REVIEW

逆転のトライアングル【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『逆転のトライアングル』ハリス・ディキンソン/チャールビ・ディーン

ザ・スクエア 思いやりの聖域』のリューベン・オストルンド監督作ということで期待される方も多いでしょう。本作は、その期待に大いに応えてくれます。冒頭の男性モデル達のシーンからして皮肉たっぷり。その後に続く、ヤヤ(チャールビ・ディーン) とカール(ハリス・ディキンソン)のざわつくお金の話、ヨットの章、島の章と、それぞれの章で、私達が生きる世界の“トライアングル”が滑稽かつ辛辣に描かれています。
本作で観客は、状況の変化によって人間関係の“トライアングル”がいとも簡単に逆転する様を目の当たりにします。途中、皮肉たっぷりで爆笑してしまうシーンも出てきますが、もし自分が当事者だと思うとゾッとすることばかり(苦笑)。改めて、私達はこういう世界に生きているのだなと実感が湧きます。そして、“トライアングル”がどんな向きになったとしても、頂点とも底辺ともいえない位置で生きる、カールに象徴される立場も印象的です(あくまで私の解釈ですが)。
カールを演じるハリス・ディキンソンの美しさも際立つと同時に、その美しさゆえにカールというキャラクターが滑稽に見える点も本作の素晴らしいところ。ハリス・ディキンソンは他の作品でも演技の幅を見せており、本作でも改めて演技力を証明しています。ストレートにいって、本作はすごくおもしろいです!お見逃しなく。

デート向き映画判定
映画『逆転のトライアングル』チャールビ・ディーン

ヤヤとカールのやり取りは、本作を理解する上でガイドの役割も果たしています。2人のセリフは、資本主義社会で生きていく私達の現実を象徴していて、とても現実的です。なので、ロマンチックになるどころか、めちゃめちゃ現実的な思考にさせられるでしょう。そういう意味で、カップルとして現実的で生々しい部分にも目を向ける必要性を感じている2人なら、敢えて一緒に観てみるのも良いかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『逆転のトライアングル』ハリス・ディキンソンほか

経済の話がいろいろ出てきたり、悪いお手本も出てきます。反面教師的に見て勉強になる部分も大いにありますが、幼いキッズにはまだ理解が難しい部分がありそうです。せめて中学生くらいになってから観たほうが、自分なりにいろいろな解釈をしながら楽しめるのではないでしょうか。

映画『逆転のトライアングル』ハリス・ディキンソン/チャールビ・ディーン/ドリー・デ・レオン/ウディ・ハレルソン

『逆転のトライアングル』
2023年2月23日より全国公開
ギャガ
公式サイト

Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『リバウンド』アン・ジェホン ポッドキャスト【だからワタシ達は映画が好き】7〜2024年4月の「気になる映画とオススメ映画」

2024年4月下旬、気になる映画、オススメ映画はコレとアレと…

映画『恋するプリテンダー』シドニー・スウィーニー/グレン・パウエル 恋するプリテンダー【レビュー】

久々にハリウッドの王道ラブコメを観たという感覚をもたらす楽しい作品です。ひょんなことがきっかけで…

映画『九十歳。何がめでたい』草笛光子 『九十歳。何がめでたい』特別試写会 20組40名様ご招待

映画『九十歳。何がめでたい』特別試写会 20組40名様ご招待

映画『アバウト・ライフ 幸せの選択肢』エマ・ロバーツ エマ・ロバーツ【プロフィールと出演作一覧】

1991年2月10日アメリカ、ニューヨーク生まれ。ロサンゼルス育ち。父は俳優のエリック・ロバーツ。子どもの頃から…

映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』 ゴジラxコング 新たなる帝国【レビュー】

こりゃもう、見どころてんこ盛りで約2時間の上映時間も…

映画『キラー・ナマケモノ』 キラー・ナマケモノ【レビュー】

女子大生の寮で、ナマケモノ(動物)が人を殺しまくるって、どういうことやねんと…

海外ドラマ『エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』ニコール・キッドマン エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~【レビュー】

ニコール・キッドマン(主演兼製作総指揮)と『フェアウェル』のルル・ワンがタッグを組んだ本シリーズは…

映画『ハクソー・リッジ』ルーク・ブレイシー ルーク・ブレイシー【プロフィールと出演作一覧】

1989年4月26日生まれ。オーストラリア、シドニー出身。ベルビュー・ヒルにあるスコッツ・カレッジで学び…

映画『悪は存在しない』西川玲 悪は存在しない【レビュー】

『悪は存在しない』というタイトルにインパクトがあり、鑑賞中はどういう意味が込められているのか…

中国ドラマ『花の告発~煙雨に仇打つ九義人~』QUOカード 中国ドラマ『花の告発~煙雨に仇打つ九義人~』オリジナルQUOカード(500円分) 3名様プレゼント

中国ドラマ『花の告発~煙雨に仇打つ九義人~』オリジナルQUOカード(500円分) 3名様プレゼント

部活・イベント

  1. 【ARUARU海ドラDiner】サムライデザート(カップデザート)
  2. 【ARUARU海ドラDiner】トーキョー女子映画部 × Mixalive TOKYO × SHIDAX
  3. 【ARUARU海ドラDiner】サポーター集会:パンチボール(パーティサイズ)
  4. 【ARUARU海ドラDiner】プレオープン
  5. 「ARUARU海ドラDiner」202303トークゲスト集合

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『MIRRORLIAR FILMS Season5』横浜流星 映画好きが推すイイ俳優ランキング【国内20代編】

今回は、国内で活躍する20代(1995年から2004年生まれ)のイイ俳優の中から、昨今活躍が目覚ましい方を編集部の独断で70名選抜し、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』ティモシー・シャラメ 映画好きが選んだ2023洋画ベスト

正式部員の皆さんに2023年の洋画ベストを選んでいただきました。どの作品が2023年の洋画ベストに輝いたのでしょうか?

映画『テルマ&ルイーズ 4K』スーザン・サランドン/ジーナ・デイヴィス あの名作をリメイクするとしたら、誰をキャスティングする?『テルマ&ルイーズ』

今回は『テルマ&ルイーズ』のリメイクを作るとしたら…ということで、テルマ役のジーナ・デイヴィスとルイーズ役のスーザン・サランドンをそれぞれ誰が演じるのが良いか、正式部員の皆さんに聞いてみました。

REVIEW

  1. 映画『恋するプリテンダー』シドニー・スウィーニー/グレン・パウエル
  2. 映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』
  3. 映画『キラー・ナマケモノ』
  4. 海外ドラマ『エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』ニコール・キッドマン
  5. 映画『悪は存在しない』西川玲

PRESENT

  1. 映画『九十歳。何がめでたい』草笛光子
  2. 中国ドラマ『花の告発~煙雨に仇打つ九義人~』QUOカード
  3. 映画『ミステリと言う勿れ』菅田将暉
PAGE TOP