REVIEW

アビゲイル【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『アビゲイル』アリーシャ・ウィアー

REVIEW

始めにステージ上で黙々とバレエを踊るアビゲイル(アリーシャ・ウィアー)の姿を観て、「本当にこの子が?」と思うほど、後々の変貌が凄まじく、そのギャップがまず魅力です。お互いの素性を知らない寄せ集めのメンバーで構成された犯罪グループは、大富豪の12歳の娘アビゲイルを誘拐します。メンバーはアビゲイルを監禁するため、郊外の豪邸に連れていき、一晩経てば5000万ドルが手に入ると思っていたところ、豪邸の中で不穏な出来事が起こり始めます。

映画『アビゲイル』メリッサ・バレラ

まず、物語の舞台となる大豪邸が見るからにすごい!映画公式資料によると、この大豪邸はダブリン郊外に位置する富裕層が住むエリア、キャッスルロックに実在するグレンマルーン・ハウスとのことです。ビール醸造会社の御曹司アーサー・ギネスの元邸宅で、1904年にアイルランドの上流階級の人達をもてなすために作られたそうです。「グレンマルーン・ハウスは歴史的価値が高い建造物であるため、プロダクションデザインに変更を加える場合は保全担当の建築士マイケル・ボイルの許可を取る必要があった」とあります。よって、邸宅内で撮影できないシーンは、近郊のスタジオに建てられたセットで撮影されたそうです。とにかく、本作はこのグレンマルーン・ハウスを見学するような視点でも楽しめます。

映画『アビゲイル』アリーシャ・ウィアー

そして、一番の見どころといえば、タイトルロールになっているアビゲイルというキャラクターです。彼女がヴァンパイアということは皆さんわかった上で本作をご覧になると思います。でも、まだ子どもなので、どんなヴァンパイアなのか未知数ですよね。アビゲイルのキャラクターは、予想通りの部分もあれば意外性もあるので、新鮮な気持ちで観られます。さらに、誘拐犯達にもさまざまな展開がある点がおもしろい。クライマックスでは畳みかけるようにストーリーが二転三転していきますので、最後まで気を抜かずに楽しんでください。

デート向き映画判定

映画『アビゲイル』メリッサ・バレラ/アリーシャ・ウィアー

アビゲイルはヴァンパイアといっても、子どもだし、バレリーナだから、美しい描写でストーリーが展開されるのかなと油断をしていたら、後半はドバドバと血がまき散らされるし、いろいろなものが飛び散ります(笑)。ヴァンパイアなので血が流れるのは予想ができるとして、それ以上に強烈なシーンもあります。なので、相手の映画の好みがまだわからない場合はデートではなく1人で観るか、同じ好みの友達と観るほうが気楽でしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『アビゲイル』キャスリン・ニュートン/ウィル・キャトレット/ケヴィン・デュランド/アンガス・クラウド/アリーシャ・ウィアー

15歳未満の方は残念ながらまだ観られません。映画に興味を持ち始めたティーンの皆さんは、ホラーにも挑戦してみようかなと思ったら、ヴァンパイアものから観るのは良い選択肢ではあるものの、血を吸うだけでは済まないシーンも出てくるので、少々覚悟して観たほうが良いかもしれません。ホラーに慣れてきて、ツッコミを入れる心の余裕があるティーンの皆さんは、次の展開を予想しながら観ると楽しいですよ。

映画『アビゲイル』アリーシャ・ウィアー

『アビゲイル』
2024年9月13日より全国公開
R-15+
東宝東和
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2024 Universal Studios

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年9月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン ペンギン・レッスン【レビュー】

『ペンギン・レッスン』というタイトルが醸し出す世界観、スティーヴ・クーガンやジョナサン・プライスといった名優がメインキャストに名を連ねていることからして…

映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平 WIND BREAKER/ウィンドブレイカー【レビュー】

にいさとる作の同名漫画を原作とする本作は、不良グループが街を守るというユニークな設定…

映画『ナイトフラワー』北川景子 北川景子【ギャラリー/出演作一覧】

1986年8月22日生まれ。兵庫県出身。

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年11月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年11月】のアクセスランキングを発表!

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 映画に隠された恋愛哲学とヒント集80:おしどり夫婦こそ油断禁物!夫婦関係の壊れ方

どんなに仲が良く、相性の良さそうな2人でも、夫婦関係が壊れていく理由がわかる3作品を取り上げます。

映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン マルドロール/腐敗【レビュー】

国民を守るためにあるはずの組織が腐敗し機能不全となった様を描いた本作は、ベルギーで起き、1996年に発覚したマルク・デュトルー事件を基に…

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ペンギン・レッスン』スティーヴ・クーガン
  2. 映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』水上恒司/木戸大聖/八木莉可子/綱啓永/JUNON(BE:FIRST)/中沢元紀/曽田陵介/萩原護/髙橋里恩/山下幸輝/濱尾ノリタカ/上杉柊平
  3. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  4. 映画『マルドロール/腐敗』アントニー・バジョン
  5. 映画『消滅世界』蒔田彩珠

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP