REVIEW

アンデス、ふたりぼっち【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『アンデス、ふたりぼっち』ローサ・ニーナ/ビセンテ・カタコラ

人里離れたところでポツリと暮らす夫婦の物語。大自然に囲まれて、夫婦の会話もすごくのどかで前半はほのぼのとしたやり取りに癒されます。何気ない会話にはお互いを思いやる優しさが感じられて、普通なら夫婦げんかになりそうなところでも、2人はお互いに素直な対応をします。そんな2人を観ていると、こんな風に夫婦仲良く年を取っていけたらいいなと感じます。
ところが、後半はガラッとストーリーが展開します。2人はちょっとやそっとのことではウジウジしないし、良い意味で超マイペースだし、逞しさがあります。だから、一つや二つの不運にはへこたれません。ただその後も2人に予想以上の試練が訪れます。途中から「神様お願いだから、もうやめてあげて〜」といいたくなります。本作はこの前半との後半とのギャップがたまりません。一体どういう終わり方をするのか、目が離せなくなるはずです。これはある意味、サバイバルムービーといえるでしょう。ラストもかなりシュールですが、常に人間の逞しさを感じる作品です。自分も大自然に放り込まれた感覚で観てください。

デート向き映画判定
映画『アンデス、ふたりぼっち』ローサ・ニーナ/ビセンテ・カタコラ

主人公はある意味理想の夫婦です。なので、これから一生連れ添うと考えているカップルや夫婦には良いお手本となるシーンが多くあります。ロマンチックなムードになるような作品ではありませんが、デートで観るのも良いと思います。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『アンデス、ふたりぼっち』ローサ・ニーナ/ビセンテ・カタコラ

後半はドラマチックですが、前半はかなり淡々としているので、キッズにはちょっと不向きでしょう。2人しか登場人物がいないし、わかりやすくメッセージが伝わってくるというよりは、観る側が感じ取るタイプの作品です。いろいろな映画を観て、感性を養ってから観るほうが本作の良さを実感できそうな気がします。

映画『アンデス、ふたりぼっち』ローサ・ニーナ/ビセンテ・カタコラ

『アンデス、ふたりぼっち』
2022年7月30日より全国順次公開
ブエナワイカ
公式サイト

©2017 CINE AYMARA STUDIOS.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『ヒックとドラゴン』メイソン・テムズ メイソン・テムズ【ギャラリー/出演作一覧】

2007年7月10日生まれ。アメリカ生まれ。

「Kodansha Studios 設立発表会見」野間省伸(株式会社講談社 代表取締役社長)、 クロエ・ジャオ(Kodansha Studios 最高クリエイティブ責任者)、 ニコラス・ゴンダ(Kodansha Studios COO) 映画業界に新風を吹かせられるか?2025新レーベル発足および官民の取組みまとめ

今回は近日発足された新レーベルと、官民の取組みについてまとめて紹介します。

映画『果てしなきスカーレット』 果てしなきスカーレット【レビュー】

細田守が原作、脚本、監督を担当した本作は、16世紀のデンマークの王女、スカーレットが主人公です。細田監督は…

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  2. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  3. 映画『果てしなきスカーレット』
  4. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  5. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉

PRESENT

  1. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  2. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  3. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
PAGE TOP