REVIEW

ふたりのマエストロ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ふたりのマエストロ』イヴァン・アタル/ピエール・アルディティ

パリの華やかなクラシック音楽界を舞台に、長年わだかまりを抱えた親子の姿が描かれています。ある日、父のフランソワ(ピエール・アルディティ)のもとに昔からの夢だったスカラ座での音楽監督就任の依頼が舞い込みます。しかし、それは息子のドニ(イヴァン・アタル)宛にきた依頼の誤報で、ドニは父に真実を切り出せず悩みます。
ドニとフランソワはいがみ合っているものの親子で同じ指揮者の仕事をしていて、会話の端々からそれぞれに対する尊敬の念も感じます。でも、お互いに顔を合わせると嫌味を言ってしまい、素直に想いを伝えることができません。その様子はとてもリアルで親子関係の難しさを感じられるので、大人ならどこか共感できる点があると思います。
また、舞台がクラシック音楽界であることから、音楽シーンも見どころが満載です。モーツァルトの“フィガロの結婚 序曲”、ベートーヴェンの“交響曲第9番”など、聴いたことのある曲も多く登場しています。映画の公式資料によると監督のブリュノ・シッシュは大のクラッシク音楽好きで、本作ではそれぞれの登場人物を表現できる音楽を選んだそうです。そんな監督のこだわりの音楽にも注目してご覧ください。
本編は88分と観やすく、音楽と共に親子の物語を楽しめる作品です。音楽好き、映画好きはもちろん、もし家族関係に悩みを抱えている方なら、本作から何かヒントを得られるのではないでしょうか。

デート向き映画判定
映画『ふたりのマエストロ』ピエール・アルディティ

ドニは離婚経験があり、今は新しい彼女もいます。元奧さんとは現在も仕事のパートナーとして関わっており、劇中3人が顔を合わせるシーンもあります。そんな大人の関係が描かれているという点では、付き合いの長いカップル向けの作品です。また、ドニとフランソワ親子関係が中心として描かれているので、お互いの家族について話すきっかけになりそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ふたりのマエストロ』ピエール・アルディティ

本作で描かれる大人の親子関係については、まだピンと来ない部分が多いかもしれません。もし今観て理解できない部分があったとしても、大人になってから改めて観ると違う発見があると思います。本作は、クラシック音楽界が舞台となっているので、音楽好きの方だとより興味を持って観られます。もし気になるor好きな曲が登場したら、自分で調べたり聴いてみるのもオススメです。

映画『ふたりのマエストロ』イヴァン・アタル/ピエール・アルディティ

『ふたりのマエストロ』
2023年8月18日より全国順次公開
PG-12
ギャガ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© 2022 VENDÔME FILMS – ORANGE STUDIO – APOLLO FILMS

TEXT by Shamy

本ページの情報は2023年8月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ 大命中!MEは何しにアマゾンへ?【レビュー】

『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』という邦題がいい感じで「どういうこと?」と好奇心をそそります(笑)…

映画『君の顔では泣けない』芳根京子 芳根京子【ギャラリー/出演作一覧】

1997年2月28日生まれ。

映画『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー 『白の花実』美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんインタビュー

今回は『白の花実』に出演する美絽さん、池端杏慈さん、蒼戸虹子さんにお話を伺いました。撮影前に準備されたことや、本編を観た感想を直撃!

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  2. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  4. Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック
  5. 映画『大命中!MEは何しにアマゾンへ?』リュ・スンリョン/チン・ソンギュ/イゴール・ペドロゾ/ルアン・ブルム/JB・オリベイラ

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP