REVIEW

この夏の星を見る【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『この夏の星を見る』桜田ひより

REVIEW

2020年、新型コロナウィルス感染症が世界中に広まった1年目、私達の日常は大きく変わりました。本作では、その2020年に、長崎県、茨城県、東京都に住む中高生達が過ごした日々を描いています。原作は、直木賞作家、辻村深月著「この夏の星を見る」、キャストには桜田ひより、水沢林太郎、黒川想矢、中野有紗、早瀬憩、星乃あんな、和田庵など若手注目株が多数出演しています。

映画『この夏の星を見る』

コロナ禍は誰にとっても辛い年月で、本作を観ると、改めて私達は何を奪われ、何を得たかが思い出されます。そして、一生に一度きりしかない、中学、高校生活がコロナ禍にぶつかってしまった若者達の心情は計りしれません。本作に登場する中高生達は、これまでできていた行事や部活が思うようにできなくなり、感染に対する恐れからくる感染者に対する差別や、地元以外の人に対する“よそ者”扱いがエスカレートした状況など、それぞれ苦難を強いられます。でも、一見絶望的な状況から、思わぬきっかけで妙案を思いつき、彼等の表情が明るくなっていく様子に観ていて心が和みます。

映画『この夏の星を見る』

本作では、天文に強い興味を持った高校生、溪本亜紗(桜田ひより)と飯塚凛久(水沢林太郎)が入部した天文部の恒例行事スターキャッチコンテストがストーリーの鍵となっています。これがユニークなコンテストであるのはもちろん、天文部の本格的で熱い部活の様子を観て、中高バスケットボール部だった私は、文化系の部活も楽しそうだな、かけもちができたなら入ってみたかったなと今さらながらに思いました(笑)。同時に、どんな部活かは問わず、仲間とあらゆる経験を共有する幸せはかけがえのないものだと実感できます。本作のキャッチコピーに「最高で、二度と来ないでほしい夏」とあるように、コロナ禍はもう二度と経験したくはないけれど、大事にすべき思い出だと気づかされる1作です。

デート向き映画判定

映画『この夏の星を見る』

辛い時期の日々を描いているとはいえ、「これぞ、青春!」と感じる要素が多くあり、前向きに行動する若者達の姿に清々しさを感じ、元気をもらえます。今、中高生の皆さんは本作を観た感想を話すことで日常の悩みなどを共有するのも良いでしょうし、大人は青春時代の話に花を咲かせるきっかけに観るのもアリでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定

映画『この夏の星を見る』

長崎県、茨城県、東京都に住む中高生達の日常が描かれていて、皆さんは等身大で観られるでしょう。友達、家庭のこと、将来の夢、恋愛とさまざまな視点で共感できるところがあると思います。まだ未成年だからこその不自由さもある一方で、ポジティブな気持ちで人と人とが繋がっていく様子を観ると、人との出会いの良い面に改めて気づけるのではないでしょうか。

映画『この夏の星を見る』桜田ひより

『この夏の星を見る』
2025年7月4日より全国公開
東映
公式サイト

ムビチケ購入はこちら
映画館での鑑賞にU-NEXTポイントが使えます!無料トライアル期間に使えるポイントも

©2025「この夏の星を見る」製作委員会

TEXT by Myson


関連作

「この夏の星を見る」辻村深月 著/角川文庫
Amazonで書籍を購入する

本ページには一部アフィリエイト広告のリンクが含まれます。
情報は2025年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司 九龍ジェネリックロマンス【レビュー】

“ジェネリックロマンス”という要素から何を期待するのか、そして本作で描かれる“ジェネリックロマンス”をどう受け取るのかは…

映画『ユニバーサル・ランゲージ』 ユニバーサル・ランゲージ【レビュー】

本作の舞台は、ペルシャ語とフランス語を公用語とする架空の世界のカナダ・ウィニペグで…

映画『ヒックとドラゴン』ニコ・パーカー ニコ・パーカー【ギャラリー/出演作一覧】

2004年12月9日生まれ。イギリス出身。

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合 『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会 15組30名様ご招待

映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ パルテノペ ナポリの宝石【レビュー】

イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督が初めて女性を主人公にして撮った本作の物語は、1950年にパルテノペが生まれるところから…

映画『8番出口』二宮和也 8番出口【レビュー】

観始めてスゴい設定だと驚き、何から何まで巧く作られていて…

映画『ムガリッツ』 『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『ムガリッツ』トークイベント付き特別先行試写会 5組10名様ご招待

映画『太陽がいっぱい』アラン・ドロン アラン・ドロン【ギャラリー/出演作一覧】

1935年11月8日生まれ。フランス出身。

映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン 大統領暗殺裁判 16日間の真実【レビュー】

1979年10月26日、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が暗殺されました。本作は、その暗殺事件に関わったメンバーのうち、軍人だったために唯一軍法裁判にかけられたパク・テジュ(イ・ソンギュン)と…

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』 『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』一般向けオンライン試写会 10名様ご招待

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『スーパーマン』デイビッド・コレンスウェット 映画好きが選んだDCコミックス映画ランキング

今回は正式部員の皆さんに好きなDCコミックス映画について投票していただきました。“スーパーマン”や“バットマン”など人気シリーズが多くあるなか、上位にはどんな作品がランクインしたのでしょう?

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』トム・クルーズ 映画好きが選んだトム・クルーズ人気作品ランキング

毎度さまざまな挑戦を続け、人気を博すハリウッドの大スター、トム・クルーズ。今回は、トム・クルーズ出演作品(日本劇場未公開作品を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

映画『シークレット・アイズ』キウェテル・イジョフォー/ジュリア・ロバーツ /ニコール・キッドマン 映画好きが推すとっておきの映画を紹介【名作掘り起こし隊】Vol.5

このコーナーでは、映画業界を応援する活動として、埋もれた名作に再び光を当てるべく、正式部員の皆さんから寄せられた名作をご紹介していきます。

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『ネクスト・ゴール・ウィンズ』マイケル・ファスベンダー
  2. 映画『バーバラと心の巨人』マディソン・ウルフ
  3. 映画『We Live in Time この時を生きて』フローレンス・ピュー/アンドリュー・ガーフィールド

REVIEW

  1. 映画『九龍ジェネリックロマンス』吉岡里帆/水上恒司
  2. 映画『ユニバーサル・ランゲージ』
  3. 映画『パルテノペ ナポリの宝石』セレステ・ダッラ・ポルタ
  4. 映画『8番出口』二宮和也
  5. 映画『大統領暗殺裁判 16日間の真実』チョ・ジョンソク/イ・ソンギュン

PRESENT

  1. 映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』吉永小百合
  2. 映画『ムガリッツ』
  3. 映画『Pacific Mother パシフィック・マザー』
PAGE TOP