REVIEW

逃げた女

  • follow us in feedly
  • RSS
映画『逃げた女』キム・ミニ/ソン・ソンミ

結婚してから5年間、夫と一度も離れたことがなかったガミ(キム・ミニ)は、夫の出張中にソウル郊外の3人の女友達を訪ねます。本作は、ガミとその女友達とのたわいもない会話を映し出したもので、見た目に大きな出来事が起こるわけではありません。でも、彼女達の会話にはそれぞれドラマがあり、お互いが相手の言葉を受けることで何かしら心が揺れている瞬間が見えます。会話の内容は恋愛や夫婦関係についてがメインで、女友達それぞれが異なる恋愛観を語る一方、ガミが語る夫との関係は同じように語られるのですが、ガミの話し方にどことなく変化が表れてくる様子も印象に残ります。
本作は、観る側に解釈が委ねられる部分が多く、明確な答えが示されているわけではありません。でも、タイトルが『逃げた女』ということで、誰が逃げた女なのかを想像しながら観るおもしろさがあり、さまざまな女性が登場するので、誰かしらに自分と似たところを重ね合わせて観られると思います。自分自身も無意識に何かから逃げてるのかなと自覚させられる部分もあるかもしれませんよ。

デート向き映画判定
映画『逃げた女』キム・ミニ/キム・セビョク

カップルで本作を観るとどんな空気が流れるのかは未知数ですが、パートナーの感想や、どんな解釈をしたのか聞いてみたい内容ではあります。派手な展開のある映画を好む方を誘うには不向きかもしれませんが、いろいろな解釈を編み出すのが好きな方を誘うなら、鑑賞後はきっと会話も弾むでしょう。

キッズ&ティーン向き映画判定
映画『逃げた女』キム・ミニ/ソ・ヨンファ

キッズの皆さんにはまだピンとこない内容、テーマだと思います。恋愛経験のある高校生なら、少しこの大人の感覚を想像できるかもしれません。いろいろな恋愛観、恋愛関係があるのだなと思う部分もあるので、今の自分自身だったらどうするだろうと考えながら観るのも良いでしょう。

映画『逃げた女』キム・ミニ

『逃げた女』
2021年6月11日より全国順次公開
ミモザフィルムズ
公式サイト

© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved

TEXT by Myson

関連記事
  • follow us in feedly
  • RSS

新着記事

映画『消滅世界』蒔田彩珠 消滅世界【レビュー】

ジェンダー、セックスのどちらにおいてもこれまでの常識を覆す価値観が浸透した世界を描いた本作は、村田沙耶香著の同名小説を原作として…

映画『ナイトフラワー』森田望智 森田望智【ギャラリー/出演作一覧】

1996年9月13日生まれ。神奈川県出身。

映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚 佐藤さんと佐藤さん【レビュー】

同じ佐藤という苗字のサチ(岸井ゆきの)とタモツ(宮沢氷魚)は、セリフにも出てくるように「結婚しても離婚しても佐藤」です…

映画『楓』福士蒼汰/福原遥 『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『楓』カバーアーティスト、十明による“楓”生歌唱付き&サプライズゲスト登壇!特別試写会 9組18名様プレゼント

映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大 兄を持ち運べるサイズに【レビュー】

原作は、村井理子が書いたノンフィクションエッセイ「兄の終い」…

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ 3名様プレゼント

映画『見はらし世代』井川遥 井川遥【ギャラリー/出演作一覧】

1976年6月29日生まれ。東京都出身。

映画『WEAPONS/ウェポンズ』 WEAPONS/ウェポンズ【レビュー】

ある町から突然17人の子どもが同時に行方不明になるところから始まる本作は、“IT/イット”“死霊館”シリーズなど、傑作ホラーを多数世に送り出してきた…

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智 ナイトフラワー【レビュー】

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田英治監督が、“真夜中シリーズ”と銘打つ本作は…

本サイト内の広告について

本サイトにはアフィリエイト広告バナーやリンクが含まれます。

おすすめ記事

映画学ゼミ2025年12月募集用 人間特有の感情や認知の探求【映画学ゼミ第3回】参加者募集!

今回は、N「湧き起こる感情はあなたの性格とどう関連しているのか」、S「わかりやすい映画、わかりにくい映画に対する快・不快」をテーマに実施します。

映画『悪党に粛清を』来日舞台挨拶、マッツ・ミケルセン 映画好きが選んだマッツ・ミケルセン人気作品ランキング

“北欧の至宝”として日本でも人気を誇るマッツ・ミケルセン。今回は、マッツ・ミケルセン出演作品(ドラマを除く)を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。上位にはどんな作品がランクインしたのでしょうか?

映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン監督 映画好きが選んだウェス・アンダーソン監督人気作品ランキング

今回は、ウェス・アンダーソン監督作品を対象に、正式部員の皆さんに投票していただきました。人気作品が多くあるなか、上位にランクインしたのは?

学び・メンタルヘルス

  1. 映画学ゼミ2025年12月募集用
  2. 映画『エクスペリメント』エイドリアン・ブロディ
  3. 映画学ゼミ2025年11月募集用

REVIEW

  1. 映画『消滅世界』蒔田彩珠
  2. 映画『佐藤さんと佐藤さん』岸井ゆきの/宮沢氷魚
  3. 映画『兄を持ち運べるサイズに』柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
  4. 映画『WEAPONS/ウェポンズ』
  5. 映画『ナイトフラワー』北川景子/森田望智

PRESENT

  1. 映画『楓』福士蒼汰/福原遥
  2. 映画『楓』旅からはじまるトラベルポーチ
  3. 映画『Fox Hunt フォックス・ハント』トニー・レオン
PAGE TOP