REVIEW

青い、森

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『青い、森』清水尋也

忽然と姿を消した青年、波(清水尋也)と、彼を探す志村(門下秀太郎)と長岡(田中偉登)。3人で過ごした日々を振り返るシーンと、残された2人の青年が友を探し続けるシーンで構成されています。男の子3人がはしゃぎながらヒッチハイクをするシーンは爽やかですが、波が姿を消したと思われる幻想的な森はどこか不気味でおごそかでもあり、そのギャップが世界の境目に見えてきます。青い森って何だろうと気になるところですが、その一つの表現も意外な形で描かれていて、人の心情の表現法ってこういうのもあるのだなと、その世界観に引き込まれます。親友同士でも持っている心の微妙な距離感もリアルに映し出していて、50分ほどの短い映画ですが、心に迫るものがあります。3人のキャラクターも魅力的です。

デート向き映画判定
映画『青い、森』清水尋也

登場人物そのものが少ないのですが、女性は出てこず、男性キャラクターのみで物語が展開していきます。ただ性別を問わず、誰にでも通じるテーマが描かれているので、2人とも興味があればデートで観るのもありでしょう。上映時間が50分と短いので、歩き疲れたデートの合間に挟んで観るのも良いかもしれません。結末をどう捉えるかによって、お互いの価値観もちょっと見えてきそうなので、観終わった後の会話も楽しんでください。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『青い、森』門下秀太郎/田中偉登

お互いのことを心配しながら、無邪気に遊んだり、たわいもない話をしたりする男子3人を観ていると、仲が良いからこそ敢えて踏み込まない優しさ、逆に踏み込まないことで感じる罪悪感の両方が感じられて、自分の友達関係に置き換えて観られると思います。何でも話し合える仲だと思っていても人には言えないこともあるし、心配をかけたくないからこそ言わないこともあります。何が正しくて間違っていてという話ではありませんが、皆背景は違えど、こういう思いを少なからず抱えて生きているのかなということがわかると思います。

映画『青い、森』清水尋也

『青い、森』
2020年11月6日より全国順次公開
SPOTTED PRODUCTIONS
公式サイト

© 2020オフィスクレッシェンド

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『流麻溝十五号』余佩真(ユー・ペイチェン) 流麻溝十五号【レビュー】

本作の原作は、曹欽榮(ツァオ・シンロン)と鄭南榕基金会による「流麻溝十五號:綠島女生分隊及其他」です…

映画『ツイスターズ』オリジナルハンディファン 『ツイスターズ』オリジナルハンディファン 2名様プレゼント

映画『ツイスターズ』オリジナルハンディファン 2名様プレゼント

映画『このろくでもない世界で』ホン・サビン/ソン・ジュンギ このろくでもない世界で【レビュー】

冒頭から緊張感のあるシーンで始まる本作は、ろくでもない世界でもがく18歳の少年を主人公に…

映画『OUT』公開初日舞台挨拶、杉本哲太 杉本哲太【プロフィールと出演作一覧】

1965年7月21日生まれ。神奈川県出身。『白蛇抄』(1983)で映画デビューし…

映画『あのコはだぁれ?』清水崇監督インタビュー 『あのコはだぁれ?』清水崇監督インタビュー

昨年話題となった『ミンナのウタ』のDNAを引き継ぐ最新作『あのコはだぁれ?』。今回は本作を手掛けた…

映画『デッドプール&ウルヴァリン』ライアン・レイノルズ/ヒュー・ジャックマン デッドプール&ウルヴァリン【レビュー】

たくさん言いたいことはありながら、ネタバレになるので言えないことが多過ぎ…

映画『時々、私は考える』デイジー・リドリー 時々、私は考える【レビュー】

主人公のフラン(デイジー・リドリー)はとても静かだけれど、ここぞという時には…

映画『お隣さんはヒトラー?』デヴィッド・ヘイマン/ウド・キアー お隣さんはヒトラー?【レビュー】

タイトルは『お隣さんはヒトラー?』で、物語の舞台は1960年のコロンビア…。「むむむ?アドルフ・ヒトラーって…

映画『ロイヤルホテル』ジュリア・ガーナー/ジェシカ・ヘンウィック ロイヤルホテル【レビュー】

『アシスタント』のキティ・グリーン監督と、主演を務めたジュリア・ガーナーが再びタッグを組んだ本作は…

映画『チャレンジャーズ』ゼンデイヤ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】個性部門

映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】番外編として、今回は<個性部門>のランキングを発表します。特に個性が光る俳優としてどの俳優に投票が集まったのでしょうか?

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『チャレンジャーズ』ゼンデイヤ 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】個性部門

映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】番外編として、今回は<個性部門>のランキングを発表します。特に個性が光る俳優としてどの俳優に投票が集まったのでしょうか?

Netflix映画『悪魔はいつもそこに』トム・ホランド 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】演技力部門

映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】番外編として、今回は<演技力部門>のランキングを発表します。演技派揃いのなか、どのような結果になったのでしょうか。

海外ドラマ『THE GREAT 〜エカチェリーナの時々真実の物語〜』エル・ファニング 映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】雰囲気部門

映画好きが推すイイ俳優ランキング【海外10代、20代編】番外編として、今回は<雰囲気部門>のランキングを発表します。雰囲気の良さが特に評価されているのは、どの俳優でしょうか。

REVIEW

  1. 映画『流麻溝十五号』余佩真(ユー・ペイチェン)
  2. 映画『このろくでもない世界で』ホン・サビン/ソン・ジュンギ
  3. 映画『デッドプール&ウルヴァリン』ライアン・レイノルズ/ヒュー・ジャックマン
  4. 映画『時々、私は考える』デイジー・リドリー
  5. 映画『お隣さんはヒトラー?』デヴィッド・ヘイマン/ウド・キアー

PRESENT

  1. 映画『ツイスターズ』オリジナルハンディファン
  2. 映画『サユリ』
  3. 映画『ボストン1947』ハ・ジョンウ/イム・シワン
PAGE TOP