REVIEW

マイ・ブロークン・マリコ【レビュー】

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『マイ・ブロークン・マリコ』永野芽郁

『マイ・ブロークン・マリコ』というタイトルは、「マイ=私の」や「ブロークン=壊れた」が意味するところが何なのか、興味をそそります。本作は、ある日突然、テレビのニュースで親友の死を知った主人公シイノトモヨ(永野芽郁)が、親友マリコ(奈緒)との日々を振り返りながら、再び前を向こうとする様を描いた物語です。
マリコは子どもの頃から父親に虐待されていて、幼馴染みのトモヨはマリコの苦悩をずっと見てきています。一見トモヨのほうが頼もしく、マリコはか弱いのですが、物語が進むにつれて、違った印象が出てくるのも本作の見どころです。親友がいる方はきっと本作を観ながらその親友のことを思い出すでしょう。お互いが真逆のタイプの場合は余計に、トモヨとマリコのようにそれぞれの弱さをそれぞれの強さで補うような関係にとても共感すると思います。
広くて浅い関係を作りやすい世の中になってきたからこそ、本作で描かれるような唯一無二な親友の尊さを実感します。時代は変わっても、変えてはいけないものがあることを気付くきっかけとして観てみてください。

デート向き映画判定
映画『マイ・ブロークン・マリコ』永野芽郁

デートで観るよりもやっぱり親友と一緒に観て欲しい作品です。もしくは、疎遠になってしまった親友を思って、1人でじっくり観るのも良いでしょう。自分と正反対の親友の場合は特に理解しづらいところがあったり、時には依存されているように感じることもあるでしょう。でも、俯瞰してみると、自分達の関係性で違った一面を発見できるかもしれません。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『マイ・ブロークン・マリコ』窪⽥正孝

大人になってからでも友達はできますが、子どもの頃、学生の頃の友達は特別です。言葉では説明できない、深いところで繋がりを持てる友達は、きっと子どもの頃や10代の頃にしか作れないのではないかと思います。本作を観た時に、自分達のことのように思えたら、その友達をずっと大切にしてください。
1点だけ、本作の中には自傷シーンが含まれます。R指定はついていないようですが、せめて高校生以上になってから観るほうが良さそうに思います。そして心が健康な時に観てください。

映画『マイ・ブロークン・マリコ』永野芽郁/奈緒

『マイ・ブロークン・マリコ』
2022年9月30日より全国公開
ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
公式サイト

© 2022映画『マイ・ブロークン・マリコ』製作委員会

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ 心理学から観る映画59:研究倫理に反する実験とその被害『エクスペリメント』『まったく同じ3人の他人』

『まったく同じ3人の他人』というドキュメンタリーを観ました。生き別れた三つ子が再会する感動のストーリーかと思いきや、驚愕の背景を知り、研究倫理について改めて考えさせられました。そこで今回は研究倫理をテーマとします。

映画『コンビニ・ウォーズ~バイトJK VS ミニナチ軍団~』ヴァネッサ・パラディ ヴァネッサ・パラディ【ギャラリー/出演作一覧】

1972年12月22日生まれ。フランス出身。

映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮 ブルーボーイ事件【レビュー】

高度成長期にあった1965年の東京では、街の浄化のため、警察はセックスワーカー達を厳しく取り締まっていました。ただ、セックスワーカーの中には性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受けて女性的な体をした通称ブルーボーイが…

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人 君の顔では泣けない【レビュー】

高校1年生の夏、坂平陸(武市尚士)と水村まなみ(西川愛莉)はプールに一緒に落ちたことで体が入れ替わってしまいます。2人はすぐに元に戻ることができず15年を過ごし…

映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

物語の舞台は1982年。ブルース・スプリングスティーン(ジェレミー・アレン・ホワイト)は、名声を手に入れながらも、葛藤を抱えて…

映画『2つ目の窓』松田美由紀 松田美由紀【ギャラリー/出演作一覧】

1961年10月6日生まれ。東京都出身。

「第38回東京国際映画祭」クロージングセレモニー:受賞者 東京グランプリは『パレスチナ36』!第38回東京国際映画祭ハイライト

2025年10月27日(月)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開幕したアジア最大級の映画の祭典である第38回東京国際映画祭が、11月5日(水)に閉幕。今年も個性豊かな作品が多数出品され、さまざまなイベントが実施されました。以下に、第38回東京国際映画祭ハイライトをお届けします。

映画『平場の月』堺雅人/井川遥 平場の月【レビュー】

朝倉かすみ著の同名小説を実写化した本作は、『ハナミズキ』『花束みたいな恋をした』(2021年)などを手がけた土井裕泰が監督を務めて…

映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル ぼくらの居場所【レビュー】

カナダのトロント東部に位置するスカボローを舞台に、さまざまな背景を抱えた3組の親子の姿を…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画学ゼミ2025年11月募集用 AI時代における人間らしさの探求【映画学ゼミ第2回】参加者募集!

ネット化が進み、AIが普及しつつある現代社会で、人間らしさを実感できる映画鑑賞と人間にまつわる神秘を一緒に探求しませんか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  2. 映画学ゼミ2025年11月募集用
  3. 映画『おーい、応為』長澤まさみ

REVIEW

  1. 映画『ブルーボーイ事件』中川未悠/中村中/イズミ・セクシー/真田怜臣/六川裕/泰平史/錦戸亮
  2. 映画『君の顔では泣けない』芳根京子/髙橋海人
  3. 映画『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』ジェレミー・アレン・ホワイト
  4. 映画『平場の月』堺雅人/井川遥
  5. 映画『ぼくらの居場所』リアム・ディアス/エッセンス・フォックス/アンナ・クレア・ベイテル

PRESENT

  1. 映画『TOKYOタクシー』オリジナルパラパラメモ
  2. トーキョー女子映画部ロゴ
    プレゼント

PAGE TOP