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ユニバーサル・ランゲージ【レビュー】

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映画『ユニバーサル・ランゲージ』

REVIEW

冒頭のカメラワークからしてユニークな世界観が広がる作品です。本作の舞台は、ペルシャ語とフランス語を公用語とする架空の世界のカナダ・ウィニペグで、それぞれの言語が醸し出す雰囲気が融合し、独特な世界を創り出しています。

映画『ユニバーサル・ランゲージ』

物語は、クセの強い教師がクラスの児童達に理不尽な要求をしたところから展開していきます。序盤は一見淡々と日常を描いているようでいて、些細な要素が後に伏線となっていきます。繋がりがあるとは思わないまま物語を追っていくと、意外なところで点と点が繋がって、編集の巧さも感じます。

映画『ユニバーサル・ランゲージ』

特に超常現象などが表れるわけではないものの、どこかファンタジックで、おとぎ話のような可愛らしさがある点も魅力です。「なんでやねん!」とツッコミを入れたくなるシーンも豊富にあり、全部引っくるめて何だか可愛らしい印象があります。

映画『ユニバーサル・ランゲージ』

そして、人の善意と悪意が絡まるストーリーに引き込まれます。根底には善意がある一方で、他者との競争のなかでひょっこり悪意が見えながら、巡り巡ってすべてが繋がっていく展開にはホッコリしつつも皮肉が詰まっています。原題にも邦題にもなっている“UNIVERSAL LANGUAGE”という表現も、まさにストーリーやテーマ、世界観を一言で上手く言い表しています。

デート向き映画判定

映画『ユニバーサル・ランゲージ』

ロマンチックなムードになるようなストーリーではないものの、特に気まずくなる要素もないので、デートで観るのもありでしょう。ただし、クセのある作品で比喩が効いているので、普段あまり映画を観慣れていない場合は、キョトンとなる可能性はあります。そういう意味で、お互いの映画の好みがわかっているカップルなら検討してみても良さそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ユニバーサル・ランゲージ』

皆さんと同世代のキャラクターが軸となって物語が展開していくので、等身大で観られる部分もあるでしょう。ただし、わかりやすい部分と、思考を働かせて解釈しないとキョトンとなってしまいそうな部分があります。誰かと一緒に観に行って、鑑賞後に解釈を話し合うと理解が深まって、本作の魅力をより感じられそうです。

映画『ユニバーサル・ランゲージ』ロジーナ・エスマエイリ/サバ・ヴェヘディウセフィ/ピローズ・ネマティ/マシュー・ランキン

『ユニバーサル・ランゲージ』
2025年8月29日より全国公開
クロックワークス
公式サイト

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© 2024 METAFILMS

TEXT by Myson

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PRESENT

  1. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
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  3. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
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