30代の個性豊かな独身女性4人の日常を赤裸々に描いた“セックス・アンド・ザ・シティ(SATC)”(1998~2006年作品/日本では2000年から放送)のその後を描いた本シリーズは、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)、ミランダ(シンシア・ニクソン)、シャーロット(クリスティン・デイビス)の3人をメインキャラクターとして物語が構成されています。さまざまな噂は耳にしていたので、それらが本当だとすると仕方がないと思いつつ、やっぱりサマンサ(キム・キャトラル)がいないのはかなり寂しいです。姿は見せないものの、サマンサの存在は残るよう構成に工夫は見られますが、こうして彼女がいないストーリーを観ると、改めてオリジナルの4人のバランスの良さを感じずにはいられません。

ただ、キャリー達のリアルな日常を描くというスタイルは貫かれています。本シリーズでキャリー達は50代半ばという設定なので、老いもテーマに加わっています。“SATC”はセックスライフが赤裸々に語られている点で、放送当時とても先進的でした。それから十数年経ち、性について語ることにハードルが下がってきているなか、次のテーマにチャレンジしているのだなという姿勢が伝わってきます。何より、個人的に“SATC”から好きなポイントは、カッコ悪いところ、みっともない姿も見せちゃうところ。そういうスタンスは健在で、ありのままの自分や現状を受け入れて前進しようともがくキャリー達の姿に何だか癒されます。

そして、スティーブ、ハリー、スタンフォード、アンソニーなど、脇を固めるキャラクターも健在です。ただ、スタンフォードを演じていたウィリー・ガーソンは2021年9月に57歳の若さでガンで亡くなられたとのことです。とても寂しいですが、今シーズンの前半は懐かしい姿を観られるのでぜひ注目してください。また、ミランダやシャーロットの子ども達が大きくなっていて、親子のやり取りも印象的に描かれています。中でも個人的にツボだったのはシャーロットが娘にタ○ポ○の使い方を指南するエピソード。娘目線では“女子あるある”で笑えるし、母の立場であれやこれやと工夫して指南するシャーロットの言動もかなり可笑しくて、シャーロットのキャラクターが一層活かされているエピソードとなっています。
本シリーズの続編はあるのか、現時点(2022年5月30日現在)ではまだ正式な発表はありませんが、続きがあるならもう少し観てみたいと思います。

『AND JUST LIKE THAT… / セックス・アンド・ザ・シティ新章』
2021年12月29日よりU-NEXTにて配信中
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TEXT by Myson
