REVIEW

スタントマン 武替道【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ/フィリップ・ン

REVIEW

香港映画に対する誇りと、香港映画や映画作りに関わる人達を守りたい気持ちが交錯するストーリー。本作の主なキャラクターは、過去に難易度の高いスタントの撮影で起きた出来事がきっかけで映画制作から身を引いたアクション監督のサム(トン・ワイ)と、現在アクション俳優として活躍するワイ(フィリップ・ン)、子どもの頃に観たアクション映画がきっかけでスタントマンを目指すロン(テレンス・ラウ)です。世代や立場が違う3人がそれぞれの立場で、アクション映画制作に携わる姿を描いています。

映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/フィリップ・ン

常識を超えるレベルでスタントマン達が体を張って撮られてきた香港のアクション映画だからこそ、その魅力、強みにこだわりたくなる気持ちもわからなくはありません。一方で、本当に命を落としたり、体が不自由になってしまうリスクを負ってまで、映画作りをするべきなのか、常に頭を悩ませてきたのだろうと思います。だから、本作でみられる、世代の違うスタントマン、アクション監督の思いのぶつけ合いは、香港映画界の等身大の姿なのかもしれません。

映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ

本作では、世代間の違いを徐々に越え、お互いに歩み寄りながら作品を作っていく姿にホッと一安心できる場面があるものの、そんなに簡単にいくはずはありません。一難去ってまた一難というように、何度もお互いがぶつかり合い、個々にも自分自身の中で葛藤を繰り返していく姿が描かれています。監督がやれといえばやるという風潮も相まって、最後の最後まで、どうなってしまうのか目が離せない展開が続きます。香港のアクション映画が大好きな身としては、香港映画に陰りを感じて焦るキャラクター達の姿にキュンと胸が締め付けられます。

映画『スタントマン 武替道』テレンス・ラウ

本作は、映画作りへの葛藤やアクションシーンが見どころでありつつ、キャストも魅力的です。まずは『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』でソンヤッ(信一)を演じたテレンス・ラウが登場するなり目を奪われるはず。テレンス・ラウが本作で演じるロンは、何とも爽やかで健気なので応援せずにはいられません。同じく『トワイライト〜』の好演が印象深いフィリップ・ンも活躍。フィリップ・ンは『トワイライト〜』では超強い悪役でしたが、本作ではアクションスターを演じていて雰囲気がガラッと違います。サム役のトン・ワイは『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』(1992)などに出演し、アクション監督として香港電影金像奨最優秀アクション設計賞を7度も受賞したベテラン俳優で、世代を代表する俳優が揃っています。

映画『スタントマン 武替道』テレンス・ラウ

香港のアクション映画といえば、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、サモ・ハン、ジェット・リー、ドニー・イェンなど多くのアクションスターを排出してきました。特に1980年代には、無謀ともいえる危険なアクションを取り入れた作品が隆盛し、香港のアクション映画を支えてきたスタントマンの実態はドキュメンタリー映画『カンフースタントマン 龍虎武師』で詳しく知ることができます。良かったら合わせて観てみてください。

デート向き映画判定

映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ

恋愛要素は描かれていないものの、結婚を間近に控えた娘と父の物語も重要な要素となっています。同時に、仕事か家族かというテーマも含まれているので、カップルとしては深く関心が持てる要素があるといえます。状況は全く異なるとはいえ、映画に絡めてざっくばらんに仕事観、家族観について話す機会にできるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『スタントマン 武替道』フィリップ・ン

普段カッコいいなと思いながら観ているアクション映画の制作の裏側を覗くことができる内容です。憧れだけでは耐えられない過酷な仕事だということがわかるでしょう。価値観は異なるけれど、それぞれにプロ意識を持った人達が、食い違いをどう乗り越えるのかを観ると、何かしら学べるところがあると思います。

映画『スタントマン 武替道』トン・ワイ/テレンス・ラウ/フィリップ・ン/セシリア・チョイ

『スタントマン 武替道』
2025年7月25日より全国公開
ツイン
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2024 Stuntman Film Production Co. Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エレノアってグレイト。』ジューン・スキップ エレノアってグレイト。【レビュー】

ニューヨーク州ニューヨーク生まれのスカーレット・ヨハンソン初の監督作は、ニューヨークが舞台となっています…

海外ドラマ『華麗なるマードー家』パトリシア・アークエット パトリシア・アークエット【ギャラリー/出演作一覧】

1968年4月8日生まれ。アメリカ出身。

映画『NEW GROUP』山田杏奈/青木柚 NEW GROUP【レビュー】

組体操をしている怪しげなキービジュアルを観ただけで興味をそそられたのは私だけではないはず…

映画『大統領のケーキ』バニーン・アハマド・ナーイフ 『大統領のケーキ』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『大統領のケーキ』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Michael/マイケル』ジャファー・ジャクソン Michael/マイケル【レビュー】

REVIEW伝説に残るスーパースター、マイケル・ジャクソン。生前の彼をリアルタイムで見てい…

映画『Michael/マイケル』来日ジャパンプレミア:ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディ、グレアム・キング(プロデューサー)/香取慎吾、ちゃんみな(スペシャルゲスト) “2人”のマイケル・ジャクソン=ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディと、長男プリンス・ジャクソン等が揃って来日『Michael/マイケル』来日ジャパンプレミア

伝説のスーパースター、マイケル・ジャクソンの半生を描いた映画『Michael/マイケル』の日本公開が目前に迫る2026年6月4日、本作のキャスト、スタッフが一斉に来日しました。

映画『the moment/ザ・モーメント』チャーリーxcx the moment/ザ・モーメント【レビュー】

本作は、2024年、アルバム“brat(ブラット)”が人気を呼び、“ブラット・サマー”と呼ばれる社会現象を巻き起こした、ポップスターのチャーリーxcxが本人役で登場し、ショービジネスの裏側を…

映画『ゆずり葉の頃』八千草薫 八千草薫【ギャラリー/出演作一覧】

1931年1月6日生まれ。大阪府出身。

映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ マスターズ・オブ・ユニバース【レビュー】

いろいろな意味で新鮮!でも、実はメインキャラクターであるヒーマン(He-Man)のルーツは、「バービー…

映画『ひつじ探偵団』エマ・トンプソン エマ・トンプソン【ギャラリー/出演作一覧】

1959年4月15日生まれ。イギリス出身。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

映画『ズートピア2』 映画好きが選んだ2025アニメ映画ベスト

今回は、2025年に劇場公開されたアニメ映画について、正式部員の皆さんによる投票結果ベスト30を発表!2025年のアニメ映画ベストに輝いたのは?

【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原 セルフ・モニタリングとモデリングの機会となる映画鑑賞(論文紹介)&映画でSELラボOPEN!

株式会社TSトーキョーは、映画でSELラボをオープンしました!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『炎上』森七菜/髙橋芽以
  2. 【映画学ゼミ第8回】「感情は有用か、有害か、映画の場合で考える」参加者募集!
  3. 【映画でSEL】イメージイラストドアの奥に草原

REVIEW

  1. 映画『エレノアってグレイト。』ジューン・スキップ
  2. 映画『NEW GROUP』山田杏奈/青木柚
  3. 映画『Michael/マイケル』ジャファー・ジャクソン
  4. 映画『the moment/ザ・モーメント』チャーリーxcx
  5. 映画『マスターズ・オブ・ユニバース』ニコラス・ガリツィン/カミラ・メンデス/イドリス・エルバ

PRESENT

  1. 映画『大統領のケーキ』バニーン・アハマド・ナーイフ
  2. 映画『サヨナラの引力』ク・ギョファン/ムン・ガヨン
  3. Prime Original ドラマシリーズ 『クロエマ』杉咲花/多部未華子
PAGE TOP