REVIEW

ももいろそらを(カラー版)

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『ももいろそらを』池田愛

この物語は、主人公の川島いづみが大金の入った財布を拾ったところから始まります。私達の日常でもこういったことは普通にあるので、彼女が欲にかられてしまうのではないかなどとリアルに想像できて、観る側もザワザワした気持ちになります。そして、普通ならすぐに交番に届けますが、いづみは財布の持ち主に興味を持ち、財布に入っていた身分証明書を頼りに持ち主の背景を膨らませていきます。このようなシンプルな設定だけで物語の世界に観る者を自然に引き込むところが、まず本作の魅力と言えるでしょう。さらに、いづみの行動を見ているといかにも好奇心旺盛な女子高生という感じがしますが、いづみはこのお金を自分のものにしようというわけではないからこそ、予想外の展開を巻き起こします。そこへいづみの友達、蓮実と薫が加わって、異なるタイプの女子高生達が同じくこの財布に興味を持つことで、彼女達が日々無意識に体験しているある種のアドベンチャーを描いている点が観ていて微笑ましいです。
高校生の頃って、半分大人になっていながらまだ子どもで、社会や人を見る目もまだ未熟です。でも、ピュアな部分があるからこそ、それぞれ友達が抱える事情や思いなどにも素直に反応して、そういったところは主人公と同世代の方が観れば共感するだろうし、年配の方が観ても懐かしい感覚が蘇ってくると思います。個人的にはいづみとその友達の蓮実と薫の関係が本当に仲が良いのか、女子特有の小さな群れでしかないのかが気になりましたが、離れて眺めて見ると、女同士ってこういう風に見えるのかと思えるシーンも印象的でした。いづみが短い間で大きく成長する姿を観て、青春の酸いも甘いも味わってください。

デート向き映画判定
映画『ももいろそらを』池田愛

恋愛関係が描かれている部分もありますが、高校生達の清々しい関係なので、デートで観て気まずいということはないでしょう。主人公と同世代のカップルは、親近感を持って観られるでしょうし、大人カップルが観れば、お互いの青春時代の思い出を語るきっかけにもできそうです。思い出話で相手が辿ってきた道や価値観も少し知ることができるので、交際ホヤホヤカップルが観るのも良いですね。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『ももいろそらを』池田愛/小篠恵奈/藤原令子

友達との関係や憧れの人との関係など、皆さんにとって身近な内容なので等身大で観られると思います。いづみ達はお互いに相手に遠慮がなく、思ったことをぶつけ合います。一見すごくわがままに思えますが、若いうちはこれくらい元気なほうが良いのかもしれません。日常の中には腑に落ちないことが多々ありますが、いづみのようにいろいろやってみることで周囲の人の気持ちを知るきっかけにもなります。そんなところを本作から感じ取ってもらえれば嬉しいです。

映画『ももいろそらを』池田愛

『ももいろそらを』
2021年6月18日より全国順次公開
フルモテルモ
公式サイト

©2020 michaelgion inc. All Rights Reserved

TEXT by Myson

  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太 10DANCE【レビュー】

井上佐藤による漫画「10DANCE」を原作とする本作は、鈴木信也(竹内涼真)と杉木信也(町田啓太)という1文字違いの名を持つ正反対の2人の天才ダンサーが主人公…

Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー ジェイ・ケリー【レビュー】

ジョージ・クルーニー、アダム・サンドラー、ローラ・ダーン、ビリー・クラダップ、ライリー・キーオ、ジム・ブロードベント、パトリック・ウィルソン、グレタ・ガーウィグ、エミリー・モーティマー、アルバ・ロルバケル、アイラ・フィッシャーなど、これでもかといわんばかりの豪華キャストが…

映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ ロストランズ 闇を狩る者【レビュー】

“バイオハザード”シリーズでお馴染みの2人、ミラ・ジョヴォヴィッチとポール・W・S・アンダーソン夫妻が再びタッグを組み、“ゲーム・オブ・スローンズ”の原作者、ジョージ・R・R・マーティンの短編小説を7年の歳月をかけて映画化…

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ スワイプ:マッチングの法則【レビュー】

リリー・ジェームズが主演とプロデューサーを兼任する本作は…

映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行【レビュー】

パラリンピックやハンディキャップ・インターナショナルのアンバサダーを務めるアルテュスが…

映画『消滅世界』蒔田彩珠/眞島秀和 眞島秀和【ギャラリー/出演作一覧】

1976年11月13日生まれ、山形県出身。

映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン Fox Hunt フォックス・ハント【レビュー】

“狐狩り隊(=フォックス・ハント)”と呼ばれる経済犯罪捜査のエリートチームが、国を跨いだ巨額の金融詐欺事件の真犯人を追い詰めるスリリングな攻防戦が描かれた本作は…

Netflix映画『フランケンシュタイン』オスカー・アイザック フランケンシュタイン【レビュー】

メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」はこれまで何度も映像化されてきました。そして、遂にギレルモ・デル・トロ監督が映画化したということで…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『ウィキッド ふたりの魔女』シンシア・エリヴォ/アリアナ・グランデ トーキョー女子映画部が選ぶ 2025年ベスト10&イイ俳優MVP

2025年も毎年恒例の企画として、トーキョー女子映画部の編集部マイソンとシャミが、個人的なベスト10と、イイ俳優MVPを選んでご紹介します。

人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集!

ネットの普及によりオンラインで大抵のことができ、AIが人間の代役を担う社会になったからこそ、逆に人間らしさ、人間として生きる醍醐味とは何かを映画学の観点から一緒に探ってみませんか?

映画『チャップリン』チャーリー・チャップリン『キッド』の一場面 映画好きが選んだチャーリー・チャップリン人気作品ランキング

俳優および監督など作り手として、『キッド』『街の灯』『独裁者』『ライムライト』などの名作の数々を生み出したチャーリー・チャップリン(チャールズ・チャップリン)。今回は、チャーリー・チャップリン監督作(短編映画を除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。

学び・メンタルヘルス

  1. 人間として生きるおもしろさを知る【映画学ゼミ第4回】参加者募集
  2. 映画『殺し屋のプロット』マイケル・キートン
  3. 映画学ゼミ2025年12月募集用

REVIEW

  1. Netflix映画『10DANCE』竹内涼真/町田啓太
  2. Netflix映画『ジェイ・ケリー』ジョージ・クルーニー/アダム・サンドラー
  3. 映画『ロストランズ 闇を狩る者』ミラ・ジョヴォヴィッチ
  4. 映画『スワイプ:マッチングの法則』リリー・ジェームズ
  5. 映画『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』アルテュス/アルノー・トゥパンス/ルドヴィク・ブール

PRESENT

  1. 映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』チャージングパッド
  2. 映画『ただ、やるべきことを』チャン・ソンボム/ソ・ソッキュ
  3. 映画『グッドワン』リリー・コリアス
PAGE TOP