REVIEW

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ミシェル・ヨー

前半は笑いどころ満載。バカなことをやればやるほど力が増すという設定に親近感が湧き、アホらしさが無垢と愛おしさを感じさせます。物語が展開するにつれカオスを極めていき、どうやって終わるのかまったく見えないなか、徐々にこの物語が語ろうとしている根幹に近づき、とても哲学的でエモーショナルなストーリーへと変化していく様は見事です。よくここまでのカオスをまとめたなと感心してしまうと同時に、とても愛に包まれたストーリーとして完成させた点で秀逸です。
マルチバース及び一見ぶっ飛んだ世界を舞台としながら、実は私達が生きる世界はマルチバースの統合された世界なのではないか、私達はさまざまな顔、生き様を統合した存在であることの比喩ではないかと思えてきます。私達は何者にもなれるし、どこへでもいける。でも選択してここにいる。選択して今の自分がいる。実は、なりたかった自分、なれなかった自分、今の自分、すべていっぺんにここにいると、観終えた後は最強になった気分にさせてくれますよ(笑)。
また、キャストも最高です!まず、この主人公を演じられる俳優はミシェル・ヨー以外考えられません。さらにキー・ホイ・クァン、ステファニー・スー、ジェイミー・リー・カーティスなど、脇を演じた面々も魅力的で、カンフーもコメディも楽しめるし、後半はグッとくる愛の物語も味わえます。“岩”が語るユニークなシーンも印象的。作品に込められたメッセージをそのままこの作品作りの姿勢に反映して、枠にハマらない描写をしている点でも共感できます。
いや〜、スゴイものを見させてもらいました!映画を観る醍醐味、興奮をくれる作品ですので、お見逃しなく。

デート向き映画判定
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ミシェル・ヨー/キー・ホイ・クァン

めちゃめちゃカオスな映画で、笑えるポイントも多く、和やかな雰囲気で観られると同時に観終わった後の会話も弾みそうです。ただ、灰汁が強い作品なだけに、好みは分かれるかもしれません。普段あまり映画を観ない方を誘う時や、初デートの場合は、相手の好みを聞いてから誘うべきか決めると安心です。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』キー・ホイ・クァン

10代特有の喪失感と絶望感も描かれているので、ティーンの皆さんも共感できると思います。混沌としている描写がおもしろくて、キッズやティーンの皆さんにこそウケそうな設定も詰まっています。小学校高学年以上なら物語についていけると思うので興味を持ったらぜひ観てみてください。親子のストーリーでもあるので家族で一緒に観るのも良いですよ。

映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ミシェル・ヨー/キー・ホイ・クァン

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
2023年3月3日より全国公開
ギャガ
公式サイト

© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー 『アウトローズ』ムビチケオンライン券 2組4名様ご招待

映画『アウトローズ』ムビチケオンライン券 2組4名様ご招待

映画『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キング レジーナ・キング【ギャラリー/出演作一覧】

1971年1月15日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。

映画『喝采』ジェシカ・ラング 喝采【レビュー】

ブロードウェイで活躍した伝説の俳優マリアン・セルデスをモデルとした本作の主人公は、ジェシカ・ラングが演じています…

映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル YADANG/ヤダン【レビュー】

タイトルについている“ヤダン”とは、「麻薬犯罪者から情報を引き出し、検察や警察に提供して報酬を得る司法取引のブローカー」…

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ リリー・ジェームズ【ギャラリー/出演作一覧】

1989年4月5日生まれ。イギリス出身。

映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕 架空の犬と嘘をつく猫【レビュー】

家族の絆というより、家族の呪縛を描いているようでいて…

映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン おくびょう鳥が歌うほうへ【レビュー】

世界各国で翻訳され、ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN」を原作とした本作は、ベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いた『システム・クラッシャー』のノラ・フィングシャイトが監督を務め、若くして数々の名作に出演してきた実力派シアーシャ・ローナンが主演を務めています…

ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈 スキャンダルイブ【レビュー】

昨今、問題が複数取り沙汰されている、芸能界の性加害をテーマにしたドラマということもあり、再現ドラマにすら感じる生々しさがあります…

Netflixシリーズ『イクサガミ』岡田准一 映画レビュー&ドラマレビュー総合アクセスランキング【2025年12月】

映画レビュー&ドラマレビュー【2025年12月】のアクセスランキングを発表!

映画『コート・スティーリング』オースティン・バトラー コート・スティーリング【レビュー】

ダーレン・アロノフスキー監督とオースティン・バトラーがタッグを組んだ本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
  2. 映画『YADANG/ヤダン』カン・ハヌル
  3. 映画『架空の犬と嘘をつく猫』高杉真宙/伊藤万理華/安藤裕子/向里祐香/安田顕
  4. 映画『おくびょう鳥が歌うほうへ』シアーシャ・ローナン
  5. ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』柴咲コウ/川口春奈

PRESENT

  1. 映画『アウトローズ』ジェラルド・バトラー
  2. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  3. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
PAGE TOP