キャリア・仕事

あなただけのキャリア2-1:「好きな仕事をする」の意味を考える<1>

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ソニック・ザ・ムービー』ジム・キャリー

数々の名作に出演し、俳優だけでなく、プロデューサーをやったり、絵本や小説を出したりとマルチに活躍するジム・キャリーは、『ソニック・ザ・ムービー』の公式資料によると、2014年5月にアイオワ州フェアフィールドにあるマハリシ経営大学から名誉博士号を贈られ、その大学の卒業式でこうスピーチしたそうです。

映画『ソニック・ザ・ムービー』ジム・キャリー
ソニック・ザ・ムービー
2020年6月26日より全国公開
©2019 PARAMOUNT PICTURES AND SEGA OF AMERICA, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

好きでない仕事で失敗することもあるのだから、
好きな仕事をする可能性に賭けてみたほうがいい

なんて素敵な言葉でしょう!でも、「好きな仕事をする」って、どういうことをさすのでしょうか?ちまたでは、好きな仕事をすることに肯定派と反対派がいますが、そもそも「好きな仕事」の概念が異なるので、どちらが正しいということではないように思います。では、「好きな仕事をする」を現実的に叶えるために、その解釈、背景を考えてみたいと思います。

まず“好き”の対象をイメージする時、例えば「私は映画が好きだから、映画に関わる仕事をしたいです」と思うのは自然です。
でも、映画に関わる仕事といってもたくさんある中で、何でも良いのかというと、きっと皆さんそうではないですよね。また、「映画が好き」の背景に何があるのかを考えてみると、少し見え方が変わってくると思います。

映画関連のお仕事で皆さんが良く知る役割を例に考えてみましょう。俳優、監督、プロデューサー、カメラマン、音響、照明…とこれだけでも、やることが全然違うのがわかります。映画制作の現場以外の仕事では、宣伝、買付、営業(劇場に対してなど)、映画館運営、パンフレット制作、グッズ制作、映画媒体ライターや編集者…と本当にたくさんの仕事があります。映画監督や俳優、制作系以外で、映画の仕事をしたいと思った時、就職先としてすぐに思いつくのは映画会社だと思いますが、前述のように多種多様な職種があることを踏まえてイメージすると、就職先は無数にあると言えます。

さらに、本業として映画に携わっている会社もあれば、本業は別の業種で、一部の部署またはグループ会社の1つが映画に携わっているというケースもあります。また、出版社などでいうと、ファッション雑誌やスポーツ雑誌を扱うのと同列で映画雑誌を取り扱う部門があったり、広告代理店の中で映画担当がいたりと、職種が先にあり、その中で何を扱うかが決まっているというケースもあります。

そう考えると、ただ“映画が好き”というだけでは、好きな仕事が何かを考えるにはまだ不十分で、むしろ“映画”は扱う商品、ジャンルでしかないので、「映画にまつわる何をしたいのか」から考えたほうがより具体的にイメージしやすいでしょう。そして、映画が好きだからといって、仕事で映画に関わることが得策かは個々に異なります。仕事にするまでは映画を気楽に観ていられたとしても、仕事となると向き合い方が変わります。自分が好みの映画ばかりに接するわけでもなく、知らなかったほうが良かった裏側を知ることになる場合もあります。

一方で、映画に関わる仕事で、なりたい職種も決めたとします。でも、自分に向いているか、自分がそのポジションで役に立てるかという問題もあります。『モンスターズ・ユニバーシティ』では、怖がらせ屋になりたいとモンスターズ・ユニバーシティの怖がらせ学部に入ったマイクと、怖がらせ屋として有望視されるサリーが、どうやって名コンビになっていったのかを描いています。ここで注目して欲しいのは、マイクです。マイクは全然怖くなく、落ちこぼれ扱いされてしまい、将来の夢に全然近づけません。でも、マイクは自分が役に立てることを見つけていき、サリーの最高のパートナーになっていきます。マイクを観ていると、視点や考え方を変えることで、好きな仕事をするチャンスがつかめるのだなと勇気をもらえます。

最後に性格特性と職業のマッチングを考える上で参考になる理論を1つご紹介します。ホランドの類型学的理論では、各々の職業には対応した固有のパーソナリティが関連するとして、パーソナリティを6つの類型に分けています。これをRIASEC(リアセック)と言います。

R(realistic)=現実的:物、機械、動物などを対象として、手腕的、機械技術的に対応するもので、順応的、具体的で率直なパーソナリティを示す。
I(investigative)=研究的:科学者や医者に多く、抽象的あるいは具体的な対象に対して研究活動を行うもので、知的、分析的で内省的なパーソナリティを示す。
A(artistic)=芸術的:芸術関係の職業に適するもので、想像性と情感が豊かで個性的なパーソナリティを示す。
S(social)=社会的:教育やカウンセリングに適していいるもので、対人関係能力に優れ、社交的で援助的なパーソナリティを示す。
E(enterprise)=企業的:組織・企業活動に適したもので、指導性や社交性のある活動的なパーソナリティを示す。
C(conventional)=慣習的:書記的・数的能力に優れ、銀行員や事務員に適したもので、秩序を重視し抑制的で従順なパーソナリティを示す。

[佐々木士師二(1996) 「産業心理学への招待」(有斐閣)]

上記の6つを六角形で示したものを“ホランドの六角形モデル”といいますが、隣り合っているパーソナリティは類似性が高いとされています(六角形にした時に、Rのもう1つの隣りはCになります)。この中で自分はどのパーソナリティが強いのか、傾向を知るための「VPI職業興味検査」というのがあります。これはある程度、世の中にあるさまざまな職業についてのイメージがないと答えにくいため、短大生、大学生以上を対象にした検査となっています。就職相談などで実施される場合もあると思いますが、興味がある人は機会があればやってみると良いかも知れません。ただ、興味の範囲が広いと、分散されてしまい、結果的にどれもまんべんなくという結果になることもあったり、これが絶対という結果ではなく、あくまで参考にというスタンスでやってみてもらえればと思います。検査は受けなくても、上記のどの傾向が自分にあるかイメージするだけでも、自分にどんな職業があっているのか、少し具体的に考えられるのではないでしょうか。

“好きな仕事”については、1回ではお伝えしきれないので、次回引き続き考えたいと思います。

オススメのお仕事映画

『モンスターズ・ユニバーシティ』
Amazonプライムビデオにて配信中(レンタル、セルもあり)
ブルーレイ・DVDレンタル&発売中

REVIEW/デート向き映画判定/キッズ&ティーン向き映画判定

好きな仕事に就くって奥が深い!サリーにも苦労があり、マイクにも苦労があり、2人の頑張る姿に勇気をもらえます。これからの将来をイメージする上で子ども達に観て欲しいのはもちろん、学生や大人もより現実的な自身の仕事観を捉える上でとても参考になるストーリーです。

モンスターズ・ユニバーシティ (字幕版)

©2013 Disney/Pixar.All rights reserved.

TEXT by Myson(国家資格キャリアコンサルタント/認定心理士)

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ザ・ハント』ベティ・ギルピン ザ・ハント

本作は、富裕層が娯楽として人間狩りを楽しむという…

Netflix映画『シカゴ7裁判』アレックス・シャープ アレックス・シャープ

1989年2月2日イギリス、ロンドン生まれ。2014年にジュリアード音楽院を卒業し…

映画『ウルフウォーカー』スペシャル対談、細田守監督/トム・ムーア監督/ロス・スチュワート監督 『ウルフウォーカー』のトム・ムーア&ロス・スチュアート監督と細田守監督が日本とアイルランドのアニメーション制作手法の違いを語る!スペシャル対談

映画『ウルフウォーカー』の公開を記念し、【東京アニメアワードフェスティバル2021】のプレイベントとして、本作の監督とアニメーション映画監督細田守とのスペシャル対談が行われました。それぞれの制作手法の違いや、お互いの作品について熱く語り合っています。

映画『ヤウンペを探せ!』池内博之/宮川大輔/松尾諭/池田鉄洋/蓮佛美沙子 『ヤウンペを探せ!』2組4名様 ムビチケプレゼント

映画『ヤウンペを探せ!』2組4名様 ムビチケプレゼント

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』リナ・クードリ パピチャ 未来へのランウェイ

“暗黒の10年”と呼ばれる1991年に始まった内戦下のアルジェリアを舞台に、ファッションデザイナーを夢見る少女の視点で…

映画『罪の声』小栗旬/星野源 罪の声

塩田武士の「罪の声」を映画化した本作はフィクションですが、モデルにされている事件は昭和史最大の未解決事件で…

映画『とんかつDJアゲ太郎』北村匠海/山本舞香/伊藤健太郎 とんかつDJアゲ太郎

原作コミックを知らないと、「とんかつとDJってどういうこと?」って思いますよね。私もそうでした。でも設定上…

映画『ストレイ・ドッグ』トビー・ケベル トビー・ケベル

1982年7月9日イギリス、ヨークシャー生まれ。2004年に“Dead Man’s Shoes(原題)”で注目を集め…

映画『大統領の料理人』カトリーヌ・フロ 映画で“食”について考えてみよう5:誰かと一緒に食事をすることで、栄養の吸収率がUP!?

皆さんは食事をする理由について考えたことがありますか?私達が食事をすることの1番の理由は、生きていくために欠かすことのできないエネルギーと栄養を補給するためですが、実はそれだけではない大切な理由があります。

映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス/フレイア・メーバー キーパー ある兵士の奇跡

第二次世界大戦で捕虜としてイギリスの収容所に送り込まれたナチス兵士のバート・トラウトマン。終戦後…

おすすめ記事

映画『パピチャ 未来へのランウェイ』リナ・クードリ/シリン・ブティラほか 女子として、夢を追う者として共感!『パピチャ 未来へのランウェイ』座談会リポート

今回本作にちなんで、ネジュマと同世代の女性に集まって頂き、オンライン座談会を行いました…

映画『ディープ・ブルー3』 怖い?笑える?映画好き女子的サメ映画の魅力特集

サメ映画の魅力を再発見するべく、編集部独断でサメ映画の代表作を選抜し、各作品の魅力やオススメポイントについて部員の皆さんに聞いてみました!

映画『プラダを着た悪魔』アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『プラダを着た悪魔』

「勝手にキャスティング企画!」第4回は『プラダを着た悪魔』。リメイクするとしたら、アン・ハサウェイが演じたアンドレア・サックス(=アンディ)、メリル・ストリープが演じたミランダ・プリーストリーを、誰が演じるのが良いか、考えて頂きました!

映画『オフィシャル・シークレット』マット・スミス/マシュー・グード ジャーナリズムの意義を問う映画特集

現代は情報に溢れており、不確かなニュースを判別することも難しくなってきました。でも、誰も正しい情報を伝えようとする努力をしなくなった時、世界はどうなって…

【恋のまち パリvsニューヨーク】特集イメージ:エッフェル塔&自由の女神 【恋のまち パリvsニューヨーク】特集

多くの恋愛映画の舞台となっているパリとニューヨーク。今回はそれぞれが舞台となっている恋愛映画の中で、どの作品が好きか投票を行い、ランキングと総合結果を出しました。パリvsニューヨークの結果はいかに!?

映画『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』志尊淳 新世代スター期待度ランキング2020

毎年多くの若手俳優の中から新たなスターが誕生しますが、今回はこれからさらに人気が上昇しそうな俳優について、トーキョー女子映画部が独断で選出し、皆さんに投票して頂きました。

親子イメージ写真 皆様へ感謝!10周年記念特集:みんなの映画好きルーツ

トーキョー女子映画部10周年記念特集第2弾!トーキョー女子映画部には多くの映画好き女子が集まっていますが、皆さん何をきっかけに映画を好きになったのでしょうか?今回は皆さんが映画好きになったルーツについて聞いてみました。

トーキョー女子映画部主宰:マイソン アバターイラスト10周年 皆様へ感謝!10周年記念特集:トーキョー女子映画部のまだまだ短い歴史

2020年7月で、トーキョー女子映画部は開設10周年を迎えました!ここまで続けてこられたのも皆さんのおかげです。本当に、本当にありがとうございます!他の多くの企業やWEBサイトに比べれば、10年なんてまだまだ若いですが、超マイペースでちゃらんぽらんな私からすると「10年ももった!」というのが本音です(笑)。そんなトーキョー女子映画部ですが、今回はこの機会にこの10年を振り返らせて頂きます。

映画『メン・イン・ブラック3』ウィル・スミス 楽しい妄想シリーズ:1日あの人になってみたい!〜コメディ俳優編〜

楽しい妄想シリーズ「1日あの人になってみたい!」企画第2弾!今回は“コメディ俳優編”です。皆さんがもし1日だけコメディ俳優になって映画に出られるとしたら、誰になってみたいですか?今回も楽しく妄想して頂きました!

映画『レヴェナント:蘇えりし者』レオナルド・ディカプリオ イイ男セレクションランキング2020<海外40代俳優 総合ランキング>

今回はついに総合ランキングを発表!各部門で接戦を繰り広げた海外40代俳優ですが、総合ランキングはどんな結果になったのでしょうか?

REVIEW

  1. 映画『ザ・ハント』ベティ・ギルピン
    ザ・ハント

  2. 映画『パピチャ 未来へのランウェイ』リナ・クードリ
  3. 映画『罪の声』小栗旬/星野源
    罪の声

  4. 映画『とんかつDJアゲ太郎』北村匠海/山本舞香/伊藤健太郎
  5. 映画『キーパー ある兵士の奇跡』デヴィッド・クロス/フレイア・メーバー
  6. 映画『おもかげ』マルタ・ニエト/ジュール・ポリエ
    おもかげ

  7. 映画『きみの瞳が問いかけている』吉高由里子/横浜流星
  8. 映画『空に住む』多部未華子
    空に住む

  9. Netflix映画『シカゴ7裁判』サシャ・バロン・コーエン
    シカゴ7裁判

  10. 映画『ストレイ・ドッグ』ニコール・キッドマン

部活・イベント

  1. 映画『パピチャ 未来へのランウェイ』リナ・クードリ/シリン・ブティラほか
  2. トーキョー女子映画部主宰:マイソン アバターイラスト10周年
  3. 映画『スキャンダル』シャーリーズ・セロン/ニコール・キッドマン/マーゴット・ロビー
  4. 海外ドラマ『SUITS︓ジェシカ・ピアソン』ジーナ・トーレス/モーガン・スペクター/シャンテル・ライリー/ベサニー・ジョイ・レンツ/サイモン・カシアニデス/ウェイン・デュヴァル
  5. 映画『ダウントン・アビー』ヒュー・ボネヴィル/エリザベス・マクガヴァーン/マギー・スミス/ミシェル・ドッカリー/ローラ・カーマイケル/アレン・リーチ/ブレンダン・コイル/ジョアン・フロガット/ロブ・ジェームス=コリアー/レスリー・ニコル/ソフィー・マックシェラ/マシュー・グード/ジム・カーター/イメルダ・スタウントン
PAGE TOP