REVIEW

きみの色【レビュー】

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映画『きみの色』

REVIEW

『映画けんおん!』や『映画 聲の形』を手がけた山田尚子監督が、音楽×青春という得意分野で生み出した本作。声の出演には、戸田恵子や新垣結衣など実力派が名を連ねるなか、1600名のオーディションを経て選ばれた、鈴木紗由、高石あかり、木戸大聖がメインキャラクター3名の声に挑戦しています。

映画『きみの色』

その人が放つ“色”が見えるトツ子(鈴木紗由)は、同じ学校に通うきみ(高石あかり)の色に魅了されます。でも、ある日からきみは学校に来なくなり、トツ子は再会を待ち望んでいました。そんななか、トツ子はふと立ち寄った古本屋できみを見かけ、ひょんなことから、きみ、その場に居合わせた音楽好きのルイ(木戸大聖)とバンドを組むことになります。

映画『きみの色』

規律の厳しい女子校の寮に住むトツ子と、それぞれに悩みを抱えているきみとルイが、音楽を通して、友情を深め、自分らしさを見つけていく姿が清々しく映る作品です。周囲に心配してくれる人がいるけれども、どことなく孤独を感じ、居場所を探しているような3人は、それぞれの殻を破り、自分自身を見出していきます。彼等の姿を観て、同世代の皆さんが等身大で共感するのはもちろん、大人も懐かしい感覚に触れてキュンとすると思います。

映画『きみの色』

トツ子が他者に見る“色”は、観る方によって解釈が異なるでしょう。トツ子がいる境遇からすると、スピリチュアルなオーラのようなものと捉えられることもできそうだし、アイデンティティの比喩と捉えることもできそうです。子どもと大人の間にいる3人は、自分がやりたいことと、家族や周囲が自分に期待しているであろうことの間で葛藤しています。そんな3人が自分がなりたい自分を探し、徐々に成長していく姿が観られます。

映画『きみの色』

アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバーの有名な言葉を使っている点も印象的です。この言葉は、洋画をよく観る方なら聞いたことがあると思います。言葉の意味がストーリーとどう絡んでくるのかにも注目してご覧ください。

デート向き映画判定

映画『きみの色』

主人公達と同じティーンのカップルは身近な物語として楽しめるでしょうし、日頃自分が考えていることや思っていることをお互いに話すきっかけにできるのではないでしょうか。カップルで観て気まずい要素はなく、友達以上恋人未満の方、初デートで観ても大丈夫です。大人カップルで観る場合でも、10代の頃の話で盛り上がれそうです。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『きみの色』

自分自身と向き合い、周囲の人と向き合う主人公達の姿を観て、いろいろな思いが湧いてくるでしょう。一人で悩んで苦しいことがあっても、周囲の皆も同じように何かしら悩みを抱えていて、そういう意味で一人ではないと感じられるかもしれません。思わぬところで良い出会いがありそうと希望も持てて、これから成長するにつれて広がる世界にワクワクできると良いなと思います。

映画『きみの色』

『きみの色』
2024年8月30日より全国公開
東宝
公式サイト

ムビチケ購入はこちら

©2024「きみの色」製作委員会

TEXT by Myson

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