REVIEW

朝が来る

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『朝が来る』永作博美/井浦新

養子縁組をした夫婦と、生みの親の物語。育てたくても育てられない14歳の母と、夫の無精子症で子どもを作ることを諦めて養子縁組をした夫婦。それぞれ心に強い痛みを抱えながら前に進む姿に胸を打たれます。
中盤はサスペンス的な展開が印象的で、突然現れた女性が誰なのかというところから始まる犯罪を匂わせる展開にハラハラドキドキします。同時に、子どもが奪われるかもしれないという恐怖や、子どものためにどうすることが1番良いかと悩む育ての両親の姿が描かれていて、子どもを育てるって本当に大変なことだと実感させられます。
ひかりを演じた蒔田彩珠の演技も見事で、彼女の名演によって、若者が抱えるさまざまな心情や、それを整理できず複雑なまま抱える辛さ、大人のように器用にできないからこそのもがきもリアルに伝わってきます。不妊治療における夫婦の苦労なども描かれているので、年代を問わず女性に響く内容になっています。

デート向き映画判定
映画『朝が来る』永作博美/井浦新

自分とパートナーという2人の関係に、子どもが加わるということがいかに大きなことかを実感できます。序盤は不妊治療にも触れていて、男女それぞれの心情も描かれています。結婚を意識しているカップルや、これから子どもを作ろうと考えている夫婦は、本作を一緒に観て、そこから得られる情報や当事者の気持ちを共有すると、今後いろいろと相談する上で、役に立つことがあるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『朝が来る』蒔田彩珠

本作と同じような境遇、状況になくても、親達は皆さんが思っている以上に、いつも心配しているのだということが観てわかるでしょう。またティーンの皆さんはこれから恋をして、深い関係に進展していくこともあると思いますが、その行為にどんな可能性があるのかを知っておくことは必要だと思います。「私には起こらない」とは誰も言い切れません。男女が結ばれる重みは、恋愛感情の問題だけでないことを知るきっかけになると思います。

映画『朝が来る』永作博美/井浦新

『朝が来る』
2020年10月23日より全国公開
キノフィルムズ、木下グループ
公式サイト

©2020『朝が来る』Film Partners

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  2. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  3. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  4. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  5. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP