REVIEW

バクラウ 地図から消された村

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『バクラウ 地図から消された村』ソニア・ブラガ

伝統を重んじ、村独自の文化を保ちながら人々が暮らすバクラウ。最初は小さな村に住む者同士の平凡でのどかな日常が映し出されるのですが、要所要所に「??」と思わせるアイテムや人物が出てきて、観ていると徐々にドキドキしてきます。元々人里離れた場所にある村ということはわかるので、物資や水が不足すると困るだろうことは想像が付くのですが、そういった生活の中にあるちょっとした出来事に変化が起こってきたかと思えば、途中から「えー!!」という展開になります。人によってはすごく大きな陰謀をイメージしたり、複雑な人間関係があるのではと想像したり、かなり想像を膨らませられる点で、作り方の巧さを感じます。観終わった後には「こういうテンションの映画だったのか!」と驚かされますが、独特の不気味さが半端ない作品です。クレイジーな映画として楽しむのもあり、現代社会を投影した社会派映画として観るのもあり、捉え方もいろいろできそうです。

デート向き映画判定
映画『バクラウ 地図から消された村』ウド・キアー

村人に野生的な側面があるせいか、ベッドシーンが出てきてもサバサバしています。とはいえ、途中からかなり激しいバイオレンスシーンが出てくるので、デート向きとは言えません(笑)。こういう類の映画が2人とも好きなら大丈夫ですが、初デートなど相手の好みがあまりわからないうちから誘うのは少々リスキーです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『バクラウ 地図から消された村』

こりゃいろんな意味で怖いので、映画を観慣れていないとビックリするかもしれません。R-15なので15歳以上の人は観られますが、灰汁の強い映画もいろいろ観てから本作を観たほうが、免疫がついた状態で観られると思います。もちろん、この映画でこういうジャンルの映画に目覚めるのもアリだと思うので、映画にハマりつつある15歳以上のティーンの皆さんは、興味があればトライしてみてください。

映画『バクラウ 地図から消された村』ソニア・ブラガ/ウド・キアー

『バクラウ 地図から消された村』
2020年11月28日よりシアター・イメージフォーラムにて公開
R-15+
クロックワークス
公式サイト

© 2019 CINEMASCÓPIO – SBS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINÉMA

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ ブラックフォン2【レビュー】

2022年に作られたシリーズ1作目『ブラック・フォン』から4年後を描いた本作でも…

映画『金髪』白鳥玉季さんインタビュー 『金髪』白鳥玉季さんインタビュー

今回は『金髪』で生徒の板緑役を演じた白鳥玉季さんにインタビューさせていただきました。“金髪デモ”を起こすキーパーソンである板緑を演じた感想や、撮影裏でのエピソードを直撃しました。

映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉 TOKYOタクシー【レビュー】

クリスチャン・カリオン監督『パリタクシー』を原作とした本作は、東京にある柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設までの道のりを舞台に、山田洋次監督が映画化…

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブラックフォン2』イーサン・ホーク/メイソン・テムズ
  2. 映画『TOKYOタクシー』倍賞千恵子/木村拓哉
  3. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  4. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  5. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP