REVIEW

午前4時にパリの夜は明ける【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『午前4時にパリの夜は明ける』シャルロット・ゲンズブール

夫と別れたエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)と、10代の娘ジュディット(メーガン・ノータム)と息子マチアス(キト・レイヨン=リシュテル)、ひょんなことから彼等の家で間借りすることになったタルラ(ノエ・アビタ)の物語。エリザベートは長らく専業主婦だったにもかかわらず、いきなり2人の子どもを養うため働くことになります。自分に自信をなくし絶望感に苛まれているエリザベートが、しばしば涙を見せるシーンがまず印象的で、彼女のか弱さが滲み出ています。ただ、そんな姿を見せながらも、新しい職を見つけようと行動を起こす姿から、彼女は芯が強いことがわかります。また、ただでさえ経済的余裕がないにもかかわらず、路頭に迷うタルラを家に招き、時には厳しい態度を見せるシーンは、彼女の母性の強さと優しさ、器の大きさを感じさせ、共感を呼びます。もう1人のキーマン、タルラもパリという街の多面性を映す鏡のような存在として描かれています。そして、エリザベートの子ども、ジュデイット、マチアスが母を心配しながら少しずつ大人になっていく姿も優しく映ります。
シャルロット・ゲンズブールをはじめとしてキャストが皆好演していて、哀愁漂うストーリーながら、同時に優しさも醸し出され心地よい空気に癒されます。脇役で登場するエマニュエル・べアールの存在感と貫禄にも要注目。絶望感や孤独感、無力感に押し潰されそうな時に観て欲しい1作です。

デート向き映画判定
映画『午前4時にパリの夜は明ける』シャルロット・ゲンズブール/メーガン・ノータム

人生の辛い時期にあるキャラクター達が再生していく物語なので、デートで観るのもアリですが、何となく付き合っているような状態でまだ正式に交際するかわからない間柄の2人にとっては、気まずくなる展開があるかもしれません。安定した関係ならデートで観る、まだ落ち着かない方は1人でじっくり観るのがオススメです。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『午前4時にパリの夜は明ける』キト・レイヨン=リシュテル/ノエ・アビタ

10代のキャラクターも複数出てくるので、ティーンの皆さんは等身大で感情移入できると思います。友達のこと、気になる子のこと、家族のこと…、いろいろな切口で観られるので、自分の気持ちに向き合うきっかけとなる部分もあるでしょう。セクシャルなシーンも出てくるので、一緒に観る相手は選んだほうが良いと思います。

映画『午前4時にパリの夜は明ける』シャルロット・ゲンズブール/キト・レイヨン=リシュテル/ノエ・アビタ/メーガン・ノータム

『午前4時にパリの夜は明ける』
2023年4月21日より全国順次公開
R-15+
ビターズ・エンド
公式サイト

© 2021 NORD-OUEST FILMS – ARTE FRANCE CINÉMA

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『鬼の花嫁』永瀬廉/吉川愛 鬼の花嫁【レビュー】

2020年に刊行された原作者クレハによる小説を映画化した本作は、あやかし(鬼、天狗、河童、九尾の狐など、超越した能力を持つ種族)と人間が共存する世界を舞台に…

映画『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』山田杏奈 山田杏奈【ギャラリー/出演作一覧】

2001年1月8日生まれ。埼玉県出身。

「宮﨑駿のパノラマボックス」メディア取材会、宮崎吾朗監督、鈴木敏夫プロデューサー スタジオジブリの新作映画は!?宮崎吾朗監督&鈴木敏夫プロデューサーが本音で語る宮﨑駿監督の近況【宮﨑駿のパノラマボックス】メディア取材会

スタジオジブリにて、このパノラマボックスに関する記者会見が開かれました。和やかな雰囲気のなか、パノラマボックスのお話、最近の宮﨑駿監督の様子など、貴重なお話をたくさんお聞きしました。以下、ほぼフルバージョンで掲載します。

映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆 ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。【レビュー】

写真家、地引雄一の自伝的エッセイ「ストリート・キングダム」を、田口トモロヲ監督が映画化した本作は…

映画『決断するとき』キリアン・マーフィー/エミリー・ワトソン 決断するとき【レビュー】

主演はキリアン・マーフィー、監督はベルギー出身のティム・ミーランツが務め、製作総指揮はベン・アフレック、製作にはマット・デイモンも名を連ねています…

映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン カミング・ホーム【レビュー】

シニア世代の静かな日常を描いたホッコリかわいいストーリーでありながら、意外にも大きなスケールで、ある意味ぶっ飛んでいる奇想天外な…

韓国ドラマ『愛の不時着』ソン・イェジン ソン・イェジン【ギャラリー/出演作一覧】

1982年1月11日生まれ。韓国、ソウル出身。

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』ドーナル・グリーソン 未公開映画活性課カ行

未公開作品のなかから、当部が気になる作品、オススメしたい作品をご紹介。

映画『全知的な読者の視点から』イ・ミンホ/アン・ヒョソプ/チェ・スビン/シン・スンホ/ナナ/ジス/クォン・ウンソン 全知的な読者の視点から【レビュー】

原作を知らず、タイトルのみ見ると、現実世界の日常を描いた作品だと思う方もいるでしょう。でも、本作はファンタジー・アクション映画で…

映画『君が最後に遺した歌』道枝駿佑/生見愛瑠 君が最後に遺した歌【レビュー】

タイトルに「遺した」とあるので、悲しい展開を予想される方もいるでしょう。ただ、それだけではなく…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『国宝』吉沢亮 映画好きが選んだ2025邦画ベスト

今回は、正式部員の皆さんに投票していただいた2025年邦画ベストの結果を発表!2025年の邦画ベストで上位にランクインしたのはどの作品でしょう?

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』 私ならこうする!『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』を観た女子の本音

ショートドラマ『復讐同盟 —サレ妻と愛人はクズ旦那を制裁する—』をトーキョー女子映画部正式部員の皆さんに観ていただき、感想や「私ならこうする!」を聞いてみました。

映画『ユージュアル・サスペクツ』ガブリエル・バーン/スティーヴン・ボールドウィン/ケヴィン・スペイシー/ケヴィン・ポラック あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『ユージュアル・サスペクツ』

今回の「勝手にキャスティング企画!」では、『ユージュアル・サスペクツ』のリメイクを作るとしたら?と…

学び・メンタルヘルス

  1. 【映画学ゼミ第6回】「鑑賞者のローカス・オブ・コントロールと、映画鑑賞における着眼点・感想の関係」参加者募集!
  2. 【映画学ゼミ第5回】「登場人物にみる人間の非合理性」参加者募集!
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス

REVIEW

  1. 映画『鬼の花嫁』永瀬廉/吉川愛
  2. 映画『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』峯田和伸/若葉竜也/吉岡里帆
  3. 映画『決断するとき』キリアン・マーフィー/エミリー・ワトソン
  4. 映画『カミング・ホーム』ベン・キングズレー/ハリエット・サンソム・ハリス/ジェーン・カーティン
  5. 映画『全知的な読者の視点から』イ・ミンホ/アン・ヒョソプ/チェ・スビン/シン・スンホ/ナナ/ジス/クォン・ウンソン

PRESENT

  1. 映画『大丈夫、大丈夫、大丈夫!』イ・レ
  2. 映画『キング・オブ・キングス』
  3. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP