REVIEW

ザ・タワー【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ザ・タワー』

REVIEW

これまでも建物内を舞台に、孤立無援となり生存が困難になった世界を描いた作品はありました。本作も、突然ビルの外が暗闇と化し、“無”の空間に覆われてしまった状況で、住人達が生き残りをかけて奔走する様を描いています。太陽光も得られず、外が“無い”ので、作物を栽培することはできません。そんななか、人種を基盤とするグループができはじめ、グループ同士の抗争が始まります。
本作でも、これまでの同ジャンルのストーリーと同じ状況は出てきます。ただ、新鮮味があったのは長期にわたるストーリーとなっている点です。グループ同士で権力争いが起こるだけではなく、その後何年か先に、どんな人間が生き残っているかを描いていて、結末まで観ると、本作が訴えようとしているであろうメッセージが見えてきます。
出来事は淡々と描かれていながら、“無”の空間に呑み込まれる人達の描写がやや刺激的だったり、クライマックスで突如哲学的な要素が見えてきたり、独特の世界観があります。“無”は人間に何をもたらすのかなど、想像を膨らませながら観てみてください。

デート向き映画判定

映画『ザ・タワー』

露骨に怖いシーンが多いわけではないものの、油断していると突如刺激のあるシーンがちらほら出てきます。なので、普段映画を観慣れていない方を誘う場合は、これまでどんな映画を観てきたか、許容範囲を聞いた上で誘うほうが良いでしょう。ただ、トーンが低めの作品なので、テンションを上げて相手と過ごしたい日には向いていないと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ザ・タワー』

上映時間は89分という点では観やすいものの、生き残るためにタワーの住人達がやっていることを想像するとゾッとさせられるので、大人と一緒に観るとしても小学生以下には不向きな内容に思えます。スプラッターホラーまではいきませんが、痛々しい描写も出てくるので、怖い映画にまだ慣れていない場合は、念頭に置いておくと良さそうです。

映画『ザ・タワー』

『ザ・タワー』
2024年4月12日より全国公開
PG-12
クロックワークス
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2022 – Unité – Les filmas du Worso

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年4月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太/綾野剛 愚か者の身分【レビュー】

闇ビジネスに関するニュースが増えてきた日本において、本作で描かれているような出来事は…

映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平 次元を超える【レビュー】

キービジュアルとタイトル、「人はどこから来て、どこへ行くのか」という意味深なキャッチコピーだけで観たくなったのは…

映画『見はらし世代』黒崎煌代 黒崎煌代【ギャラリー/出演作一覧】

2002年4月19日生まれ。兵庫県出身。

映画『ヒポクラテスの盲点』 ヒポクラテスの盲点【レビュー】

新型コロナウイルスワクチンの被害が起こっている現実に着目した、中立した立場の取材に基づくドキュメンタリー…

映画『ファンファーレ!ふたつの音』ピエール・ロタン ピエール・ロタン【ギャラリー/出演作一覧】

1989年6月20日生まれ。フランス出身。

映画『トロン:アレス』ジャレッド・レト トロン:アレス【レビュー】

本シリーズ1作目『トロン』(=『トロン:オリジナル』)は1982年、『トロン:レガシー』は2010年に作られ、本作はシリーズ3作目となります…

映画『層間騒音』イ・ソンビン 層間騒音【レビュー】

冒頭から不可解な現象が映し出され、観る側はゾワゾワさせられながら騒音の原因を想像することになるわけですが…

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ミア・スレアプレトン ミア・スレアプレトン【ギャラリー/出演作一覧】

2000年10月12日生まれ。イギリス出身。

韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』マ・ドンソク/パク・ヒョンシク/ソ・イングク/ソン・ドンイル/イ・ジュビン/コ・ギュピル TWELVE トゥエルブ【レビュー】

マ・ドンソク、パク・ヒョンシク、ソ・イングクなど人気俳優が出演する本作は、十二支をモチーフにした守護神達…

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion ファイナンシャルプランナーから学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion
  2. 映画学ゼミ:アイキャッチ1/本の上の犬と少女
  3. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃

REVIEW

  1. 映画『愚か者の身分』北村匠海/林裕太/綾野剛
  2. 映画『次元を超える』窪塚洋介/松田龍平
  3. 映画『ヒポクラテスの盲点』
  4. 映画『トロン:アレス』ジャレッド・レト
  5. 映画『層間騒音』イ・ソンビン

PRESENT

  1. 映画『モンテ・クリスト伯』ピエール・ニネ
  2. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion
  3. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
PAGE TOP