REVIEW

ホリック xxxHOLiC【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ホリック xxxHOLiC』神木隆之介/柴咲コウ

色鮮やかでアーティスティックなこの世界観はやっぱり蜷川実花監督にしか作り出せないものだろうと思います。一方、この世界観はかなり個性的でインパクトがあるので、非現実的に見え過ぎる可能性があります。それでいて、現実の世界とファンタジーの世界の境界線が良い意味で曖昧で、バランスよく描かれています。だからこそ、四月一日=わたぬき(神木隆之介)が美しい蝶に導かれて訪れる侑子(柴咲コウ)の店が実際にどこかにあるようなリアリティを感じさせるのでしょう。
キャラクターも皆魅力的で悪い者か良い者かがわからず引き寄せられてしまう不気味さが、この物語の展開を盛り上げるのに一役買っています。俳優達も役にピッタリ合っていて、それぞれのキャラクターが立っている点にも好感が持てます。
本作はビジュアル・インパクトが強い点がまず魅力の1つでありつつ、ストーリーにもシンプルで強いメッセージが込められています、普段何気なく頭に描く理想が裏を返すと全然違ったものに見えたり、観る者に自分自身を客観視させるきっかけをくれます。アーティスティックな作品に興味がある方は、物事がうまくいかない日々に悶々としている方も気分転換に観てみてはいかがでしょうか。

デート向き映画判定
映画『ホリック xxxHOLiC』神木隆之介/柴咲コウ

個性が強い作品なので、正直なところ好き嫌いは分かれそうな気はします。でも、デートで観て気まずくなるようなシーンはないので、2人とも興味があればデートで観るのもアリでしょう。「もし、自分が侑子の店に行けたら願い事をするか?」など、観終わった後にいろいろ想像して話したくなる話題も出てくるのではないでしょうか。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ホリック xxxHOLiC』神木隆之介/柴咲コウ/磯村勇斗/吉岡里帆

表面的なところだけ見て、「こうなりたい」「こうしたい」という願いはいろいろ出てくるかもしれませんが、「本当にそれでいいの?それはこういうことなんですよ」という新たな視点を提示してくれる物語です。なので自分の価値観を整理するきっかけになる部分があるかもしれません。高校生達の友情物語も描かれているので、皆さんの世代は一層等身大の気持ちで観られると思います。

映画『ホリック xxxHOLiC』神木隆之介/柴咲コウ/松村北斗/玉城ティナ/磯村勇斗/吉岡里帆

『ホリック xxxHOLiC』
2022年4月29日より全国公開
松竹、アスミック・エース
公式サイト

©2022映画「ホリック」製作委員会 ©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD./講談社

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン 『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』一般試写会 5組10名様ご招待

映画『新解釈・幕末伝』山下美月 山下美月【ギャラリー/出演作一覧】

1999年7月26日生まれ。東京都出身。

映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作 もういちどみつめる【レビュー】

「18・19歳の厳罰化を目的とした、2022年の少年法改正に対して抱いた疑問から制作を始めました」(映画公式サイト、佐藤慶紀監督)とあるように…

映画『喝采』ジェシカ・ラング 『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

映画『喝采』一般試写会 10組20名様ご招待

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  2. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  3. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智
  4. 映画『もういちどみつめる』筒井真理子/髙田万作
  5. 映画『果てしなきスカーレット』

PRESENT

  1. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  2. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
  3. 映画『喝采』ジェシカ・ラング
PAGE TOP