REVIEW

ぼくとパパ、約束の週末【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

REVIEW

心がとっても温かくなる作品です。本作は、自閉症の少年と家族の実話を基にしています。本国ドイツでは、100万人以上を動員する大ヒットを飛ばしました。ストーリーの序盤は、自閉症のジェイソン(セシリア・アンドレセン)と家族が、複数のルールに則って生活している様子が映ります。さらに、ジェイソンが学校生活で苦労している様子や、ずば抜けた頭の良さを見せるシーンも出てきます。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

ある日、ジェイソンは学校でトラブルを起こしてしまい、学校を変えなければいけない可能性が出てきてしまいます。そんななか、父ミルコ(フロリアン・ダーヴィット・フィッツ)と母ファティメ(アイリン・テゼル)は、ジェイソンと過ごす時間について話し合います。そして、ジェイソンの希望によって、ミルコはある約束を交わし、毎週末、ある目的のためにジェイソンと一緒に過ごすことになります。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

本作の公式サイトには、2人がどんな約束をするのかが書かれていますが、できれば知らずに観てみてください。何も知らずに観ると、展開に驚き心配になりながらもワクワクして、2人の“冒険”をリアルに体感できます。ドイツの文化をすごく感じるストーリーでもあり、ある事柄に熱狂的になる人達の姿にも親近感が湧いてきます。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』アイリン・テゼル

本作には、自閉症のジェイソンや家族が苦労する姿が描かれているものの、できないことより、できることに焦点が当てられています。ジェイソンがどんどん殻を破っていく姿はとても逞しいです。もちろん、ダメなものはダメとなりつつも、愛嬌たっぷりでホッコリさせられるシーンもあります。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

そして、ポロッとジェイソンが見ている世界を共有してくれるシーンの数々が見事に描かれています。クライマックスは「遂に!」とワクワクさせられつつ、絶妙なオチで笑わせてくれます。さらにラストシーンでも、とある伏線をユーモアたっぷりなオチで回収しています。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

実は劇中で、ご本人達が登場しています。私は鑑賞後に公式資料を見て知ったのですが、すぐに思い出せる場面で登場しています。一通り鑑賞した後に、登場シーンを振り返ると、感慨深いものがあります。そして、2人は今も週末の“約束”を続けているそうですよ。ホッコリしたい方はぜひご覧ください。

デート向き映画判定

映画『ぼくとパパ、約束の週末』フロリアン・ダーヴィット・フィッツ/アイリン・テゼル

本作では、ジェイソンのために話し合う夫婦の姿も印象的に描かれています。ジェイソンのことを思いやり、夫婦もお互いに思いやる姿は、カップルにとって良いお手本になるでしょう。ラブラブな夫婦の様子が映るので、そのムードの恩恵を受けましょう(笑)。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン

小学生のジェイソンが主人公なので、同じ世代の皆さんは等身大で観られると思います。父と息子のお話なので、親子で観て、自分達も一緒に取り組めることを見つけるきっかけにするのも良さそうです。おじいちゃんとの会話も印象的に映ります。祖父母と孫で観ても楽しそうですよ。

映画『ぼくとパパ、約束の週末』セシリア・アンドレセン/フロリアン・ダーヴィット・フィッツ

『ぼくとパパ、約束の週末』
2024年11月15日より全国公開
S・D・P
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

© 2023 WIEDEMANN & BERG FILM GMBH / SEVENPICTURES FILM GMBH

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2024年11月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「どうしたらいい出会いがありますか?」他

今回は、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談の中から、下記のお2人のお悩みをピックアップして、マイソンなりにお答えしています。最後にチラッと映画の紹介もしています。

映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ ザ・ザ・コルダのフェニキア計画【レビュー】

REVIEWこれぞウェス・アンダーソン監督作という、何から何までかわいい世界観でありながら…

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流 こんな事があった【レビュー】

2021年夏の福島を舞台に、主人公の17歳の青年のほか、震災後も苦悩しながら生きる人々の姿を…

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ セレステ・ダッラ・ポルタ【ギャラリー/出演作一覧】

1997年12月24日生まれ。イタリア出身。

映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ ブロークン 復讐者の夜【レビュー】

『工作 黒金星と呼ばれた男』『アシュラ』などを手掛けたサナイピクチャーズが贈る本作は…

映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ Dear Stranger/ディア・ストレンジャー【レビュー】

真利子哲也監督(脚本も担当)による西島秀俊主演作という情報のみで、毎度ながら前情報をほぼ入れずに観て、いろいろ良い驚きが…

映画『風のマジム』伊藤沙莉 風のマジム【レビュー】

マジムって何だろうから始まり、すぐに主人公の名前とわかると、次に「じゃあ、風のマジムってどういうことなんだろう?」という具合に…

映画『ベスト・キッド:レジェンズ』ベン・ウォン ベン・ウォン【ギャラリー/出演作一覧】

2000年1月1日生まれ。中国、上海出身。

映画『ベートーヴェン捏造』山田裕貴/古田新太 ベートーヴェン捏造【レビュー】

「ベートーヴェンにまつわる実話なのに邦画なの!?」と思われる方は少なくないはず。でも…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 この映画で問いかけたい「宝」とは…大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート後編

前回に引き続き今回は映画『宝島』の部活リポートをお届けします。後編では、事前に正式部員の方々にお答えいただいたアンケート結果について議論しました。今回も熱いトークが繰り広げられています!

映画『宝島』部活:座談会/大友啓史監督 ファストムービー時代の真逆を行こうと覚悟を決めた!大友啓史監督と語ろう『宝島』部活リポート前編

『るろうに剣心』シリーズ、『レジェンド&バタフライ』などを手掛けた大友啓史監督が<沖縄がアメリカだった時代>を描いた映画『宝島』。今回、当部の部活史上初めて監督ご本人にご参加いただき、映画好きの皆さんと一緒に本作について語っていただきました。

映画『宝島』妻夫木聡/広瀬すず/窪田正孝 沖縄がアメリカ統治下だったことについてどう思う?『宝島』アンケート特集

【大友啓史監督 × 妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太】のタッグにより、混沌とした時代を自由を求めて全力で駆け抜けた若者達の姿を描く『宝島』が9月19日より劇場公開されます。この度トーキョー女子映画部では、『宝島』を応援すべく、正式部員の皆さんに同作にちなんだアンケートを実施しました。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ふつうの子ども』嶋田鉄太/瑠璃
  2. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  3. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ

REVIEW

  1. 映画『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』ベニチオ・デル・トロ/ミア・スレアプレトン/マイケル・セラ
  2. 映画『こんな事があった』前田旺志郎/窪塚愛流
  3. 映画『ブロークン 復讐者の夜』ハ・ジョンウ
  4. 映画『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』西島秀俊/グイ・ルンメイ
  5. 映画『風のマジム』伊藤沙莉

PRESENT

  1. 映画『ホーリー・カウ』クレマン・ファヴォー
  2. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
  3. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
PAGE TOP