REVIEW
タイトルを聞いただけでも興味をそそりつつ、どうやって徳川家康が現代の総理大臣になるのかなと、そこから気になる方も多いのではないでしょうか。本作はとても現代的な設定により、歴史上の人物を現代に蘇らせ、ユニークな方法で現代人を鼓舞するストーリーとなっています。
まず、現代に蘇る歴史上の偉人達の顔ぶれの
豪華さと、元いた時代の違う偉人達が同じ時代で共に政治を執り行う姿を見るだけでもテンションが上がります。そこに各キャラクターを演じている俳優陣のクセの強さが相まって、娯楽性も抜群です。そして、ある意味今よりもっとシンプルな政治が行われていた時代の政策を現代でやったらどうなるのか想像させられて、映画で観る分には笑えつつ、現実的に考えるとゾッとさせられます。
序盤で新内閣の独特な空気感に慣れてくると、次は歴史的な出来事の再発を予感させる展開にゾクゾクさせられます。歴史は繰り返されるのか否か、予測しながら観るおもしろさがあります。でも、それだけでは終わりません。本作には、現代に生きる私達に向けたメッセージが込められています。野村萬斎が演じる徳川家康の言葉がストレートでわかりやすいのと同時に、それまでに繰り広げられる“昔のやり方”を見せられた後では、「あの時代に戻ったら最悪!」と思わせるものがあり、政治への無関心が何を生むのかゾッとさせられるところもあります。特定の思想を語るプロパガンダ映画とは違い、人任せにするなという生き方の姿勢を訴える物語として、良い意味で政治への関心を高めてくれることを本作に期待します。
デート向き映画判定
歴史好きのカップルは盛り上がること必至だし、特別日本史が好きでなくても、映画でしか観られない光景だからこそ盛り上がれると思います。片方が日本史好きで、一方が疎い場合は、鑑賞後に得意な側が知識を共有することで、おもしろみをさらに発掘できるかもしれません。
キッズ&ティーン向き映画判定
本作に登場する歴史上の偉人達はどの人物もメジャー級なので、基礎的な日本史知識があればついていける内容です。ただ、聖徳太子から坂本龍馬の時代まで幅が広いので、映画公式サイトを事前に観て、生前どんなことをした人なのかを復習しておくと、より楽しめます。本作を観ると日本史に一層興味が湧くので、勉強にもなり一石二鳥ですね。
『もしも徳川家康が総理大臣になったら』
2024年7月26日より全国公開
東宝
公式サイト
© 2024「もしも徳川家康が総理大臣になったら」製作委員会
TEXT by Myson
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情報は2024年7月時点のものです。最新の販売状況や配信状況は各社サイトにてご確認ください。