REVIEW

ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』林空雅

タイトルにある“ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき”という意味は、最後まで観てようやく本当の意味がわかります。これは、女性として生まれたけれど、自分の性に違和感を持ち続けていた主人公の9年間を追ったドキュメンタリーで、どの時点で“性別ゼロ”に戻るのかを考えながら観るのですが、「ここでゼロに戻ったんだ」と思うと、そう単純なものではなく、主人公やその周辺の人々の歴史やお話を知ると、性別という概念の奥深さを感じます。
個人的に、この世の中には白か黒かキッパリ分けられないことのほうが多いのに、性別だけ男女2種類に分けられるはずがないと思っていましたが、まだまだ自分の理解が甘かった、知識が足りなかったと、本作を観て自覚しました。ある意味性差もスペクトラムで、境界線は曖昧なんですね。本作ではさまざまなタイプの方が登場して、その辺りのことを解説してくれるので、理解が深まります。枠にはめようとして苦しんでいる人も多くいると思いますが、そんな人々に勇気を与えつつ、まだこういう背景を知らない人にとっても学びとなる作品です。

デート向き映画判定
映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』林空雅

内容的に気まずいことはないので、初デートで観ても問題はないし、社会的にも関心が高まっているテーマなので、いろいろと話すきっかけにできそうです。本作を観て語ることで、ものの観方や捉え方、価値観が垣間見えるので、交際ホヤホヤのカップルもお互いの内面を知ることができ、心の距離も縮まるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』林空雅/八代みゆき/中島潤

第二次性徴を迎えるティーンの皆さんにとって、とても身近な内容です。身体が成長してくることで、今までは気にならなかったことが気になり出したり、他者との違いに悩んだり、社会的なプレッシャーを感じるようになったり、性差は思っている以上に生活に関わってきます。でも、枠に当てはめる前に、本作を観てみると、少し気持ちがほぐれて、自分の問題を俯瞰して見られるようになると思います。家族や仲の良い友達に相談するきっかけに一緒に観るのも良いのではないでしょうか。

映画『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』林空雅

『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 空と木の実の9年間』
2020年7月24日より全国順次公開
Musubi Productions
公式サイト

© 2019 Miyuki Tokoi

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ナギダイアリー』松たか子 ナギダイアリー【レビュー】

自然に囲まれた田舎町を舞台に描かれる本作は、深田晃司監督が「岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・平田オリザの代表作『東京ノート』に着想を得て、監督自ら脚本を執筆…

映画『ディスクロージャー・デイ』エミリー・ブラント/ジョシュ・オコナー ディスクロージャー・デイ【レビュー】

地球外生命体の存在は長らく議論の的になっています。本作を観るにあたり、地球外生命体の存在を信じる人、信じない人で…

映画『しびれ』北村匠海 しびれ【レビュー】

『佐々木、 イン、 マイマイン』『若き見知らぬ者たち』を手掛けた内山拓也監督が描く本作は、社会の隅っこで生きる親子の物語…

映画『リグレッション』エマ・ワトソン エマ・ワトソン【ギャラリー/出演作一覧】

1990年4月15日生まれ。フランス出身、イギリス国籍。

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

映画『シャドウワーク』吉岡里帆/奈緒 シャドウワーク【レビュー】

冒頭に示されるDV発生率の高さにまず衝撃を受けます。DV被害が想像以上に身近にあると知ったところで始まるストーリーは…

映画『ブロークン・ヴォイス』カテジナ・ファルブロヴァー ブロークン・ヴォイス【レビュー】

日本でも公演を行っていた、チェコ、プラハの名門少年少女合唱団“バンビーニ・ディ・プラーガ”で、1984年から2004年にかけて、少なくとも49人の少女が性被害を受けていました…

映画『向田理髪店』白洲迅 白洲迅【ギャラリー/出演作一覧】

1992年11月1日生まれ。東京都出身。

映画『煙突の中の雀』 『煙突の中の雀』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『煙突の中の雀』一般試写会 5組10名様ご招待

【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!

今回から、映画学ゼミSeason2として、プチリニューアルして開催します。Season2のコンセプトは、「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求」です。

【映画でSEL】にたどりつくまでの道

今のあなたに必要な非認知能力を伸ばす【映画でSEL】プログラムのご案内

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ 映画好きが選んだアン・ハサウェイ人気作品ランキング

今回は、アン・ハサウェイ出演作品(日本劇場未公開作品と直近の劇場公開作品を除く)を対象に、正式部員…

【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集! 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!

今回から、映画学ゼミSeason2として、プチリニューアルして開催します。Season2のコンセプトは、「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求」です。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック 映画好きが選んだ実在アーティストの伝記映画ランキング

今回は実在アーティストの伝記映画について、正式部員の皆さんに投票してもらいました。さまざまな有名アーティストにまつわる作品がある中で上位にランクインしたのはどの作品でしょうか?

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミSeason2 第1回】「思考力を鍛える映画鑑賞—その仕組みの探求①オリエンテーション」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第10回】「メタ認知が働く映画鑑賞、そうでない映画鑑賞、何が違う?」参加者募集!
  3. 映画『四月の余白』一ノ瀬ワタル/上阪隼人

REVIEW

  1. 映画『ナギダイアリー』松たか子
  2. 映画『ディスクロージャー・デイ』エミリー・ブラント/ジョシュ・オコナー
  3. 映画『しびれ』北村匠海
  4. 映画『シャドウワーク』吉岡里帆/奈緒
  5. 映画『ブロークン・ヴォイス』カテジナ・ファルブロヴァー

PRESENT

  1. 映画『煙突の中の雀』
  2. ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活2』のん/藤ヶ谷太輔
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP