REVIEW

籠の中の乙女 4Kレストア版【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』

REVIEW

ヨルゴス・ランティモス監督がキャリアの初期に手掛けた、カンヌデビュー作である本作は、2009年に製作されたギリシャ映画です。想像通り、強烈な作品となっています。都度驚きと狂気を感じながら観ていただきたいので、ほとんどあらすじに触れずにレビューしたいと思います。

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』ミシェル・ヴァレイ/アンゲリキ・パプーリァ

序盤から「???」となる会話が交わされ、一気本作の世界に引き込まれます。そして、次から次へと不可解なシーンが映し出されていきます。一方でストーリーが展開するにつれ、何が起きているのかを理解し始めるものの、どういう結末が待っているのかは読めず、最後まで目が離せません。

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』

本作に登場する一家の“ルール”には限界があります。だから、何度も“崩壊”しそうになるものの、何とか回避されます。それでも、予期せぬ事態は起き、クライマックスでは大きな展開があります。そして、やっぱりヨルゴス・ランティモス監督作ですから、とっても皮肉な結末が用意されています。とはいえ、しっかり筋が通っていて、これしかないと納得のいく結末となっています。

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』ミシェル・ヴァレイ

俳優陣の演技も見事で、本当に不気味で狂気的な世界が完成しています。俳優陣の中でも特に長女役アンゲリキ・パプーリァ(アンゲリキ・パプリア)の演技が素晴らしいです。ヨルゴス・ランティモス監督はもちろん、この強烈な世界観を体現してきた俳優の方々の貢献ぶりも実感させられます。

デート向き映画判定

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』

性描写もふんだんに出てくるので、デートで観るのは気まずいでしょう。ただし、歪んだ価値観を客観視できる内容なので、一緒に観て共有しておくのもアリです。どんな映画でも一緒に観て平気というカップルは、観ていろいろ語れると思います。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』

R-18なので、残念ながら18歳になるまでは観られません。とはいえ、本作に登場する若者の姿を観ると、同世代の皆さんは思うところがたくさん出てくると思います。もし、自分が彼等と同じような状況だったらどうするか、どうなるかを考えてみることで、逆に自分にはできることがもっとあると思えるかもしれません。

映画『籠の中の乙女 4Kレストア版』

『籠の中の乙女 4Kレストア版』
2025年1月24日より全国公開
R-18+
彩プロ
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

© XXIV All rights reserved

TEXT by Myson

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年1月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 【映画学ゼミ第2回】「性格特性と映画の好みの関連」「伏線回収と解釈の実践1」参加者募集!

【映画学ゼミ】第2回概要映画学ゼミ第2回もNとSでテーマを変えて実施します。どちらかのみ参…

映画『女性の休日』 女性の休日【レビュー】

ちょうど今から50年前の今日、1975年10月24日に…

映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗 爆弾【レビュー】

呉勝浩による同名ベストセラー小説を原作として映画化された本作は、知らぬ間に…

海外ドラマ『エイリアン:アース』海外ドラマ『エイリアン:アース』 シドニー・チャンドラー【ギャラリー/出演作一覧】

1996年2月13日生まれ。アメリカ出身。

映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン ハード・トゥルース 母の日に願うこと【レビュー】

現代のロンドンを繰り広げられる本作は、対照的な性格を持つ姉妹のそれぞれの日常を…

映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人 ミーツ・ザ・ワールド【レビュー】

この町で出会った、アニメにハマっている腐女子の由嘉里(杉咲花)、キャバ嬢のライ(南琴奈)、既婚の No.1 ホスト、アサヒ(板垣李光人)は、それぞれどこか孤独感、空虚感を…

韓国ドラマ『TWELVE トゥエルブ』パク・ヒョンシク パク・ヒョンシク【ギャラリー/出演作一覧】

1991年11月16日生まれ。韓国出身。

『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』豆原一成さん、八木莉可子さんインタビュー 『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』豆原一成さん、八木莉可子さんインタビュー

今回は『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』で恋人役として共演された豆原一成さんと八木莉可子さんにインタビューをさせていただきました。

ポッドキャスト:トーキョー女子映画部チャンネルアイキャッチ202509 ポッドキャスト【トーキョー女子映画部チャンネル】お悩み相談「なんとなく孤独、これでいいの?」

今回も、正式部員の皆さんからいただいたお悩み相談を2件取り上げました。最後に、2025年10月劇場公開作品の中で特にオススメの3作品を紹介しています。

映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』オリヴィア・コールマン/ベネディクト・カンバーバッチ ローズ家~崖っぷちの夫婦~【レビュー】

昔、同じような設定の映画があった気がすると思っていたら、やはり元ネタは…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年11月募集用 【映画学ゼミ第2回】「性格特性と映画の好みの関連」「伏線回収と解釈の実践1」参加者募集!

【映画学ゼミ】第2回概要映画学ゼミ第2回もNとSでテーマを変えて実施します。どちらかのみ参…

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion ファイナンシャルプランナーから学ぶ【明るい未来のための将来設計とお金の基本講座】(スイーツとお飲み物付)女性限定ご招待!

本セミナーでは、「NISA・iDeCoなどの資産形成」「子どもの教育資金」「将来受け取る年金」「住宅購入・住宅ローン」「保険」など、将来に役立つお金の知識や情報、仕組みやルールについて、ファイナンシャルプランナーの先生が初めての方でもわかりやすく優しく教えてくれます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  2. 映画『おーい、応為』長澤まさみ
  3. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion

REVIEW

  1. 映画『女性の休日』
  2. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  3. 映画『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』マリアンヌ・ジャン=バプティスト/ミシェル・オースティン
  4. 映画『ミーツ・ザ・ワールド』杉咲花/南琴奈/板垣李光人
  5. 映画『ローズ家~崖っぷちの夫婦~』オリヴィア・コールマン/ベネディクト・カンバーバッチ

PRESENT

  1. 映画『爆弾』山田裕貴/佐藤二朗
  2. AXA生命保険お金のセミナー20251106ファイナンシャルプランナーversion
  3. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル
PAGE TOP