱えたダメ親父というところから始まるので、なぜこうなったのかと主人公の過去に興味を引かれます。でも本作の魅力はただただ映画愛を語るだけではなく、映画を愛する人達がどんな人生を送り、その中で映画がどんな存在なのかを語っている点で、私達映画好きにとっても身近なストーリーだと言えます。
観た印象としては予想以上にラブストーリーで、不器用な若者達が恋と友情の狭間で揺れ動く姿に共感できます。また、根本は家族の物語であり、3世代に渡る家族が時に厳しく、時に優しく接する姿にホッコリさせられます。ここは特に「これぞ、山田洋次監督作!」といった魅力を感じられるのではないでしょうか。
いろいろな意味でどういう結末になるんだろうと思いながら観ましたが、現実の苦さもありつつ、夢のあるエンディングとなっています。誰が観ても何か自分に通じるものを感じられる作品です。

デート向き映画判定
映画『キネマの神様』菅田将暉/永野芽郁

友達以上恋人未満の2人は、自分の気持ちになかなか素直になれない主人公ゴウ(菅田将暉)の姿や、そんな彼に対して思いを寄せる淑子(永野芽郁)の姿を観て共感すると同時に、一歩を踏み出す勇気ももらえると思います。そして大人カップル、ベテランカップルにとっても、現在のゴウ(沢田研二)と淑子(宮本信子)の姿に自分を重ねられるところが見つかると思います。長く付き合っているといろいろあると思いますが、初心に返れるようなラブストーリーとなっているので、デートで観るのもオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『キネマの神様』菅田将暉/永野芽郁/野田洋次郎/北川景子

3世代の家族が登場するので、特にティーンの皆さんは孫の勇太(前田旺志郎)の目線で観たり、若かりし頃のゴウや淑子、テラシン(野田洋次郎)に親近感を持って観られると思います。人生の苦々しい面も描いている点で、反面教師として観られる部分もあると思います。でも、どんな道を辿ったとしても何かしら幸せがあるということも感じられるはずです。親子で観たり、おじいちゃん、おばあちゃんと観るのも良いですね。

映画『キネマの神様』沢田研二/菅田将暉/菅田将暉/永野芽郁/野田洋次郎/北川景子/寺島しのぶ/小林稔侍/宮本信子

『キネマの神様』
2021年8月6日より全国公開
松竹
公式サイト

© 2021「キネマの神様」製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『宝島』妻夫木聡 宝島【レビュー】

真藤順丈が直木賞を受賞した同名小説を、“るろうに剣心”シリーズや『レジェンド&バタフライ』を手掛けた大友啓史監督が映画化した本作では…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル 『ぼくらの居場所』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ぼくらの居場所』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ブラック・ショーマン』福山雅治/有村架純 ブラック・ショーマン【レビュー】

累計発行部数1億冊を超えるベストセラー作家、東野圭吾による小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」が待望の映画化…

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』レネー・ゼルウィガー レネー・ゼルウィガー【ギャラリー/出演作一覧】

1969年4月25日生まれ。アメリカ出身。

映画『8番出口』二宮和也/浅沼成 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年8月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年8月】のアクセスランキングを発表!

映画『リモノフ』ベン・ウィショー リモノフ【レビュー】

1943年生まれのエドワルド・リモノフは、ウクライナ出身で、「詩人、作家、反体制派、亡命者、執事、ホームレス、兵士、活動家、革命家、といくつもの顔」を持っています…

映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人 『ミーツ・ザ・ワールド』監督登壇!一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ミーツ・ザ・ワールド』監督登壇!一般試写会 10組20名様ご招待

映画『サターン・ボウリング』アシル・レジアニ 『サターン・ボウリング』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『サターン・ボウリング』トーク付きプレミア試写会 10組20名様ご招待

映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃 これって、良いこと?悪いこと?『ふつうの子ども』【映画でSEL(社会性と情動の学習)】

今回は環境問題に強い関心を持つ少女と、そんな彼女に思いを寄せる少年の物語『ふつうの子ども』を取り上げます。

映画『ビートルジュース ビートルジュース』モニカ・ベルッチ モニカ・ベルッチ【ギャラリー/出演作一覧】

1964年9月30日生まれ。イタリア出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『宝島』妻夫木聡
  2. 映画『ブラック・ショーマン』福山雅治/有村架純
  3. 映画『8番出口』二宮和也/浅沼成
  4. 映画『リモノフ』ベン・ウィショー
  5. 映画『バード ここから羽ばたく』ニキヤ・アダムズ/バリー・コーガン

PRESENT

  1. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  2. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
  3. 映画『サターン・ボウリング』アシル・レジアニ
PAGE TOP